画-ROW
がろう
生まれつき指先に爪の代わりに毛が生えている少年・画朗は東京の近隣にある洋館で絵を描く日々を過ごしていた。
感情が高ぶると放電する体質を持ち、指の筆で瞬時に高画力の絵を描き上げてしまう。
人間の友達だと思っていたミカは実は翼人で、ペットの狸は実はじぃが作った空飛ぶメカで、ミカの追っ手たちも爬虫類人間などの亜人で、画朗の放電体質は科学の力によるものだった。
亜人やメカが出てくる完全な人間がいない世界観で、「人間」の面白さを掘り下げていく作品だったが、「不思議な世界観」以外のやりたいことがよく分からない作風だったため、一巻で打ち切り。
WJ本誌では、漫画よりも作者の水元昭嗣氏が関係者に好かれている様子であった。
実は、「番組に出演した画朗がミカの行方を聞いているのに、司会と観客がそこをガン無視して画朗の絵の才能(アイドル性)だけで盛り上がる」「ミカのロリコンの養父が少女から女になる前のミカに性的虐待を行う」という部分的に見れば印象的なシーンもあった。ところが、いずれも本筋に関わるシーンではなく、小難しいテーマな上に問題を解決するシーンが描かれなかったため、後味の悪さに繋がってしまった(『遊☆戯☆王』と『幽☆遊☆白書』には似たクズモブをざまぁな目に合わせてスカッとさせるシーンが登場する。WJの読者にとって風刺は手段に過ぎず、目的はヒーローの活躍や名試合なのである。当時の打ち切り漫画の『joker』の「コロセ コロセ」連呼シーンも似た評価になってしまった)。
本筋に関わるシーンで印象的だったのが「画朗の放電の秘密の判明」だけであり、当時のWJの限界が垣間見える。
なお、ミカはラブコメ担当のヒロインなのか普通の仲間なのか分からず、印象的な男性のライバルも登場しなかった。
主人公の画朗が予告で武藤遊戯と似たもの同士として描かれていたことがあり、当時のWJが邪気眼と男児に見える男子中高生の主人公を重視している様子が分かりやすかった。
画朗が15歳なのに5歳に見える理由は不明だったが、改造手術で年齢が止まったのだろうか。