藤原道長(牙狼)
ふじわらのみちなが
CV:堀内賢雄
平安京貴族のトップに君臨する藤原氏の男性。
一族の全員を追い落として栄誉や栄華をほしいままにし、その勢いは国を統べる者たる「天子」すらも凌駕しつつあると言われる。
魔戒騎士や火羅についても知っており、戦においては一騎当千となる黄金騎士の鎧を求めている。また、人々が恐れる紅蓮の月を自身の美しい宴の景色として捉えていたり、人間を捕食対象とする火羅を目の前にしてそれほど動じないなど、度量の大きい人物。
星明に思いを寄せており、時折求婚しているが相手にもされていない。
実は蘆屋道満とは生き別れの兄弟であり、捨てられた道満が闇を求め膨大な陰我にまみれた存在であることとは対照的に、捨てられなかった道長は自分の手は決して汚さず光に満ち続けており、それ故陰我を持たない自身は火羅にならないと自負している。道長は道満が捨てられたことについて「それだけのこと」とあしらっていた。
平安の都を完全に手中に収めるため、そして命が尽きようとする晴明の代わりとして道満へ協力するよう持ちかけるが、一蹴されたことで道満を「人間の類ではない」とし雷吼に道満討滅を命じる。
また、光宮の奥に保管されていた安武家に伝わる嶐鑼封印の十二の術が記された書物が盗まれた際には、壁に頭を何度もぶつけて血を流すほどに気を狂わせている。
さらに、平安の都が嶐鑼により焼き払われる中、光宮へ民の受け入れを申し出る頼信に対し「都は光宮だけ」「光宮の外に群がる虫のような民は嶐鑼が掃除してくれる」などと言い放って民を見殺しにしようとし、民のことを貧民と認識しているなどその本性は非情な性格。頼信の手で光宮に民が入り込んだ際には、自分の存在意義を民の象徴として保つために手のひらを反して「民の命は未来永劫安明である」と言い放った。
劇場版ではさらに極悪人として描かれており、自分を快く思っていない大納言を処分するために卑劣な手を使い、また大納言の家族には手を出さぬと称しておきながら後にその家族全てを焼き払う、明羅がどの家の出でありどのような者であるかを知っておきながら知らないふりをして、退屈していた自分自身をどのように楽しませてくれるのかと弄ぶ等、救いようもない外道へと堕ちた。
やはり火羅を恐れないどころか天下を取るためにはいくらでも恨みを背負うと豪語し、一時的に力尽きた薄墨桜を煽るような発言さえもしている。魔戒騎士ら「守りし者」がどのような使命を負っているのかを理解した上で、計画を達成するために「魔戒の者は一人は飼っておきたい」とまで述べている。その狂気が都に災厄を齎すと見られ、薄墨桜の事件後には小野明允により捕らえられた。
しかし検非違使庁が道長の配下にあるためすぐに釈放されるだろうと目されるなど、最後の最後まで後味の悪さを残して退場していった。