この''好き''はSF(すごくふしぎ)
概要
主人公の女子高生は、ある日の通学中に、人類が女性しかいない世界に飛ばされてしまい、元の世界に戻るために、学年一の秀才の少女と共に、恋人のフリをしながら元の世界に戻る方法を探す物語である。本作の世界は、1910~20年ごろに未曽有のウイルス災禍が人類に蔓延され、原因不明の症状で、男児が出生しなくなりやがて絶滅。残った女性だけの人類は、人口危機になっていたが、生物学者達の研究により、(現時点で方法は劇中には出ていないが)単性生殖の手法が確立し、人類は絶滅の危機から回避されている。それにより、その世界の女性同士は、以下のような思考や行為などが当たり前のようになっている。
百合の世界ってこんな世界
- 道のど真ん中でしかも公衆の面前で百合キス
- 女性同士腕を組みながら歩くのは当たり前
- 男性が存在しないため学校に共学は存在しない
- 若い女子はエロ本を読む
- 合コン=女子会
- ドラマの共演で女優同士が婚約するのが多い
- 現実の世界と百合の世界の歴史は違う(少なくとも1900年以降)
- 現実の世界の知人や友達に家族は勿論、芸能人や政治家にスポーツ選手などが、元から存在しない又はよく似た女性にとって変わっている
- 女性のヤ●ザがいる
- 女性だけの世界に女子大等がある(これはウイルス発生以前に設立されており、その名残として残している為)
登場人物
多くは普段見かけない漢字を使用されて、名前の由来の多くは花関連である。
- 潤野茉莉花(うるうのまりか)
本作の主人公。普通を愛するどこにでもいる女子高生だが、ある日、友人二人がキス所に遭遇。動揺しながら次第に自分は本来の世界ではない世界に来ていると理解する。元の世界に戻るためにりりの恋人のフリをしながら方法を探す。元の世界には恋人がいるらしい。
- 香散見りり(かざみりり)
茉莉花の隣のクラスの優等生。いつもはクールな性格だが、素の性格は関西弁のヘタレ女子である。ある時に、茉莉花は自分が別の世界から来たと聞かされ、最初はその話に信じられなかったが、彼女が持っている歴史の本を読んで、彼女と百合の世界の茉莉花が何かの理由で入れ替わってしまったと予測する。元の世界に戻る方法を探す手伝いをする代わりに恋人になれと提案し、(表向きは)茉莉花の恋人になった。
- 潤野蒾(うるうのめい)
茉莉花の(一応)妹。元の世界では弟だが、この世界では弟が妹になっていた事を驚いた姉。日に日に変になっていく姉に違和感を持っていたが、ある日、姉がりりの恋人になっていることを知ってしまい…。単行本のプロフィールでの趣味は占いと姉観察であり、完全なシスコンである。
- 藤堂藍(とうどうあい)
茉莉花の友人の一人。元の世界では彼氏がいたが、百合の世界では、物語開始早々恋人である衛にキスをすると言う、茉莉花と読者にとって急すぎる展開を見せたのである。
- 萩野衛(はぎのちどり)
同じく茉莉花の友人の一人。元の世界では彼氏志望の普通の子だったが、百合の世界では藍の恋人になっている。本人談「真逆の性格である彼女(藍)が好きになった」と言う。