あらすじ
ある時ゼウス(神様)は、鳥達に「集まる日時を決め、その中から鳥達の王を立てる」というお触れを出した。
カラスは自分の姿は黒く醜いと思い込んでいたので、美しく装うために、野や森を見てまわり、他の鳥たちが落とした羽根を拾い集め、身体中に貼りつけた。
約束の日、鳥達が集まると、最も美しい羽を持つカラスをゼウスは王様にしようとした。しかし他の鳥達が自分達の羽根を勝手に使われていたことに気づき、怒ってそれぞれ見覚えのある自分の羽をカラスから引き抜いた。結局、カラスに残されたのは、自分自身の黒い羽だけだった。
結末色々
危うく騙されかけたゼウスであったが、彼が何を思ったかは色々な結末がある。
(一例)
お付きが喧嘩を止めるように叱るのだが、ゼウスは特に止めることも何もしておらずただ黙って見ているだけある。何を思ったのだろうか…。
「カラスは一体何になりたかったんだろう、彼の黒い羽根はそれだけで十分キレイなのに」
教訓と余談
人は借りものではなく、持って生まれたもので生きていくべきである。
という教訓…なのだが物語の最後に『前よりもみすぼらしい姿になった』と書かれることがあり、『元より酷くなった』、邪推を重ねると『元々みすぼらしい姿が前より酷くなった』ともとれる。また更に悲惨なことに話によっては黒い羽根すら失って丸裸にされている。
また、他の鳥達が落としたり水浴びのあとで抜けてしまった不要品の羽根を使って美しく装った(自分なりに努力して美しくなった)カラスから羽根をもぎ取った他の鳥達を批判する意見もある。
関連タグ
濡烏、烏の濡れ羽色:皮肉にも、日本では美しい女性の黒髪を「濡れたカラス」に例えて表す表現がある。