概要
神社本庁は、1945年(昭和20年)12月のGHQの神道指令による神社の国家管理廃止(国家神道の解体)に伴い、民間の神社関係団体であった皇典講究所、大日本神祇会、神宮奉斎会の3団体を母体として1946年(昭和21年)に結成された神道系の宗教法人。
現在は民間の宗教法人でありながら、「本庁」を名乗るのは、戦前の国家神道の名残である。
各都道府県の神社庁を通して、全国におよそ八万社ある被包括神社に影響力を及ぼしているが、神社庁・神社本庁に属していない神社も多くある。有名な神社では、靖国神社・伏見稲荷大社・日光東照宮・気多大社・富岡八幡宮などが包括法人を持たない単立神社である。近年は金刀比羅宮・鶴岡八幡宮などが神社本庁と対立し被包括関係を解消したことが話題になった。
神道政治連盟
神社本庁の政治団体。統一教会における国際勝共連合に準えられ(創価学会を母体とする公明党と同列視されることもあるが、神道政治連盟は公明党のような政党ではなくロビー活動団体である)、このことをもって神社本庁がカルト宗教であるという非難もみられる。しかし、神社本庁はカルト教団の特徴と言われる財産寄付の強要や信徒の暴力的な囲い込みなどを組織的に行なってはおらず(組織内や被包括神社との揉め事や裁判沙汰は多いが)、統一教会のような反社会性とは程遠いので、レッテル貼りの域を出ないだろう。
近年は、同性愛、夫婦別姓、トランスジェンダーなどに反対するプロテスタント右派やキリスト教系新宗教に歩調を合わせる傾向が目立っている(LGBTの記事に詳述)。古来の神道には同性愛を否定する教義などは全くなく、神社本庁の奉じる神道がキリスト教とのシンクレティズムではないか?と疑念を持たれる所以である。
ただし、神社本庁はカトリックにおけるローマ教皇庁などと違い、神道の教義解釈などの代表権があるわけではない。