繱シスカ
あさつきしすか
「大丈夫…アナタは、これから誰よりも優しい人になれるわ…。命は大切なものだって、分かってる人だから。」
主人公の一人、佐神善の幼馴染で4歳の頃から街の大病院に長期入院を続けている少女。現在の年齢は17歳。
主治医である堂島からは「この年齢まで生きているとは思っていなかった」と言われるほど重度の慢性腎炎と運動障害を患っており、本人曰く『常に身体のどこかが痛い』らしく、その人生の大半を病室で過ごしている。
家柄は裕福なのだが、家族関係はあまり良好ではない様子で、幼い頃は両親が毎年誕生日に見舞いへ来てくれていたが、妹が生まれてからはすっかり疎遠になってしまっている。
また、本作のメインキャラクターの中では唯一ヴァンパイアの世界と何の関係のない一般人であり、善にとっての日常の象徴、帰るべき場所として描写されている。
素直で控え目な性格の持ち主で、その心は他人への思いやりに溢れている。
命の危機を何度も乗り越えてきた影響か、幼い頃からどこか達観した或いは諦観にも似た落ち着きを見せており、他者への観察眼も鋭い。しかし、心の奥ではその境遇故の孤独を感じており、付き合いの長い堂島や幼馴染の善が心の支えとなっている。
善とは9歳のとき、彼が手術のために入院して以来の付き合い。
幼い日に善に贈られた人形を今でも大切にしており、善もまた、シスカのために何年も病院に通い続けている。2人とも実の家族との繋がりが希薄であり、そのこともあってか、今では互いの存在が家族のような心の支えとなっている。長く二人を見てきた堂島は二人のことをいい感じと評している。
彼女本人の善への想いはかなり強く、実の家族や堂島とは違いいつも自分の側にいてくれると信じており表には出さないがかなり善の存在に依存している節がある。実際、物語の終盤に彼がシスカの元から去った際には今までに見せたこともない激情を露わにしていた。
自分の代わりに善の隣にいてくれる存在。彼女と直接顔を合わせたことは一度しかないが、ドミノのようや明るい人間が善の隣にいてくれると安心すると、善のことを彼女に託していた。
彼女の治療に長く当たっている主治医。善と並んで付き合いが長く、父親に近い立ち位置にいる。
彼がヴァンパイアと化したことは薄々気が付いており、富士の噴火から変わってしまったと溢していた。
彼女は立ち位置、描写的に佐神善にとってのヒロインに当たるのだが、ヴァンパイアとは関係のない一般人ということもあって基本的に物語の幕間や、善の回想にしか登場しないこともあり、あまり出番に恵まれていないという難点がある。
