概要
2008年11月21日に発売された、ライアーソフト制作のアダルトゲーム。
正式名称は「漆黒のシャルノス -What a beautiful tomorrow-」
ライアーソフトの第24作であり、ライアーソフトが過去に発表した『蒼天のセレナリア』、『赫炎のインガノック』と世界観を共有するスチームパンク・ホラーADV作品である。
企画原案・シナリオは桜井光。2011年に新規ビジュアル追加されたフルボイス版が発売された。
蒸気機関が異常なまでに発達した、20世紀初頭のロンドンが舞台。
無数の蒸気機関群の排煙によって、常に空は雲に覆われている。
王立碩学院の女学生、メアリ・クラリッサ・クリスティが、謎の黒衣の男、The Mと出会ったことにより・・・
ストーリー
比類なき蒸気都市と謳われる大英帝国首都、ロンドン。
そこは、我々の知るロンドンとはいささか違う。
機関革命によって、世界は一変していたのだ。異常なまでに発達した蒸気式の機関(エンジン)は、
今やエネルギー発生装置としての役割だけでなく、
超高度な演算を果たす情報機械や飛空艇、巨大飛行船までをも生み出すに至った。
そして20世紀初頭。現在の人類は繁栄をきわめている。
けれども人々は失っていた。無数の蒸気機関群の生み出す灰色雲によって、
かつて空に広がっていた青色は消え去り、人々は青の意味するものを忘れてしまった。
けれども。けれども。
例え空を失っても、都市に充ちる機関(エンジン)が生み出す排煙によって
形成された灰色雲が空を覆っても、機関工場の廃液がテムズのせせらぎを澱んだ黒色に変えてしまっても、
それでも、霧と蒸気の満ちるロンドンは美しい──
訪れた旅人は、皆そう言う。
テムズのほとりのコンドミニアムに暮らす女学生、メアリ・クラリッサ・クリスティ。
彼女もそう、ロンドンのすべてを愛していたし、第2次産業革命こと機関革命によって
もたらされるであろう人類の発展を、他の皆と同じように信じて疑っていなかった。
あの日、あの時までは。
そう、運命の1905年の10月のあの日。
あの夜、機関街灯の明かりも及ばない暗がりの中でメアリは男と出会った。
黒色に身を包んだ男。彼が差し伸べた黒い手は、メアリを非日常へと誘った。
すなわち、夜闇に潜む《怪異》と言う名の“誰も信じていなかった”はずの幻想の化け物たちが牙を剥き、
無辜の人々を次々と襲う、愛されざるべきロンドンの暗黒の一面へと。
──夢見るような暗黒と、ささやかな輝きとが混在する日々へと。
(公式サイト:ストーリー紹介より引用)
登場人物
主要人物
CV:かわしまりの
主人公。”黄金瞳”とよばれる瞳を右目に持ち、ロンドン王立碩学院に通う女学生。趣味は絵本を書くこと。
穏やかな日々を送っていたが、親友シャーリィを助けるためにMと契約し、《怪異》をおびき寄せるための”餌”となって黒の街で逃走劇を繰り広げる。
育ちがよく上品なお嬢さんにみえるが、芯が強く何事にも挫けない漢前な性格。
エロゲヒロインにもかかわらず、最後まで処女であり、乳首ですら最終章でしか見せない。
CV:越雪光
ヒロイn…もう一人の主人公。右目を眼帯で隠した謎の男。愛読書は「モンテ・クリスト伯」。
秘密結社≪西インド会社≫の最上級エージェントで、ロンドンの街に出没する《怪異》を追い、破壊している。
本来は彼の任務にならないメアリの監視をするなど、メアリに奇妙な執着をしている。
CV:野月まひる
通称シャーリィ。ウェールズの資産家の娘で、王立碩学院で史学科に通う少女。メアリの同級生であり、大の親友。
1905年、《怪異》と遭遇した影響で覚めない眠りに就いてしまう。
CV:桜川未央
中性的な人物。年齢不詳。
秘密結社≪西インド会社≫よって改造された機関人間であり、Mの直属の部下。寡黙でMに従順。