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概要編集

英露関係(えいろかんけい、ロシア語:Российско-британские отношения、英語:Russia–United Kingdom relations)は、イギリスとロシアの両国関係の事である。両国の外交関係は、イギリスの探検家のリチャード・チャンセラーがアルハンゲリスクに到着した時に確立した。両国は議院内閣制の立憲君主国・半大統領制の連邦共和国という異なる政体を有する一方で、同じ公式核保有国国際連合安全保障理事会常任理事国である。


両国の比較編集

国名政体現在の首脳国土人口
イギリス議院内閣制 立憲君主国リズ・トラス24万2495平方キロメートル6708万1234人(2020年6月)
ロシア連邦半大統領制 連邦共和国ウラジーミル・プーチン1712万5191平方キロメートル1億4718万2123人(2021年10月)

歴史編集

初期・ロシア帝国編集

1553年8月に外交関係が樹立され、1556年3月にオシップ・グリゴリエヴィッチ・ネペヤが最初の駐イギリス大使となった。両国はこの時代で大国としてヨーロッパの政治に積極的に参加し、激しい対立が極東・中東・中央アジアで繰り広げられ、一方でイギリス・フランス・ロシアは3国同盟に反対する軍事ブロックである協商連合を結成した。協商国と3国同盟の国々の間の深刻な矛盾は第1次世界大戦の勃発に主要な役割を果たし、10月革命の後にイギリスはロシアに対する外国の軍事介入に参加した。両国は敵対・同盟関係の他に、数回の外交関係の断絶を経験した。


ソビエト連邦編集

1924年2月に外交関係を樹立し、イギリスはソ連を正式に国家承認した。1927年5月に全ロシア協同組合に対する警察の強制捜査の後、両国の外交関係は断絶した。その後スタンリー・ボールドウィン首相はソ連のスパイ活動を証明する解読されたソ連の電報を庶民院(イギリス議会の下院)に提出し、1929年7月にラムゼイ・マクドナルド政権で外交関係が回復した。第2次世界大戦中のイギリスとソ連は反ヒトラー連合の一員であり、終戦後は同じ国際連合の原加盟国になった。両国関係は冷戦時代に悪化し、2国間でスパイ活動が広まった。


ロシア連邦編集

1991年12月にソビエト連邦が崩壊し、その後の両国関係は著しく改善した。同年11月以来就任していたボリス・ドミトリエヴィッチ・パンキンが、最初の駐イギリス大使となって1993年9月まで務めた。1994年10月にエリザベス2世ロシアを公式訪問し、初めてイギリスの君主がロシアの地を踏んだ。


2008年8月に発生したロシア・グルジア戦争の時期に、デビッド・ミリバンド外務・英連邦大臣はトビリシ(ジョージアの首都)を訪問した。ミリバンド外務・英連邦大臣はグルジアのミヘイル・サアカシュヴィリ大統領と会談し、イギリス政府と人々はグルジアの人々と連帯して立ったと述べた。


2014年2月に発生したロシア・ウクライナ戦争に続き、イギリス・アメリカ・ヨーロッパ連合との関係が劇的に悪化し、ロシアに対する懲罰的制裁を実施した。同年3月にイギリスはロシアとの全ての軍事協力・ロシアへの直接の軍事輸出の全ての現存するライセンスを停止した。同年9月にロシアの銀行業・石油産業・高官を対象としたヨーロッパ連合による追加制裁が実施され、ロシアは制裁を実施しているイギリス・その他の国からの食料の輸入を遮断する事で対応した。


2022年2月にロシアがウクライナに対して軍事侵攻を実行し、それに対応してイギリスはロシアの銀行と個人の市民への経済制裁・航空機(アエロフロート・ロシア航空)のイギリスの領空への飛行禁止措置を実施した。対するロシアは報復として、航空機(イギリス)のロシアの領空への飛行禁止措置を実施した。同年3月にイギリスは「ロシアが提案したウクライナのマリウポリでの停戦は、新たな猛攻撃に備えて軍隊を再編成し、国際的な注意を逸らす為の策略である可能性が最も高い。」と警告した。


経済編集

1921年3月にイギリスとソ連は貿易協定を締結し、1959年5月に新たな協定が締結された。


軍事編集

2013年8月にイギリスのガーディアン紙はロシア国防省の情報を引用し、MiG-31戦闘機がバレンツ海と白海の間のスヴィャトイノス岬近くのロシア国境を越えていたRC-135偵察機を前日追い出したと報じた。イギリスはロシア空軍の航空機が「危険なランデブーを行った。」と述べ、自国のパイロットのプロフェッショナリズムに言及した。


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