概要
異形兵とは、ファイアーエムブレムエンゲージに登場する敵兵の通称である。基本的に理性は無く、うめき声の様な声をあげながら襲ってくる。
その正体は、命を落とした人間が邪竜ソンブルもしくはその娘の手によって歪に復活させられた姿(ただし、コミカライズ版では邪竜族ではないセピアが異形兵を造っている描写がある)。いわゆるゾンビの様な存在。
異形兵の大半は滅ぼされた村の村人やイルシオン兵を始めとした名もなき異形兵で、いずれも敵兵として登場する。
中には生前と全く同じ姿で復活させられるケースもある。
そのような精巧な個体は一見その人が生きて戻ってきたかのように見え、一応意思疎通や会話も可能ではある。そちらは知り合いでもない限りネタバレ防止の為、ステータス上は異形兵であると見分けは付かない仕様になっている模様。
しかし記憶や意思などは復活させた人物の都合の良いようにいじられてるため結局敵対は避けられないのである。
また、作中には、通常の異形兵以外に下記の異形兵が存在する。
- 銀ノ異形兵
倒すと通常の敵よりも多くの経験値を得られる。
- 金ノ異形兵
倒すとドロップアイテムとしてゴールドが手に入る。
今作はゴールドを獲得する手段が限られている。ただし訓練をすると金ノ異形兵よりも多くのお金をもらえるうえに終了後に全員に経験値が入るので、金ノ異形兵よりも訓練のほうが効率がいい。
- 異形竜
異形兵の竜バージョン。ストーリーにて敵勢力として登場。
元が竜という事で高いステータスを持つ。
- 異形狼
異形兵の狼バージョン。邪竜の章にて敵勢力として登場。
異形狼の攻撃が命中すると戦闘終了後「牙呪」(最大HP-5、最大重複-20)状態が付与される。
「牙呪」はレストの杖で回復可能。
- 異形飛竜
異形兵の飛竜バージョン。邪竜の章にて敵勢力として登場。
異形竜よりも行動範囲が広い。
さらに邪竜の章マップの遭遇戦では金ノ異形飛竜(金ノ異形兵の飛竜バージョン)もあり、こちらは金ノ異形兵の2倍の金額をドロップしたりする。
似たようなものに「造られし者」というリトス及び神竜の章等で布陣する勢力も登場する。
リトスで見られるのは2章からでルミエルが召喚しているが、これは邪竜達によって作られた異形兵達と異なり素材は岩や植物等のため厳密には人の亡き骸から造った者達ではない。
(ファンタジーにおけるゴーレム等の製造法に似ているが、個体毎に人と同じように断末魔を上げたりや魔導書による魔法を生成して攻撃を行える等元人だった異形兵と大差ない出来栄えなのか主人公も異形兵のようだと評している)
異形兵が各地に出没してるが、こちらも試練の離れや紋章士にまつわる外伝等で交戦相手となってくれる所から神竜側としては主要な戦力なのかもしれない。
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ネタバレ注意
作中には、以下の人物達が異形兵として登場する。
- 異形兵モリオン
第10章にて登場する、ブロディア王国の王モリオンが異形兵と化した姿。
イルシオン王国国王ハイアシンスの手により、邪竜ソンブル復活の為に血を捧げられ絶命したモリオンが、神竜一行の進行を妨げる戦力として、そして父王を殺されたディアマンド、スタルークへの侮辱の意味を込め復活させられた。
最後は、二人の息子に対し父として言葉を残し、消滅した。
「ググ…ツヨク…イキロヨ…」
- 異形兵ハイアシンス
第17章で登場する、イルシオン王国の国王ハイアシンスが異形兵と化した姿。
ブロディア王モリオンの血を捧げたのち、自身も邪竜ソンブルの復活の贄となり喰われたハイアシンスが戦力として復活させられた。
なお、復活させたヴェイル曰く「私はお父さまより異形兵を作るのが上手いんですよ」との事で、ほとんど理性の無かった異形兵モリオンと異なり、生前の記憶を有し、意識もはっきりしている。
フルルの港町で顕現させた理由として、恐らくはフィレネの民にイルシオン王家への憎悪を植え付ける目的もあったと思われる。
最後は、娘達にイルシオン王国の未来を託し消滅した。ハイアシンスの訃報の顛末もフィレネ王国の女王イヴに伝えられた為、民達がアイビーやオルテンシアへの憎悪を向ける可能性は低い模様。
「…邪竜に魅入られた者の…末路だな…もっと早くに…気が付けば…」
「すまぬな…アイビー、オルテンシア…私はお前たちを…愛していた…」
「後は…頼む…どうか…イルシオン…を…」
- 異形兵リュール
邪竜ソンブルの攻撃より、ヴェイルを庇い絶命したリュールを、ヴェイルが異形兵として復活させた姿。
それまでの異形兵は邪竜ソンブル及び悪の人格のヴェイルにより、邪竜側の手先とする為に復活させられていたが、今回は死したリュールを甦らせる、という目的の元復活させた。
異形兵の身でも竜族の血を引いていれば紋章士は答えてくれるらしく、(リュールが邪竜の血を引いてるからかヴェイルが復活させたからかは定かではないが紋章士は闇の紋章士として顕現)散らばった指輪の回収と共に紋章士達を顕現させる。
なお、その後リュールは異形兵とは別の存在となり復活を遂げる。
- 異形兵ルミエル
作中冒頭にて命を落としたルミエルが異形兵として復活させられた姿。
登場は第25章で、マップ内での表記は「異形のルミエル」。
生前とは性格が激変しており、最初に対峙したヴェイルに対し「この欠陥品!」などと、生前の彼女であれば決して口にしない様な暴言を吐く。
しかし、戦闘が終了すると元の意識を取り戻す。
その際は生前の彼女同様心優しい母の様な人格に戻っており、リュールと2度目の「最後の会話」をする。
「リュール…あなたは私の光よ、私の子になってくれてありがとう」
「これからは…この空の先までずっと…あなたが…守っていってね…」
異形兵として甦ったルミエルは、こうして在るべき場所に還ったのであった。
- 異形兵&闇の紋章士
終章にて邪竜ソンブルが召喚する敵兵。
過去作のラスボス、及びそれに準ずる存在が元となった紋章士、通称「闇の紋章士」を装備した異形兵。
全部で12体存在し、4体ずつマップの各所に出現する。
異形兵自体は通常の個体だが、倒した場合は散り際に闇の紋章士のものと思われるセリフを吐き消滅する。(cvは無し)
- 異形兵疑惑?
第3章と第18章の敵将。2回以上戦う敵将としてはリュール達が初めて戦う人間の人間の敵将とは言えさほど重要キャラではないにも拘らずクラスチェンジした上で再登場という破格の扱い。おまけに第18章では一度戦ったはずのリュールとの言及は一切なく、そもそも序盤である第3章では撤退ではなく明らかに死亡している様にしか見えず(通常撤退なら倒れ込まず疲れ切った状態で姿を消す演出)、説明が全くされていない事を考慮すると、この時作戦を指揮していたのが悪人格のヴェイルであった事から第18章の彼女は精巧な異形兵の可能性が高い。彼女に限らず、第20章まで出現する終盤の一部イルシオン兵も(メタ的に言えば異形特効は付かないが)精巧な異形兵に変えられた疑いもある。
- 第17章以降のイルシオン兵
モブのイルシオン兵のセリフが確認出来たのは第16章が最後であり、第20章のイルシオン城にてリュール達に対する反応が無い事から彼等も精巧な異形兵にされたと思しき真相にたどり着くが、それ以前にも第17章では異形のハイアシンスに交じって彼らの異形兵がいても可笑しくなく、第18章ではリンデンの説得にも耳を貸さない点。第19章終了にてイルシオン兵がシーヴル港の人々を攫って異形兵の素材にしたとあるが、リュール達と敵対していたイルシオン出身者はその事実は知らなかったので、このような行為は自国の首を絞める事態で正気の沙汰ではない事から、そのイルシオン兵もまた異形兵なら反対する者がいないのだから納得がいく。
- もうひとつのエレオスの住民達
「邪竜の章」に登場するもうひとつのエレオス大陸には、本編の味方ユニットである四国の王族が敵として登場する。
辿った経緯の違いから本編とは大きく性格の違う彼らだが、ストーリーを進めていくと彼らの正体はなんと精巧な異形兵であることが判明する。
しかも王族だけではなく、彼らが抱えている王城兵や各国の民たちも全員異形兵である。
(実は敵として登場する人間のユニットのステータス欄をよく見るといずれも異形特効が付いており、これらの事実が判明するより先に視認できてしまう伏線として機能している)
つまり主人公がもうひとつのエレオス大陸に来た時点では、生きている人間は邪竜の双子と四翼だけだった。
本編でアイビーが指摘した、イルシオンだけではない他の3国も異形兵だらけの国になるが実現した扱いと言える。
ただこの世界でのソンブルやヴェイルはすでに亡き者になっているため、これらを作っているのは黒幕の人物である。
「もうひとつのエレオス」は、その世界の主人公がソンブルと相打ちになって死んでしまった事で各国の王族たちが対立し袂を分かってしまった。恐らくその隙を付け入られる形で、まとまりの無くなった各国は黒幕によって滅ぼされ異形兵になり果ててしまった。
「もうひとつのエレオス」の主人公は「大切な人たちを助けて欲しい」と言っていたが、「世界を救って欲しい」とは一言も言わなかった。もう世界を救える転機はとっくに過ぎ去っており、せめてまだ生きている双子と四翼が救われる事を願っていた。
異形兵のフォガートによると、生前よりも欲望が前に出る感じがするらしい。
しかも異形兵のフォガートやオルテンシアのセリフから察するに何度死んでも復活する性質を持つようで、作中でエルが葬った他の王族も6章の最終決戦時には何事もなかったかのように現れてくる。
王族たちは自分たちが死んでいる事を覚えておらず、邪竜の尖兵として活動していたフォガートや死んだ時の記憶があったオルテンシアを除いて、自分たちが異形兵だという自覚はなかった。しかし6章で邪竜が生誕し、自分たちが邪竜側として召喚され戦わされていた事で、自分たちが既に死んでいて異形兵になっていた事を理解してしまった。
守るべき民は全て死者となり、愛する祖国にはもう後世に紡ぐべき未来がない。逃れられない滅びが確定してしまった「もうひとつのエレオス」の四国の王族達は、それぞれの想いと無念を語りながら主人公たちの手で倒されていった。
セリーヌ「最後のフィレネ王族として、胸を張って散りましょう…お母様、みんな。わたし、幸せだった……」
アルフレッド「これで、神竜様の下に行ける…また皆で…あの美しい花畑で…笑って……」
スタルーク「ありがとう…これ以上醜態を晒すぐらいなら…これで… …兄上、良い弟でなくて…ごめんなさい…」
ディアマンド「ありがとう…これでもう…戦わずに済む……祖国ブロディアよ…弱き王で、すまなかった……」
オルテンシア「嬉しい…向こうでならきっと、みんな一緒ね…お姉様も…優しくしてくださるといいな……」
アイビー「邪竜に傾倒した私でも…光の中に還れるかしら…辛く当たった妹に…謝れるかしら……」
フォガート「やっと、これで…最後なんだね……そこの君、ありがとう。心から…愛しているよ」
ミスティラ「晴れやかな気持ちです…まるで、祖国の空のように。叶うならあの空の下、また皆と、神竜様と……」