概要
茄子婆さんともよばれる、比叡山七不思議の1つに数えられる妖怪。
年の頃67、8の綺麗な茄子の様な顔色をした気品のある老婆で、その正体は八百年前、宮中に仕えていた位の高い女官で、生前、生肉が大好物だった彼女は人目を避けては動物を殺して食べていた為、その報いにより死後、魔界に落ちて妖怪となったといわれている。
ただし彼女は自身の悪行を悔やみ、常に比叡山の仏、菩薩の加護を祈る事を忘れなかったので、死後魔界に落ちた身であったが、その心は比叡山に住む事ができたとされている。
比叡山の堂房などに現れて、不気味にニタリと笑うが、ただそれだけでこれといった悪さをする訳でもない。
それどころか、比叡山に何か大きな出来事があるたびに知らせてくれるといわれており、今から約四百年前に織田信長が比叡山を焼き討ちにした際には大講堂前の鐘楼堂に現れ、鐘楼を力いっぱい打ち鳴らして火の手が迫ってきている事を僧侶たちに知らせたという。