概要
初登場は『聖剣伝説3』から。後に本作の前日譚を描いた『聖剣伝説 HEROES of MANA(以下HoM)』にも登場した。
“月夜の森”に存在する、獣人族の国家。
主人公の一人・ケヴィンの出身地であり、彼の父でもある獣人王ガウザーが一代にして建国した。
もともと獣人は力のみで上下関係が決まっていたため、国を作る等の組織だった行動はしなかった。だが獣人王のもつカリスマ性が獣人達を団結させ国家を築き、その高い軍事力はファ・ザード大陸南西部「月夜の森」一帯を支配する一大勢力と成り立った。
獣人族は、かつてその異形から人間達に世界中で迫害された歴史を持ち、その経緯から意気消沈する同族たちを憂いだ獣人王が「人間たちへの復讐」の目標を掲げ先導し、いつしか国として形成されたという過去を持つ。
3本編では、マナの大変動をきっかけとする人間界の混乱を好機と見て、ビースト軍の親衛隊を集めて人間討伐隊を結成、人間たちにとって聖地でもある“聖都ウェンデル”に攻め込む計画を立てる。ウェンデル近郊の港町“城塞都市ジャド”を占領、その後、“湖畔の村アストリア”を滅ぼすなどの蛮行を働く。更には、マナの女神の従者であるフェアリーの力を借りてウェンデルへ続く洞窟の結界を解いた主人公たちを追走し、順当に計画を進行させていたが、ウェンデルの長でもある光の司祭が禁術を用いて決死の覚悟で再度結界を張ったため、ウェンデルへの侵攻ルートが確保できず、失敗に終わる。
風土
“月夜の森”という名の通り常に闇夜に包まれた不可思議な地勢を持つ。獣人族にはシェイドの刻(夜)にはウェアウルフに変身するという特性を持ち、こうした特性が森の風土に調和したことから彼の地にて獣人族が栄えたと推察される。
森の東側に存在する月明かりの都ミントスには平和主義者の獣人達が住んでおり、いずれ人間達とも和解できると信じ、人間にも有効的に接してくる。住民の発言からビーストキングダムには属していない様であり、独立都市国家と思われる。
森の中央部には「月読みの塔」と呼ばれる天高くそびえ立つ塔が存在し、一階のエントランスには月の神獣ドランを封印した“月のマナストーン”が安置されている。この月のマナストーンが塔の内部に封印されており、塔を媒介して森全域を永遠の夜に封じ込めてしまっている。
関連人物
ケヴィン
3本編における6人の主人公の一人で、獣人と人間のハーフの少年。
獣人の戦士としての高い資質を持っているが、元来の心優しい性格から争い事を好まず、森に抜け出して孤児ウルフのカールと静かに暮らしていた。
カール
ケヴィンの親友であるウルフの子供。
母親に先立たれ一人ぼっちであったカールに境遇を重ねたケヴィンが保護し、二人で森の中で暮らしていた。彼との交流で人間らしい情愛を確立していくケヴィンを見かねた獣人王は、自身に取り入ろうとする死を喰らう男に命じてカールを凶暴化させ、ケヴィンを襲わせた。
獣人王 / ガウザー
ビーストキングダムの建国者で、ケヴィンの父。獣人たちの中でも圧倒的な力を誇る。重厚な城の造りは、彼の性格を反映しているかの様である。
実は獣人王自身は人間への復讐には全く興味がなく(実際、彼の亡き妻は人間だった)、ビーストキングダムを建国したのは、人間達に迫害され気弱になっていた獣人達があまりにも情けなかったため、彼らに希望を作る為であった事が判明する。
因みに本名についてはHoMにて明らかにされた。
ルガー
ビーストキングダムの戦士の一人で、他のビースト兵の中では頭一つ飛び抜けた実力者。
人間討伐隊隊長を任されており、物語序盤で部下たちと共に城塞都市ジャドを占拠していた。ケヴィンのことは、獣人王の息子として戦いの極意を伝授されていながら、その甘い性格から戦いを好まず避けていることを反目し、ライバル意識を燃やしている。
フレディ
ジャドの地下牢にて牢屋番を任されていたビースト兵。
ケヴィンとは親しい間柄だったようで、ケヴィンがパーティーメンバー3人目の場合、牢屋越しに謝罪する姿が見られた。これを利用したケヴィンに「自分を牢屋に入れたことを獣人王に言いつける」と言われると慌てて解錠するも、そのまま逆に牢屋に閉じ込められてしまう羽目に。
リメイク版では、フレディに対し心苦しそうなケヴィンの様子が見られた。
その他の主人公の場合でも、デュランの安い挑発を買ってしまったり、ホークアイやリースの嘘にまんまと騙されたり、アンジェラの色仕掛けに絆されたりなどで簡単に牢屋を開けてしまう。
死を喰らう男
ケヴィン主人公ルートの序章にて、突如ビーストキングダムに現れた謎の魔術師。