バレンタインデー関連で裸チョコ絵が描かれる場合、シチュエーションとしては裸リボンに近いかもしれない。
一定量のチョコレートを人体など他のものに付着させるためには一旦溶かす必要がある。トロトロ状態の場合、かなりの温度になるとよく誤解されがちだが、チョコレートの融点は、口の中で容易に溶けることからも分かるように、40℃未満が一般的である。高くてもせいぜい45~50℃止まり、つまり熱めのお風呂の温度ほどしかないのである。
またチョコレートにはほとんど水分が含まれず、大部分が油脂でできているので、肌に与える熱量は同じ温度のお湯よりもずっと低い。
製菓のうえでも、チョコレートを溶かす(テンパリング)温度は50℃前後と、それほど高い温度ではない。
だから適切な温度の溶かしチョコを肌に掛けたくらいでは火傷などすることはないのでご安心を。
とはいっても、沸騰したお湯で湯煎して溶かしたチョコレートは当然ながら100℃近い温度にまで温まっているわけであり、これを人の体にかけると、ほぼ液体であることもあって熱が浸透しやすく、量によっては大火傷を負う危険性がある。また高温で溶かしたチョコレートは分離しやすく、肌に塗った部分にはカカオマスだけが残って、カカオバターの脂肪分は流れ落ちてしまうという無様な結果にもなりうる。
身体に塗る際には、テンパリングに最適な温度の50℃前後で溶かしたチョコにしてあげよう。そのほうが分離しにくくて見た目も良いし、早く固まり流れていきにくいという利点もある。