概要
作者はBatta氏。2016年4月から2024年10月まで「ebookjapan」で連載されていたWEB漫画作品で、当初は同社が運営していた漫画アプリ「みんなのコミック」にも掲載されていた。
氏の同人作品を下敷きにしている。2021年4月以降は第2部「狐のお嫁ちゃんと息子ちゃん」に表題が変更された。2024年11月現在、電子書籍版の単行本が12巻(第1部7巻、第2部5巻)まで刊行中(第2部6巻で完結)だが、紙媒体は第1部4巻で打ち止めになっている。
現代の京都の片隅にある架空都市で化け狐と人間が紡ぐ糖分多めな異類婚姻譚であるが、ご都合主義的な展開やファンタジー要素を必要最低限のものを除いて排し「地に足の付いた」描き方をしているのが特徴で、狐の生態をはじめとした「現実や伝承にしっかりとしたデータがあるもの」は基本的にそれに忠実に、情報が足りないものはそこからイメージを膨らませて描いている。
主な登場人物
- ぬしさま(CV:うえだゆうじ(ドラマCD版))
旦那様。京都の地方都市・口丹市で学芸員を務めている。学生時代から民俗学を専攻しており、その調査の途上でお嫁ちゃんに好意を抱き、結ばれた。普段の押しは弱いほうだが人としては一本芯が通っており、お嫁ちゃんが弱気になったり道を踏み外しそうになったりしたときは漢気を見せる。
- お嫁ちゃん(CV:南央美(ドラマCD版))
地元の神社で「こんぴらさん」の名で親しまれてきた齢300歳超えの化け狐。江戸時代からをその目で見続けた生き字引であり、これが縁でぬしさまと知り合った。元からある程度の知名度が有ったことが幸いして戸籍も取得済み。
出産を意識してからは自身の能力を活かして稼ぐべく、エアライフルと狩猟の免許を取り猟師として働いている。
- 新芽(あらめ)
ぬしさまの妹で鷹匠の資格を持つ高校生。地元の依頼で害獣駆除などを行っている。色恋沙汰より鳥にお熱なお年頃。
- ユリさん
地元猟友会のハンターで、普段はジビエレストランを切り盛りする。お嫁ちゃんの猟師としての頼れる先輩。
- 笹山さんと田端さん
ぬしさまが務める文化資料館の同僚(両方女性)。ただの同僚で片付かない距離感を匂わせている。
- 父上と母上
狐の隠れ里に住まうお嫁ちゃんの両親で力ある化け狐。父上は見た目の威厳はすごいがノミの心臓。母上は妖狐としては頼れる実力を持つが押しが非常にキツく、そもそもお嫁ちゃんが野に下ったのも彼女への反発から。
また、母上は若い頃に相当ヤンチャをしており、お嫁ちゃんがぶち当たる伝承由来の厄介事のほとんどはかつて母上が蒔いた種。最近になってその尽くが自分自身に跳ね返り、ただでさえ低いお嫁ちゃんからの好感度を更に下げているがある意味自業自得である。
- バッテン
野生の狐。雄。額に名前の由来にもなった十字傷がある。お嫁ちゃんが狩りに出ている最中に出会い、紆余曲折を経て狩りの相棒となる。狩りの成果は双方ともに安定するようになったが、バッテン側はその時々の番に「知らん雌の匂いをつけて帰ってきた」と一度は難癖を付けられるのがお約束になっている。
第二部「狐のお嫁ちゃんと息子ちゃん」から登場
- アタル
ぬしさまとお嫁ちゃんの息子。人間にも狐にもなれる、正真正銘の半人半獣。その常識が通用しない育児戦線に夫妻は翻弄されていく。
- トウメ
夫妻だけでの育児の限界を見越して狐の隠れ里から寄越された化け狐の侍女。お嫁ちゃんの育児も担当した事がある豊富な経験で育児をサポートするが、諸々の知識やセンスは精々昭和初期辺りで止まっており、自身も勉強の日々を送る。そこそこの妖術は使えるが変化は苦手としており、家の中では二足歩行の狐の姿を取りつつ、外出時は道具でのバックアップを万全にした上で老婆か少女の姿を取る。
- 笹音
竹林の奥に隠れ住む化け狸の姫君。化け狐とは違う系統の化け術を操り、服装ごとや物品への変化、妖異の具現化術などを修めている。両親を事故で喪い、年長者の理解を得られない中でも人間社会と共存する方法を模索している。
- ナヅナ
お嫁ちゃんの実家の分家筋にあたる里の黒狐。技術・知識・人格あらゆる意味で色々と未熟だが気持ちだけが先走っている危なっかしい存在。故郷の方も面倒な事情を抱えている模様。