概要
江戸時代の浮世絵師・歌川芳員(うたがわよしかず)の作品の1つである「東海道五十三次内 大磯」に描かれた幻獣。
涼やかな表情をした、目と口が付いている大きな石に虎の手足とシッポという奇妙な出で立ちをしている。
この生き物(?)がどのような存在なのかは不明だが、その名前のルーツは土地によっては様々な伝承が残るが、最も有力なものとして現在でも延台寺に祀られており、「曽我物語」に出てくる遊女、大磯の虎が大事にしていたという、不思議な石「虎御石(とらごいし。その他、「虎が石」、「虎子石」という呼び名もある)」とされている。
尚、社伝によれば虎子石は山下長者が虎池弁財天に子宝を祈願して授かった石とされており、生まれて来た女子「虎」とともに大きくなったといわれ、やがて虎は曽我兄弟の兄に当たる、曽我十郎と恋仲となったとされる。
虎小石は不思議な力を持っており、十朗の仇である工藤祐経が刺客を差し向けた際は十郎の姿に成り代わり、彼の命を守ったといわれている。