概説
文字の練習用に使う個人用の小さな黒板(石板)を、振りかぶって相手の頭へと叩きつける。衝撃で黒板が割れる事からも、その威力を窺い知れる。
ただ「石板アタック」という名称がそのまま出てくるわけではなくファンによる通称のひとつ。
他にも「石板割り」「頭割り」という呼び方もある。
本編上では自らの赤毛をからかったギルバート・ブライスに対して炸裂した。様々な意味で効果は抜群であった。
ちなみに本編中ではたった一回しか登場していない。が、それが後のシリーズにおける重要ポイントの起点になったと思えば、十分なインパクトを持つ出来事といえる。
余談
石板の価値
「個人用の石板を頭に叩きつける」という事象は、現代の観点から見るとそんなに重くは感じないかもしれないが、実は作中の時代(1900年代初頭)では、ものすごくとんでもない事である。
そもそも個人用石板自体が高価なもので、たいてい基本的には学校からの貸与物(=学校の備品)である。あるいは個々人の持ち物としても、おいそれと買い替える事のできるものではない。
現代的な視点から、この「石板アタック」でアンがやらかしたことを翻案するならば「学校が貸してくれたハイエンドのiPadPro(タブレット)をケンカ相手の頭に叩きつけて破壊した」のと同じくらいの事をやっているとみてよい。
使用例
文春文庫の新訳版『赤毛のアン』(2019年。松本侑子訳版のセルフリメイク改定訳)初版帯のイラストには、アニメ世界名作劇場版『赤毛のアン』における本シーンが採用されている。
しかも、ご丁寧なことに「アンとギルバート、恋のはじまり♥️」という煽り文までつけられた。……間違ってはいないが。
オマージュ
2014年度上半期の朝ドラである『花子とアン』の第1話で、安東はなが木場朝市に対して、この技をぶちかましている。舞台はやっぱり明治時代であるため石板の価値も変わらない。(むしろ日本、しかも二人の家は小作農なので、より高価かもしれない)
ちなみに前述のギルバートの場合は自業自得とも言える事ではあったが、朝市の場合は完全にはなの誤解に基づいて(つまり濡れ衣で)殴られている。しかも使われた石板は朝市のものである。
さらには朝市はギルバートのオマージュキャラでもあるので、技を受けた結果もギルバートと同様ではあるものの『花子とアン』は村岡花子の生涯を原案にした伝記ものの側面もある(花子をモデルにしたキャラがはな)と公称されていたため、その時点で朝市のバウムクーヘンエンドが確定してしまっている。
結果、朝市がフビンすぎると評判になった。
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