演者一覧
CV:三宅健太(ToMでの配役。ボン・ボヤジ、ボン・ジュールと兼任)
舞台版演者:桜庭大翔
概要
獣人王ガウザーとは、聖剣伝説3及び同作の19年前を舞台とした聖剣伝説HEROES of MANAに登場するキャラクター。聖剣3では獣人王とだけ呼ばれるが、HoMにてガウザーという名前が明らかになった。
元来「国家」を持たない獣人族だったが(ただし「獣人族の長」という肩書きは以前よりあったらしい)、その圧倒的戦闘力とカリスマで月夜の森にビーストキングダムを建国した初代国王。HoMにはカリスマユニットで登場するが、弱冠24歳にして既に国家元首で創始者である。実は風の王国ローラントがまだ建国前であり、ビーストキングダムの方が時系列で少し先に生まれているという意外な事実が判明している。
獣人族は人間に迫害を受け月夜の森に流れ着いた歴史を持っており、人間に対して良い感情を持っていないと同時に勝つこともできないという負け犬根性まで染み付いていた。彼らの人間に対する敵愾心を焚き付ける形で建国した人物だが、人間の妻を娶り長男ケヴィンを授かっている。しかし妻はケヴィンを残し消息を絶ち、ガウザーは純真で心優しいケヴィンを非情の戦闘マシンとして格闘技を伝授しつつ鍛えていた。
聖剣3本編では物語最序盤、ビースト兵団が人間討伐隊を結成し聖都ウェンデル侵攻計画を進める最中、主人公の1人ケヴィンのストーリーで登場。突如現れ擦り寄ってきた死を喰らう男に命じ、ケヴィンの親友ちびウルフのカールを操らせケヴィンを襲わせ、ケヴィンの手で親友カールを殺害させた。ケヴィンには獣人王が黒幕とすぐ露見、激昂して挑みかかるケヴィンを一撃でビーストキングダム城から月夜の森まで吹き飛ばした。ケヴィンはその後、死を喰らう男に唆される形だが、カールの蘇生を願って、そして世界のどこかに居るであろう母親を求め、聖都ウェンデルに向け旅立つことになる。
このような経緯からケヴィンからは「あんなヤツ父さんじゃない」とまで言われている。
理の女王ヴァルダやフレイムカーンと異なり、洗脳は受けていないのにも関わらず残忍な所業に及んでいることからプレイヤー側からも印象は悪い。
なお、ビースト兵団人間討伐隊はこの後ジャドを占領、武力の無い湖畔の村アストリアを滅ぼしたが、光の司祭の結界によりウェンデル侵攻は頓挫。主人公達が草原の王国フォルセナに向かう段階くらいにはジャドから撤退している。
聖剣伝説3ストーリー中のネタバレ
ケヴィンがパーティに居ると(ミラージュパレスルートかそれ以外かで判明するタイミングが変わるが)獣人王の真意が判明する。具体的には「怒りや憎しみは力を生み出す」「本当の強さは怒りや憎しみを超えた先にある」という考えを述べており
- ガウザー自身は人間に憎しみを抱いていない。人間への報復らしき旗印を掲げたのは、迫害され心まで弱った獣人族を鼓舞する方便である(このため、マナの剣にも全然興味がない)。ウェンデル侵攻も割とルガー主導、マナの聖域侵攻は死を喰らう男の主導で、ガウザーの態度はおざなりというか放任である。エンディングではケヴィンに「良い仲間を持ったな」という言葉をかけ、人間と獣人の架け橋になることを期待していることを明かしている。
- 妻はケヴィンを産んで物心つく前に病没していたことが判明。ケヴィンには怒りを植え付けるために嘘を吹き込んでいた。
- 実はカールは死んでいない。どころか獣人王が墓に埋められたカールを直接掘り起こし保護していた。カールの件はケヴィンを奮い立たせるための茶番である。
- 国民やルガーはじめ多くの獣人が勘違いしているが獣人王の継承が世襲制とはガウザーから一言も言っていない。エンディング時点でケヴィンに期待を寄せる言葉はあるが、ガウザー自身が一代で築いたビーストキングダムが今後どうなるかは世界的なマナの消失もあり、わからない。ただし「真に強い者に継がせる」意向とみられる描写はある。
本心では獣人族やケヴィンに憎しみを超克した真の強さに辿り着かせたい意向だが、根本的には弱肉強食を信条としており人間(特に他の大国)と価値観を共有できるかは難しいと思われる。国家元首としてアストリアでの蛮行も許されるものではないだろう。当初の描写ほど残忍ではないが手放しに善人とも言えず、苛烈さが前面には出ない代わりに放任主義が過ぎる面もある。
ただしビーストキングダムとは距離を置いている争いを望まないミントスの獣人も居て、ビースト兵団も彼らの生き方に干渉はしていない。獣人族の持つ人間に対する恨みを否定も肯定もしない立場であり、実は一枚岩ではない獣人の長として「戦闘力が突出しているからそれを自覚して不干渉を貫いている」というバランサーな面もあるのかもしれない。
ケヴィンがパーティに居れば結果的にジャド・アストリアの侵攻に関わらなかったことがフォルセナ1の剣士、アルテナの王女、ウェンデルの光の司祭の孫、ローラントの王女の誰かによって保証されるばかりか、直接的戦犯だったルガーにもケヴィンが手を下している。そしてケヴィンの戦闘能力が高ければ、獣人本来の伝統らしきからするとタカ派もケヴィンを支持せざるを得ない。ガウザーがケヴィンのその後をここまで細かく予測していたとは到底思えないが、腕を大きく上げた上で各国の有力者と個人的コネができたケヴィンに「良い仲間を持った」「人間との架け橋になれ」と述べるのは、他民族と歴史的禍根を持つ国の政治的なリアルからすると割と妥当な評価・意見であったりする。
リメイク版ネタバレ
オリジナル版では最後までボスキャラとして直接対決する機会がなかったため、恐らく誰もが予想したであろうが、ケヴィンのクラス4イベントにて夢の最強獣人親子対決が実現する。
エンディング後の追加ストーリー解放後にケヴィンがビーストキングダムに戻ると、獣人たちが「獣人王の後継者は誰が相応しいか」と沸き立っている。獣人王の間に行くと、ガウザーはそもそも後継者はケヴィンだと言ったことは無いと延べる。そこでケヴィンが本能のオーブの話を出すと驚くと共に「知りたければ月読の塔に」と答える。塔の最上階で立ち合いの獣人が見守る中、親子のタイマン勝負が始まる。
アンジェラの母ヴァルダと同様、我が子との和解は進め方とルートによってはエンディングになるのだが、オリジナル版からストーリーに変更がないためクラス4イベントをクリア後にエンディングを迎えても内容に特に変化はない(ミラージュパレスルートを進んでない状態でクラス4イベントクリア後にエンディングを見てもケヴィンはガウザーに最初は殺意を剥き出しにするというおかしな展開になってしまう)。
エンディングのその後の生活を描写したスタッフロールムービーシーンでは、ケヴィンが森の中で赤ちゃんになったルガー坊やに稽古をつけながらカールと過ごしている様子を影ながら見守っている場面が描かれており、オリジナル版に比べると、多少ではあるが息子への彼なりの親心が存在する部分をうかがわせる様を見せている。
戦闘
月の神獣ドラン戦と同じ戦場。BGMもドランと同じStrange_Medicine。
ルガーはじめウェアウルフ族の王だけあり、真空水月斬、玄武百烈脚、朱雀飛天の舞、青龍殺陣拳などを次々連発してくる。威力だけでなく、接近速度や技の当たり判定の持続時間なども他の遣い手より強化された桁違いの強敵。HP50%以下からの本気モードで攻撃パターンが変更され速度が更に増す。
タイマンを別としても作中最強と呼ぶ声もあり、黄金の騎士ロキやアンジェラの影と並んでタイマン三人衆として最難関ボスとされる。
ちなみに行動パターンはロキよりは少なくアンジェラの影よりは明らかに攻撃手段は少ないため、先読みはしやすい。ゴッドハンドにしてしまえばアビリティの関係で必殺技だけでもノーフューチャーですらごり押し可能なので、少なくともロキよりは倒しやすいという意見が多い。
正直コイツがストーリーに直接参戦していたらドラゴンズホール勢とダークキャッスル勢に勝ち目は無かった…ばかりか、なんだかんだツンデレなだけで最終的にケヴィンの味方に付いた公算が大きく、ミラージュパレスの連中も何かのきっかけで叩きのめされた可能性が大きい。