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湯神くんには友達がいない

ゆがみくんにはともだちがいない

佐倉準による漫画作品。 「週刊少年サンデーS」にて平成24年7月号から平成25年11号まで掲載。その後「週刊少年サンデー」に移籍し令和元年25号まで掲載された。単行本全16巻。
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ぼっちになるのではない。ぼっちでいるのだ!

概要

上星(かみほし)高校2年A組、変わり者の湯神裕二のブレないマイペース生活と、友達がほしい転校生・綿貫ちひろの困惑の日々を描く「お一人様コメディー」。

2013年1月にサンデーCM劇場にて映像化された。

単行本第6巻特別版に付随するCDには落語ドラマ――劇中で描かれる湯神渾身の『時そば』と、巻末の『ねずみ穴』紹介を収録。

登場人物

湯神 裕二 (CV:内山昂輝

「友達いらない」と言って憚らない偏屈男子。自分の理屈を押し通し、他人の気持ちはお構いなし、どこまでも我が道を突き進む鋼のメンタルの持ち主。生真面目で努力家な為、綿密にスケジュールを組んで行動するが、予定通りにいかなくなるとイライラと貧乏ゆすりを始める。落語家・平楽のファン。普段は無口だが落語の話になるとペラペラと一方的に話し続ける。猜疑心が強く、安易に他者を信頼しないのだが、責任感が強い為、役割を果たそうとするあまり人にお節介を焼いている事も。隣の席の綿貫ちひろには有難迷惑がられている。

野球部の左投手。部のエースにして最大の厄介者であるため非常に扱いにくく、よく上級生を怒らせている。3年生の引退に伴い、本人も望まぬままに部長に就任。キャプテンとしての役割を効率的に果たす為、非人道的な新システムを構築した。チームメイトからの評判は良くないものの、自己鍛錬には熱心で雨の日のトレーニングも一人、生き生きとやっている。

物事を熟考するタイプで人を見る目は確か。しかしその観察眼はあまり建設的な目的には活かされていない。行動パターンが亡き祖父にそっくりらしく、家族の間では隔世遺伝説が決定的。


綿貫 ちひろ (CV:米澤円

転勤続きの家庭で育ったごく善良な女子。転校初日に困っていたところを湯神に助けられる。教室で席が隣になった彼の理解不能な言動に戸惑いながらも、なんだかんだで関わり合いになることが多い。ストレス耐性が高いのか湯神との会話はもつ方だが、そのせいで同類と思われクラスメートから敬遠されていた。落語好きの父の影響で多少は落語の話が分かり、湯神には妙な親しみを持たれている節もある。

ややヘタレな反面、お人好しで行動力もある。湯神には助けられることもあって、彼の人となりをあるていど好意的に解釈できる、作中でも稀な人物。屁理屈にも慣れたと語り、湯神のあしらいにこなれる一方で、その批判的な思考パターンに影響される自分に危機感を抱いている。

梨緒に誘われ、夏休みにスーパーのレジ打ちを始めた。自分に自信を持つべく、各種資格を勉強中。趣味は羊毛フェルト一人カラオケ

ちひろと湯神との絶妙な距離感は、本作の魅力の柱と言える。


門田 春樹 (CV:阿部敦

上星野球部の1年生。本来はライトの補欠だが、少年野球時代から馴染みの湯神とバッテリーを組まされてレギュラー入りした。主な仕事は湯神の教育係兼、ワガママの尻ぬぐい。彼の投手としての力量や本番での図太さは認めており、制御するための発言力を欲している。守備をアテにしない湯神が、三振奪取に偏るあまりペース配分を考えないのも悩みの種。

公私ともに、湯神の奔放さのアオリをいちばん食っているかもしれない苦労人。当の湯神からの評は「気がつくけど気は利かない」。湯神のせいで梨緒と妙な因縁ができてしまい、彼女からの(野球部に関する)メールに悩まされている。


久住 若菜

上星野球部のマネージャー。サバサバした性格で部を引き締める、2-Aの女子。1年の頃から部活でもクラスでも湯神にはイラついており、門田が入部するまでは湯神をどやしまくって野球部の緩衝材になっていた。

湯神と一緒に罰当番をくらったちひろを見かねて声をかける。ちひろにとっては上星で最初のまともな友達。面倒見のよさゆえに数々の心労を抱えるが、問題解決に向けた行動は迅速。


藤沢 梨緒

湯神にラブレターを送ったD組の美少女。1年の時に湯神の気まぐれな人助けを受けた記憶を過剰に美化したあげく、彼をデートにまで誘い出したつわもの。手ひどいフられ方をしたが、フォローに入ったちひろと親しくなる。

律儀ないい子ではあるものの、真面目さが高じて妥協知らずの頑固者という一面も。妙に我が強いという点では湯神に似ており、その事を指摘された際は泣いて嫌がったが本人もクラスで浮きがちなのを自覚している。繊細なわりに向上心がやたらと強く、バイトなどの辛い状況にあえて身を投じては、自身の至らなさに苦悩する日々。

湯神を慕っていたため、上星野球部をはじめとした高校野球に造詣が深く、応援も人一倍熱心。


財前 譲治

ちひろの前に突然現れた文芸部の男子生徒で、湯神の親友(自称)。中学時代から文芸部だったらしく、自分の作品に容赦ない批評を浴びせてきた湯神に言われて創作落語を志す。その後、ノリで担当編集を引き受けた湯神のもとに新作を持ってくるようになったが、湯神の方はとても後悔している。

彼からすれば、作品を読んでくれる人は誰でも親友。ちひろも親友認定を受け、居合わせた梨緒が衝撃を受けている。


城戸

若菜の負担を減らそうと、門田がスカウトしてきた野球部の新入り女子マネージャー。なかなか覚えが早く、仕事をそつなくこなす。1年生ながら落ち着いており、部員の変化にも目ざといしっかり者。

湯神についてよく知らないため、他の部員とは違った視点から部の情況を観察し、門田にアドバイスを送る。


林山 真咲

天城高校野球部のストイックなエース。湯神、門田とは少年野球で一緒だった。過去の因縁(本人の記憶違い)もあって湯神をライバル視していたが、当の湯神には忘れられショックを受ける。

上星との公式戦を観戦したちひろから素直な感動を伝えられたことで好感を抱き、彼女のバイト先にも通い詰めるようになってチームメイトから「ストーカー」とからかわれている。女の子に不慣れであり、2対1になろうものならフリーズ寸前。

偵察好きで、物事には作戦を練りに練ってから臨むタイプなのに、機転が利かず不測の事態にはさっぱり対応できない。メンタル面に不安があるため精神鍛錬にも励んでいるものの、肝心な場面では結局ぐらつく。野球に対しては直向きなので、移り気な湯神にいら立ち「バカエース」呼ばわりしている。


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