概要
東方茨歌仙にて一コマの背景として登場した、名前も性格も台詞もない、いわゆるモブキャラ。モブキャラ+河童ということで今のところこのように呼ばれているようである。現在確認されているのは3〜4名。
金の出る温泉地帯を魔理沙と掘っていた。金脈を発見するまで『地中深くまで』掘る算段だったようだが、人体に危険な有毒ガスが発生していたため茨木華扇に阻止される。
後に洩矢諏訪子が計画したダムの建設にも従事したが、好き放題やって作業にならなかったため頓挫した。この際に河童には労働組合があることが語られており、この一件では労組単位で八坂神奈子と揉めた様子である。
またある時は霍青娥に空き巣に入られ、彼女を殺しにきた水鬼鬼神長によって高圧水流が数日間玄武の沢に留まり続けて家に帰れなくなったりとひどい目に遭っている。
その一件のせいで河を捨てた河童『山童』が出現しているが、濡れ衣を着せられたりとやはりひどい目に遭っている。
そのあんまりな扱いに河童達が怒り、コミックREXの10月号の特別読み切りにて待遇の改善を要求していた。
何かと悲惨な面が目立つ河童たちであるが、一方でしたたかな面も持ち合わせており、その性質の一つとして描かれているのが商売にも積極的な様子である。『東方心綺楼』ではにとりが命蓮寺に屋台を出し収益をあげている他、二ッ岩マミゾウのストーリーではマミゾウの人気にあやかっての「 狸グッズ(河童製) 」がブームとなった模様である(文々。新聞、『心綺楼』)。さらに『茨歌仙』で見られた様子によると『心綺楼』の決闘ブームの裏には河童たちによる賭けの締めがあったようで、博麗神社で行われた博麗霊夢対聖白蓮の決闘ではモブ河童の一人が賭けを取り仕切っている。
こういった賭けは人里でも行われており、『東方鈴奈庵』では「 蕎麦屋のおやじさん 」が一人勝ちしたと語られている(ただし人里での賭けのまとめが河童によるものかどうかの言及はなく、博麗神社でのとりまとめについてのみ判明している)。
『鈴奈庵』では『心綺楼』におけるブームの熱気に乗って飲食も繁盛した様子であったと語られており、賭けなども通しての人里でのお金の巡りの良さにはブームの潮流の一部としての河童達の動きもリンクしていた様子である。
また『鈴奈庵』の別のエピソードでは、妖怪も寄り付かないという僻地を「 開墾 」し、きゅうりの生産工場を建設。にとりが何らかの手段で入手した外の世界におけるキュウリの品種改良にまつわる書物をもとに、独自の研究と生産とを行った。本エピソードを通しても河童たちは独自の高い技術と才能とを、河童らしい目的で応用している。
同エピソードは多数のキャラクターが様々な形で「外の世界」を体験することとなった『東方深秘録』以後のものであり、同作にはにとりもまた独自のスタンスで参戦している。
同エピソードでは幻想郷の河童にとって胡瓜が嗜好品であることや人間からそれを略奪することで得ていた事、近年河童が増加している事などが語られている。河童界隈では「 人件費 」も高いようで、コストを削減するために関係資料の印刷と製本を鈴奈庵にアウトソーシングしている。河童社会における「 人件費 」などにかかる貨幣単位(あるいはその他の貨幣経済的流通物)などについては具体的には語られていないが、別の機会でにとりが命蓮寺の出店に際して「場所代」について言及していたり、先述のように他の河童が人間の里の掛けを取り仕切ったりしており、人間と同様に何らかの経済社会を持つ様が語られている。
カラーリングに関しては長い間不明だったが、前述の読みきりがフルカラーであったため彼女らの公式カラーリングがお初見えとなった。
おかっぱ頭のモブ河童(メイン画像真ん中)のみ藍色の髪と瞳と服をしており、残りのモブ河童はすべてにとりと同じ青色の髪と瞳と服であるようだ。
河を捨てた山童も元は河童なので同じ色である。
このカラーリングは『茨歌仙』単行本第三巻総扉でも確認できる。
個人別の登場状況
「モブ河童」は主に『東方茨歌仙』にてその活動が描かれている他、同作をはじめ次のような「モブ河童」が登場している(登場話について特に作品の指定のないものは『東方茨歌仙』の話数を示す)。
- おかっぱのモブ河童
先述のおかっぱ頭が特徴の河童。
胸元に大きめのリボンをつけ、白色の襟元と袖にはそれぞれ一本線の装飾が入っている。リボンは登場の機会によってバリエーションがある。
『茨歌仙』作中での河童にまつわるエピソードでは、このおかっぱのモブ河童は頻繁に登場している。
登場機会としては先述の魔理沙とともに金採掘しているシーンで初登場(第三話)。
この際は足に身につけているものも他の河童と異なる。
妖怪の山でのダム建設のシーン(第四話)では仕事そっちのけでにとりと談笑している他別のシーン(第五話)ではロボットのような機械工作をしているが、数コマ後にはどうやら失敗したらしい様子も描かれている。
さらに先述の玄武の沢に超高水圧の水柱が出現した際(第十二話)に調査に来た霊夢に襟元を掴まれゆらされながら詰問されているのもおかっぱの河童の一人である。彼女はにとりが状況を説明している間に霊夢から逃れている。
しかし状況が改善されないまま霊夢らが帰ってしまったため、その後もにとりや眼鏡をかけた河童(後述)らとともに沢で途方に暮れていた。
そしてこの一件で河から山へと移動して山童となった者にも同様の容姿のおかっぱの(元)河童が登場しており、作中で河童と山童とのイメージ対比の際にも登場した他、実際にサバイバルゲーム中にも登場した。
またとある理由から運松の元を訪ねた(第十一話)のもこの容姿の河童である。
- 眼鏡をかけた河童
魔理沙とともに金採掘しているシーンで初登場(第三話)。このときは採掘に用いるのか巨大なつるはし状の道具を持っている。
その後妖怪の山でのダム建設のシーン(第四話)にも似た容姿の河童が登場した他玄武の沢のシーン(第十二話)でも登場し、先のおかっぱの河童が霊夢に揺さぶられているのを後ろでぞっとしながら見ている。
なお東方Projectにおける他の眼鏡をかけたキャラクターについては後述の余談を参照。
妖怪の山でのダム建設のシーン(第四話)に初登場。全体的に髪が外向きにはねており、前髪に髪留めをつけているのが特徴。
先端が刺又状になった道具らしきもので別の河童とチャンバラごっこのように遊んでいる。
玄武の沢のシーンではセリフ枠に隠れているがそれらしい河童(髪留めの付いた、はねた髪の様子)が描かれている。髪留めの他、襟元がスカーフのようになっている服装が特徴。
山童としても登場(同一の河童かは不明)しており、やはりサバイバルゲームに興じている。
こちらは襟元のタイに特徴があり、そのセリフからはクールな性格が想像される。
ゲーム中、思わぬ「 エンカウント 」に遭遇している。
- そばかすのある河童
博麗神社における先述の『心綺楼』ブームに便乗した賭けを仕切っていた河童(第十八話)。
そばかすと表情の豊かさが特徴で、気さくかつ人懐こい性格。また『茨歌仙』第四巻のカバー裏に描かれた設定イラストには、髪は「天パー(白)」、すなわち白髪の天然パーマであることが示されている。
- その他の河童
上記以外にもネクタイをしたショートカットの河童やみつあみの河童(山童)も登場しており、服装も個人ごとにアレンジされているなど個性がある。
『茨歌仙』以外の作品では『心綺楼』にて玄武の沢ステージに登場。
複数の河童達が水面から顔を出して観戦する様子が描かれている。
このうちの一人はバイザーのようなものを付けていおり、この一人は帽子の模様や形状がわずかながら異なる描かれ方がなされている。
『鈴奈庵』ではにとりと共に帽子の上に頭巾をかぶった多数の河童が登場。頭巾は河童ごとに模様が異なるが帽子前面のマークはほぼ同じ。ただし「目」は帽子などに隠れる形で描かれていない。背丈はにとりとほぼ同じくらいである様子。
活動としては、ホイッスルのような笛を用いた指揮にはじまり、バケツリレーのように河童の資材を運搬する統率のある様子が描かれている。
さらに作中では河童の能力とその活動について、人間の里との関わりにも関連して語られている。
余談
- ZUNのラジオでの発言により、モブ河童達のデザインはZUNによるものである事が判明している。
- モブ河童の中には東方儚月抄に出てくるモブキャラの玉兎や妖精メイドと同じくメガネっ娘がいる。東方Projectにおいて眼鏡をかけているキャラは今のところ彼女以外では男性キャラの森近霖之助と旧作(東方夢時空)の朝倉理香子、東方神霊廟の二ッ岩マミゾウ、東方深秘録の宇佐見菫子がいる。また本居小鈴や稗田阿求が眼鏡をかける様子(いずれも『鈴奈庵』)も見られている。
- pixivの中ではおかっぱ頭のモブ河童が一番人気がある。