「せめて我が槍〝銀閂(ぎんかん)〟の最高の技であの世へと送ってやろう――――」
ワシの・・・・・・ガイヨウゥ・・
『鬼の巣』海原藩に於いて最強とされる5つの流派『海原五竜』の中でも上位に位置するとされる槍術流派である明神流『四神槍』の1人。
※明神流は4種4本の槍を選ばれた4名にのみ継承すると言う一子相伝の方式を取っており、継承者である4人を『四神槍』と呼ぶ。また明神流を名乗って良いのはこの4人のみ。
北斗神拳とか言ってはいけない。
20年以上の間四神槍の一角を務める実力者で、12年前の黒鉄陣介の戦いでも唯一生き残っている(真相は後述)。額の鉢金の下には当時の傷跡があり、肉体の最盛期こそ過ぎているものの鍛錬に因って12年前を凌ぐ実力を身に着けている。
それ故か自身の実力に自信を持っており、仲間である御堂心吾と榊原佐助が敗れた際にも「千人斬り(=陣介)を倒すには自分と大宮万里がいれば十分」と内心で考えていた。
ワシの“活躍”を見せてやろう
明神流の3番手として愛槍「銀閂」を携えて我間達の前に立ちはだかる(当人としては大怪我を負った我間達と戦うのは気が進まなかったが、雇い主である鷲津直勝の指示で)。
と、その場面に桜真ノ丞と千石伊織が到着。陣介の高弟であり仮想・千人斬りとして最も相応しい伊織に相手を変更して勝負を挑む。
しかし伊織に「(刀を)抜く価値が見当たらない」と評されて激昂、怒りのままに襲い掛かるが、攻撃を躱されてカウンターで顔面への鉄槌打ちと返しの肋骨が砕ける程の強烈な鉄拳を喰らいアッサリ敗北してしまう。
※因みに伊織曰く「ちゃんと加減した」との事。加減してこのダメージって……わけがわからないよ。
その後は無宝流が乱入して来て乱戦状態になった中で気絶していたが、真ノ丞と万里&馬庭重法の戦闘中に復活。何故か丸腰(おそらく伊織戦のダメージや意識を取り戻した直後で意識が朦朧している)でやって来ていた為に彼の銀閂を勝手に使っていた馬庭に激怒して襲い掛かり、それが原因で気を取られた馬庭は真ノ丞に斬殺される。
しかし先に受けた伊織の攻撃の影響で大亀流との仕合に関する記憶が全て飛んでしまっていた。更にはその様子を見た万里から「12年前にもそうやって只1人生き延びたんだったな」と言われ、見苦しい言い訳を口にした為に「明神流の面汚し」と罵倒されて鉄拳を喰らう。
その後の消息は不明だが、生き延びており、佐助の兄で紅抜本来の継承者喜太郎に大亀流との因縁を話す。
武器
銀閂
短刀の様な片刃の穂先が特徴の菊池槍。特徴的な槍を扱う他3人とは対照的に至ってシンプルな形状をしている。
技を繰り出す前に倒された為にどの様に扱うのかは不明。
迷言
第56話
「ツイている!!」
仮想・千人斬りに最も相応しい伊織を見て。直後に気合十分の状態で彼に勝負を挑むが……
同話
「あびぃ」
伊織の発言に逆上して襲い掛かるも、身体が吹っ飛ぶ程の一撃を顔面に喰らった上に肋骨を圧し折られて。仮にも四神槍として名を馳せていた一翁が素手の伊織に敗れたのを見た一同は皆圧倒されていたが、万里だけはこの結末を予見していたかの様な表情をしている。
第62話
「ワシの・・・・・・ヤリィ・・」
気絶しながら。
その最中に道場内では大亀流と無宝流が激戦を繰り広げており、完全に蚊帳の外になっている。
同話
「‥‥そこのヒゲ その槍は四神槍の証であるぞ‥」
「ワシの銀閂(ヤリ)に気安くふれるな!!!」
復活直後の台詞。あまりの気迫に馬庭は一瞬怯み、コレが命取りとなって真ノ丞に斬り捨てられてしまう。
同話
「あの時は足元のぬかるみに足を滑らせてだな・・・・」
万里に12年前の醜態について言及されて。尊敬していた師である父親が最期まで奮戦した万里からすれば、「ぬかるみに足を取られて最初の一撃で気絶」した一翁がこんな言い訳をしながら生き残っているのは許し難い事であっただろう。