「仕事はテキトーでいい。そのかわり、給料もテキトーだ」
概要
『逆転裁判3』第2話『盗まれた逆転』に登場。年齢48歳。身長168cm。
警備会社『KB警備会社』の社長。社名は彼のイニシャルに由来する。英語版での名前は「Kane・Ballard(ケイン・バラード)」で、こちらでも社名が彼のイニシャルに因んで『KB・Security(KB・セキュリティ)』となっている。数ヶ月前、世間を騒がす怪盗・怪人☆仮面マスクの犯行現場の警備を担当した。だが任務に失敗してしまい、会社の信頼が急落した為、経営難に苦悩していた。
その最中、社長室で何者かに撲殺され、遺体は同室にあった大きな金庫の中から発見された。金庫に遺体が隠されていた為、遺体の発見には時間が掛かった。事件当時、怪人☆仮面マスクとされる天杉優作が同社を訪れており、裁判を経て『倉院の壺』窃盗容疑が晴れたばかりの優作は、今度は毒島の殺人容疑で再拘束された。
ポマードで固めたパンチパーマに、全体的には黒髪だが、もみあげのみ白髪に染まった髪色が特徴。初期設定では顔は同じだが、髪の色が黒と白のストライプでシマウマを想起させる物となっていた。光沢のある黒のスーツを着た恰幅の良い紳士で、鼻の左側に大きな黒子を持つ。毒島殺害事件の捜査を担当した刑事・糸鋸圭介からは「脂ぎった親父」と呼ばれていた。こんな軽蔑混じりの発言を人の良い糸鋸が口にするのは珍しい。
生前は金に目がなく金儲けの為に悪どい事を幾つもしていた。糸鋸の調べによると「主に闇ルートを経由して、各地の警備関連の情報を売り捌いて利益を得ていた」との事。その他にも「ハッキングを始めとする不正手段で入手した各種情報の売買」にも手を染めていた。規模こそ遥かに小さいものの、悪名高い情報処理会社『コナカルチャー』の社長・小中大と同様の悪事を働いていた訳である。『逆転裁判ファンブック』では「名前からして善人ではない」と一蹴されていた。実際ある人物を脅迫していて相手からの恨みを買った結果、殺害された。
『KB警備会社』の優秀な警備員であった優作にとっては元上司でもある。しかし毒島は「浪費家の妻・天杉希華に貢ぐ大金欲しさに、会社の情報を闇ルートで売り捌いた優作」に激怒し、自分が同じ事をしているのは棚に上げて懲戒免職を下した。当初、警察と検察側は「自業自得であるが優作は解雇された事を恨み、毒島を殺害したのではないか」と推理していた。
同社でアルバイトをしている矢張政志からは尊敬されており、いい加減な性格の彼に冒頭の台詞を送っている。「テキトーな給料」とは恐らく歩合制の事だろうか。
悲惨な事に殺害当時の毒島は防犯ブザーを鳴らして助けを求めたが、当直の警備員だった矢張が「今の彼女からの別れ話」に応じる為、会社から離れていたせいで、誰も助けに来ない上に遺体の発見まで遅れるという無念の最期を遂げた。冒頭の台詞でも解る様に「矢張の適当な仕事ぶり」を許容していたのが一因となって憂き目を見る羽目になった。金の亡者の悪徳社長だったとは言え、あんまりな最期である。
彼女との会話を優先したばかりに「社長の死を招く一因」を作ってしまった事で、矢張も猛反省して警備会社を自ら離職した。そして新たな人生を求めて誰にとっても予想外の職業に再就職する。そちらでの新たな上司は、毒島とは正反対の心優しい人格者だった為、矢張も心から慕って弟子入りして以降は極力、迷惑を掛けない様にしていた。「矢張の歴代上司」の中で彼の迷惑行為による被害者とならずに済んだのは、矢張の師匠も兼ねたこの上司位しかいない。