概要
純血を第一とする思想のこと。
人間の場合
その国やコミュニティの民族の血縁、血族を大切にする一方で、外国人や異民族を差別し婚姻などを避ける考え方。
日本で例えると外国人や在日外国人との結婚をタブーとするとか、アイヌや琉球や蝦夷の民族の存在をなかったことにするみたいな感じ。
2010年代以降、外国人観光客の増加やクールジャパン運動等を受けて日本人純血主義は日に日に高まっている(純ジャパVS混ジャパ)。
またスポーツでも高校野球等で「外人部隊」問題が発生している(オリンピックに出場するためにカンボジア国籍を取得する猫ひろし氏等も問題視されたが)。
皇室に百済難民の血が入っていることを理由に右翼の反天皇主義までも登場している。
日本は単一民族とか言われるくらい国内の異民族が少なく、更に移民が少なく外国人と婚姻することが稀。後から日本国籍を取る例も少ない。
そのため「(国籍が)日本人」=「(血が)日本人」=「(見た目や喋りが)日本人」=「日本人」という図式になりやすく、それを自明のものと考えやすい。また千年以上にわたって外国からの集団移住や占領を受けなかったので(実際には百済難民が来ているのだがごく少数)、10世代ぐらい辿っても日本列島の血しか入ってないという人が大変多く、それ故にそこから外れたものに対して免疫がない日本人が多い。
しかし実際は一つの国にたくさんの民族や言語や見た目があるのは他国では当たり前であり、それをまとめるために「国民国家」として「〜〜人」というアイデンティを政府や教育主導で作っているに過ぎない。
そもそも日本人も日本列島から生えてきたわけではなく、どこかから来た人々である。西日本人と東日本人は遺伝的にも言語的にもかなり異なっていることが知られており、国鉄分割民営化よろしく東日本民族だの西日本民族をでっちあげることも可能。人種やら部族やら国やらとは所詮適当な区分なのだ。しかしそれを神聖で至上のものとするときに悲劇は起きるのである。
一方でなんでもありの状況が招いた欧州難民危機等、世界的に純血主義の揺り戻しが起きていることも事実。当分解決は不可能な問題とみられる。
動物の場合
ペット、家畜として品種改良された動物もまたそれぞれの品種において純血を尊ぶ傾向がある。
しかし、我々がよく知る馬のサラブレッド種はイギリス原産種にアラブ種を交配し、改良・育成していったものだが、「人類が生み出した最高の芸術品」とも言われる一方で、スピードにステータスを全振りした英国面の産物であり、神経質・骨折しやすいなど、家畜として飼うには問題が多い代物となった。
また、アメリカ合衆国産馬であるレキシントンの産駒達が立て続けにイギリス伝統のレースに勝つと、1913年に『ジャージー規則』を作り血統不詳のレキシントンの血を引く馬をレースから排除しようとした。そのため処分され悲しい運命を辿った馬を多数生み出した。
ハリポタの純血主義
純血(ウィザーディング・ワールド)などの記事参照。
現実の純血問題のメタファーやカリカチュアとして表現されている部分も。
また、魔法使い自体がマグルの突然変異のような存在であり、その事実を無視して狭い世界で純血主義に傾倒しすぎて近親婚を繰り返し没落した家もある。