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謎かけ盗賊

りどりんぐりーばー

ゲームブック「ファイティングファンタジー」シリーズの一冊。ゲームブックではなく、同世界観を舞台にした、多人数用テーブルトークRPGシナリオである。著者はポール・メイソンとスティーブ・ウィリアムズの共著。
目次 [非表示]
  • 1 作品解説
  • 2 ストーリー
  • 2.1 アクト1:カラメールの呪い
  • 2.1.1 シーン1:塔の惨劇
  • 2.1.2 シーン2:街の中
  • 2.2 アクト2:謎の航海
  • 2.3 アクト3:運命の振り子
  • 2.3.1 シーン1:緑色の悪夢
  • 2.3.2 シーン2:運命の神殿
  • 2.4 アクト4:エントロピーの世界
  • 2.4.1 シーン1:『謎かけ盗賊』のアジト
  • 2.4.2 シーン2:『謎かけ盗賊』の実験室
  • 3 主な登場人物
  • 3.1 謎かけ盗賊
  • 3.2 ブルーストーン男爵
  • 3.3 キャロリーナ男爵夫人
  • 3.4 ダッシュのハメット
  • 3.5 ダッパ
  • 3.6 はやてのラルゴ
  • 3.7 イグナチウス・ガラパゴス
  • 3.8 刺青師のドワーフ
  • 3.9 預言者ボリス
  • 3.10 トゥワイス・シャイ号元船長
  • 3.11 魔神
  • 3.12 ワックスリー・スピード
  • 3.13 フィネガン
  • 3.14 バーバ・ライ
  • 3.15 円盤人
  • 4 舞台
  • 4.1 カラメール
  • 4.2 カラメール航海学校
  • 4.3 『おりのなかのオウム亭』
  • 4.4 『肉とペン大商店』
  • 4.5 カラメール浴場
  • 4.6 トゥワイス・シャイ号
  • 4.7 運命の神殿
  • 4.8 謎かけ盗賊のアジト
  • 5 登場モンスター
  • 5.1 ミノタウロス
  • 5.2 剥製の水夫たち
  • 5.3 変異トカゲ兵
  • 5.4 玉ムカデ
  • 5.5 善(悪)の偶像
  • 5.6 レプリカンス(合成人間)
  • 5.7 トレムロー
  • 6 登場アイテム
  • 6.1 魔法の刺青
  • 6.2 マネキン
  • 6.3 ヨッカ卵
  • 6.4 ティマクロン
  • 6.5 見張り玉
  • 6.6 運命の振り子
  • 6.7 喋る書物
  • 6.8 『独習悪魔召喚法』
  • 6.9 ロガーンのサイコロ
  • 6.10 粉末生物
  • 6.11 分子混合器
  • 6.12 機械鎧
  • 7 劇中のなぞなぞ
  • 8 関連項目
  • 「謎かけ盗賊」とは、イギリスの出版社「ペンギン・ブックス」から出版されていたゲームブック「ファイティングファンタジー」シリーズの一冊で、テーブルトークRPG用連続ストーリーのシナリオ「THE RIDDLING REAVER」の日本語版タイトルである。出版社は社会思想社。

    作品解説編集

    アランシアの南方、名士ランゴール一族が支配するカラメール地方。

    この地方の中心となるカラメールの街は、ブルーストーン男爵が統治していた。

    しかし、ある日。ブルーストーン男爵は自分が雇った預言者の手により、街のシンボルたる塔の上から突き落とされ、殺されてしまった。

    この事件に巻き込まれた冒険者たち(プレイヤー)は、その犯人の預言者……『謎かけ盗賊」を名乗る男を、塔の上に追い詰めるが……巨大な飛行船で、そのまま逃げられてしまった。

    『謎かけ盗賊」は、運と偶然の神ロガーンの僕とうそぶき、「もしブルーストーン男爵の仇を打ちたければ、残したなぞなぞを解く事で、用意した乗り物に乗って追って来るがいい」とメッセージを残していた。

    男爵の妻であるキャロリーナ男爵夫人の依頼により、冒険者たちは謎かけ盗賊を追う事になった。しかしこれは、単なる悪漢を追って敵討ちを行うだけの単純な冒険ではなく、『運と偶然の神々の名代』に挑戦するという、予想もつかない展開になるのだった。


    本作は、『ファイティングファンタジー』シリーズ32弾「奈落の帝王」の著者たちの手による、タイタン世界を舞台にした多人数用のテーブルトークRPGシナリオである。

    ファイティングファンタジー(TRPG)」と同じく、プレイヤーが一人のゲームブックではなく、多人数でプレイできるシナリオになっている。

    システム的には、「ファイティングファンタジー(TRPG)」ではできなかった魔法使いキャラをメイキングし、プレイする事が可能に。

    また、魔法のシステムは「ソーサリー」ではなく、「バルサスの要塞」のそれを踏襲している。呪文の内容も同じである(ただし、システム的にはソーサリー方式の呪文も組み込める)。


    なんといっても、本作の大きな特徴にして魅力は、「謎かけ盗賊」というキャラクターをデビューさせた事に尽きる。

    このタイタン世界に「人間」を作り出し、更には「時間」の神を解き放った、トリックスターにして愚者でもある、運と偶然の神・ロガーン。

    「謎かけ盗賊」は、そのロガーンの名代……という、正体不明の怪人であり、悪漢であると同時に英雄でもあり、世界の善悪のバランスを取るバランサーという役割を有している。

    そのため、男爵を殺した悪人と思って追っていたら、実は世界の善悪を保つために行った行動である事が明らかになり、最初の印象と異なる展開に巻き込まれることとなる。


    「ファイティングファンタジー」シリーズは、巻を重ねていくにつれ、その世界「タイタン」が設定され、そのタイタン世界そのものが大きな魅力となってきた。本作は、そのタイタン世界そのものの魅力を、「謎かけ盗賊」という魅力的な悪漢を解する事で、より大きく広げている。

    タイタン世界の更なる魅力を知る事の出来る、重要な一作であると言える。


    ストーリー編集

    全体のストーリーは、全4章で構成されており、それぞれ『アクト』と称されている。それぞれで舞台および、行うべき行動も異なっている。

    アクト1:カラメールの呪い編集

    シーン1:塔の惨劇編集

    プレイヤーたちは、カラメール市に到着し、海岸近くのカラメール塔の屋上から落とされそうになっているブルーストーン男爵を助けようとする。四階ある塔の外壁を登るか、浮遊の魔法を使うか、あるいは中に入って登り、フロア内の危機を突破するか、それらの方法で登らねばならない。

    屋上に辿り着いても、一足遅くブルーストーン男爵は転落死。謎かけ盗賊と相対するも、空から来た気球により逃げられる。

    シーン2:街の中編集

    謎かけ盗賊は「自分を追って来たければ、残したなぞなぞを解いて、そこから得られるアイテムを見つけてみろ。それを見つけられたら、自分の後を追う乗り物が現れる。それに乗って追って来るがいい」と、挑戦状を残していた。


    なぞなぞは、全部で六つ。うち三つはそのアイテムが何かを示しており、残り三つは、そのアイテムがカラメール市のどこに隠されているかを示している。

    プレイヤーはなぞなぞを解き、そのアイテムが何か、それがカラメール市のどこにあるかを解いて、その場所に赴き、アイテムを確保せねばならない(例えば、最初のなぞなぞの答えが「十字架」で、次のなぞなぞの答えは「教会」であったら、「教会にある十字架を取ってくる」といったように)。


    アクト2:謎の航海編集

    カラメール市内を探索し、アイテムを手に入れたプレイヤーたちは、それを用いる事で、「謎かけ盗賊」が用意したガレー船「トゥワイス・シャイ」号を出現させる。

    この船は無人で、海面すれすれに浮かび進んでいる。しかも総舵手や水夫はいないのに、自動的に海面を進んでいく。プレイヤーたちはこの船に乗り込み、勝手に進む船の中で、次のアクトまでを過ごす事になる。

    しかし船内には、様々な罠や危険の種が仕掛けられており、プレイヤーたちはそれらに対処していかねばならない。うまくいけば、様々なアイテムや情報を手に入れる事もできるが、当然危険でもあり、下手をすれば大けがをしたり落命する事もある。

    それだけでなく、海を進んでいくと、海洋に住むモンスターや嵐、海賊や幽霊船などとも戦わう必要がある。


    やがて、時間が経過すると、トゥワイス・シャイ号は海洋を進んだのち、海岸線近くに到着する。そこで毒ガスに追われ、プレイヤーたちは強制的に下船。次の目的地であるジャングルに辿り着くことになる。


    アクト3:運命の振り子編集

    シーン1:緑色の悪夢編集

    プレイヤーたちは海岸に置き去りにされていたら、突如ジャングルから悲鳴があがり、人間が飛ばされて海へと落ちていく様子を見る。

    その場所へと向かったら、多数のトカゲ兵たちが、しならせた木を用いて人間を飛ばしていた。戦闘になり、その最後の一人を助けたプレイヤーは、彼……ワックスリー・スピードと名乗る探検家から依頼を受ける。

    ワックスリーは、今回とある神殿に納められているという、宝物を手に入れようとしていた。しかし謎かけ盗賊らしき者にその地図を奪われ、仲間たちは先刻の通り皆飛ばされた。なので彼を追って欲しいと。

    プレイヤーたちはそれを承諾し、彼とともにジャングル内の脅威を退けつつ、神殿へと向かう。

    シーン2:運命の神殿編集

    神殿に辿り着いたが、ワックスリーは疲労のために動けず、入り口付近に見張りとして残る事に。

    この内部に、タイタン世界の善と悪を司る『運命の振り子』が収められているという。

    プレイヤーたちは神殿内に入り込むが、その神殿そのものもまた普通では無かった。

    それでも、その神殿内部を何とか進み、『運命の振り子』を手に入れなければならない。


    しかし、『運命の振り子』を入手し、神殿入り口に戻って来たプレイヤーたちは、『謎かけ盗賊』に一杯食わされ、振り子を奪われてしまった。

    アクト4:エントロピーの世界編集

    『謎かけ盗賊』は振り子を奪い、巨大な飛行船に乗ってそのまま逃げてしまった。しかし、その飛行船の速度はゆっくりで、冒険者たちは地上から徒歩でそれを追う事に。

    追っていくうちに、滝近くに降下するのを確認。

    滝の近くに進むと、その地は普通ではない……非常におかしい光景が広がっていた。完全な『偶然』のみが支配するその地には、『謎かけ盗賊』のアジトが存在していた。

    シーン1:『謎かけ盗賊』のアジト編集

    滝の上には、アジトへの出入口が存在した。アジト内には当然ながら、『運と偶然』に関係した、様々な『謎かけ盗賊』の部下たち、そして『合成人間』たちが待ち受けていた。

    プレイヤーたちは、アジト内の奇妙な仕掛けを突破し、アジト奥の、地下に広がる実験室へと向かわねばならない。

    シーン2:『謎かけ盗賊』の実験室編集

    アジト最奥には、実験室への通路が。地下にあるそこへと足を踏み入れると、そこには『謎かけ盗賊』の奇妙な実験の産物が収められていた。

    そして、最奥の巨大な実験室では。『謎かけ盗賊』その人が、『運命の振り子』を破壊する儀式を行っていた。もしそれが実行されれば、タイタン世界に善悪の概念および秩序が無くなり、全てが運と偶然のみで支配されてしまう。

    プレイヤーたちは、それを止め、『謎かけ盗賊』を打ち負かさねばならない。しかし……。

    主な登場人物編集

    謎かけ盗賊編集

    本作の悪漢であり、ラスボスにして、もう一つの主人公とも言える存在。この世界を構成する『善』と『悪』の勢力を均等化するべく、世界各国で活動している『中立』の勢力の代表的な一人。

    その素性は一切が不明。タイタンはアランシア地方で主に活動しており、巨大な飛行船で移動する。

    その姿は『だぶだぶの服を着こみ、道化師を思わせる姿』が最も有名だが、変装が得意で、男女年齢種族を問わず、ありとあらゆる人物に変装する事が可能。また、替え玉となる等身大のぬいぐるみを始めとして、その活動を手助けする様々なアイテムも所持している。

    言った先々で、『なぞなぞ』、もしくはなぞなぞめいた詩を残す事を好んでいる。これらのなぞなぞは人々を惑わせており、ここから『謎かけ盗賊』と自然に呼ばれるようになった。


    このタイタン世界において、『善悪の勢力を均等化させ続ける』事を最終的な目的としており、世界を『運と偶然で支配する』ようにしようとしたのも、その目的の一環。全てが重要であり、同時にどうでも良い事と捉えており、自身の本作での活動や行動も『運と偶然が支配してもしなくてもどうでもいい』『自分の目論見や企みがうまく行こうが行くまいがどうでもいい』とも言っている。

    これは他人の命や営み、その行動や欲望なども例外ではない。

    例えば、圧倒的な力を持つ邪悪な魔法使いや、世界征服を企む巨大な軍事国家などに対しては、対抗する勢力に手助けをして戦況を均一化させる、という行動を以て対処する(つまり、正義側に協力して戦ってくれる)。混沌側・邪悪な勢力が有利になり、この世界を支配しようとした時には、秩序側・善側勢力に強力して戦ったり、悪側の足を引っ張って勢力の分断化や弱体化を行う。


    ただしこれは、善側に対しても同様。仮に、善と秩序、およびその巨大な勢力が世界に平和をもたらしたとしたら。その平和を台無しにするために、関係者を殺害・戦争の火種を巻くといった事も厭わない。

    恒久的な平和や平穏が達成されたとしたら、わざわざ紛争を起こしたり、対立を煽ったり、封じられていた悪側・混沌側の悪漢や魔物などを復活させたりする事で、戦乱を起こし、善側・秩序側勢力を弱体化するよう仕向ける。


    冒険者に対してもこれは同じで、本作のように自分自身が殺人者、そして世界の理を破壊する悪漢として登場し、立ちはだかる事もあるが。

    同時に、強大な悪の勢力に挑戦する冒険者に対し、圧倒的不利な状態において、彼自身が助け舟を出して危機的状況から助け、助力の為のアイテムやヒントを授けてくれることもある(「奈落の帝王」を参照)。


    ゆえに、自分の目的のために他人を陥れる外道な悪漢であると同時に、この世界のバランスを取って存続させ続ける、超越者としての面も有する。世界そのものを護るために、善悪どちらにも味方し、敵となる。そのため、単純に善悪では測れない存在。


    自身の身体的能力は常人と同じだが、非常に強力な幸運を有しているために直接戦闘ではまず勝てない(ただし本人は、自身の格闘能力の無さをじれったく思ってもいる様子)。

    魔法や魔術の研究やその資料・書籍などを多く持ち、長じている。自身の雑兵である『レプリカンス(合成人間)』を作ったのも彼。

    それだけでなく、機械装置やからくりなども詳しく、それらを研究所で製造してたりもする。

    いくつかは中途半端のままで放置されているが、いくつかの技術やジャンルに関しては、極めていたりもする。

    自分の身代わりになる『等身大のぬいぐるみ人形』の他、劇中では『剥製』に関する事はかなり研究している様子を見せている。罠として仕掛けているだけでなく、『その光景を残す』という理由で、あえて剥製を作り、日常生活を再現している……という場面にも出くわす。

    また、特殊な薬品で、剥製とする動物の肉体を修復する事も可能(上手く用いれば、回復ポーションとして使用できる)。


    また、その名の通り、『なぞなぞ』に関しても詳しい。劇中ではアジト内などに『なぞなぞ』が記された数多くの巻物や書籍などが登場する。また、記され残されているなぞなぞは、その答えが仕掛けられた罠や困難を示唆しているものも多い。

    • アクト1

    ブルーストーン男爵編集

    アクト1の冒頭で転落死させられる、カラメール市の統治者。

    キャロリーナ男爵夫人編集

    ブルーストーン男爵の若き妻。美しい女性だが、『謎かけ盗賊』に囚われ、罠の一つとして利用されてしまった。

    ダッシュのハメット編集

    キャロリーナが雇った地元の魔法使い。『謎かけ盗賊』に喉を掻き切られ殺害された状態で登場。その手に最後のヒントが隠された箱を持たされていた。

    ダッパ編集

    ハメットの弟子である、茶目っ気たっぷりな少年。なぞなぞを解くのが得意で、カラメール市の事なら隅から隅まで知っている。自己顕示欲が強く、冒険者に憧れめいたものも抱いている。しかし、簡単ななぞなぞも解けない馬鹿な英雄と見なしたら、あからさまに見下した態度になる。

    魔術師としての力量は半人前以下で、使える呪文は『自身が透明化する』というもののみ。剣もあまり使えず、戦闘能力も低い。望むなら後のアクトにも(NPCとして)同行させる事は可能だが、クモなど虫類が苦手(小さくても、見ただけで恐怖におののき動けなくなるほど)。

    ネズミめいた顔つきの、兄弟子がいた。しかし素行が悪いため、ハメットは生前に兄弟子を破門にしている。

    はやてのラルゴ編集

    泥棒。棍棒を武器に持ち、商人から金を盗んだ。

    イグナチウス・ガラパゴス編集

    商人。珍しい動物を取り扱っており、サカムビット公の「死のワナの地下迷宮」における迷宮内の怪物も納入した。カラメールでは毒息を放つミノタウロスを仕入れたが、展示していたら姿を消したとのこと。

    刺青師のドワーフ編集

    刺青屋『肉とペン大商店』の店主兼職人。普通の刺青の他、魔法の刺青(彫ったら、様々な効果が恒久的に与えられる)を彫ることが出来る。希望したら、金貨25枚と引き換えに彫ってくれる。劇中では、寒さに耐えられる朝日の絵柄の刺青を、水夫に彫っていた。

    • アクト2

    預言者ボリス編集

    トゥワイス・シャイ号の一室に現れる幽霊。かつては『謎かけ盗賊』の友人で、このタイタン世界に関して論争し、互いに語り合っていた。近代社会における行政システム、いわゆる『政府』を思いつくが、善悪のバランスを壊すことになるために『謎かけ盗賊』は彼を殺害した。

    幽霊だが、プレイヤー(冒険者)たちとは会話できる。しかしその口調や内容は、哲学じみたたわごとばかりで、会話には若干苦労する。

    トゥワイス・シャイ号元船長編集

    トゥワイス・シャイ号の前の船長。過去に『謎かけ盗賊』に溶けた鉛を喉に流し込まれる事で殺害され、骸骨が(ペットのオウムの骸骨とともに)、自室の寝床に寝かされている。成仏できずにいるため、ポルターガイスト現象を起こしている。

    魔神編集

    海図室の管理をしている。無害で臆病なモンスター・ジブジブをペットにしている。

    • アクト3

    ワックスリー・スピード編集

    有名な探検家にして宝の探し屋。

    アクトの冒頭で、部下たちを全て海に放り込まれ、自分も後を追われそうになっていた。

    『運命の振り子』という、素晴らしい宝物のありかを示した地図を手に入れ、その神殿まで赴くために探検隊を組織。しかしジャングルに辿り着いたら、『謎かけ盗賊』らしき人物に襲われ、地図を奪われ、囚われの身になったとの事。プレイヤーたちの案内役となり、神殿までジャングル内を導く。

    • アクト4

    フィネガン編集

    レプリコーン。『謎かけ盗賊』の部下で、三つの瓶をお手玉しつつプレイヤーたちの前に出現する。お手玉している瓶の中には、魔神が封じられているが、お手玉し続けるのも飽きたので、少し休む間変わってくれと持ち掛けて来る。

    バーバ・ライ編集

    『謎かけ盗賊』のアジト内にて、とある場所に囚われていた冒険者。仲間たちとともに捕まってしまい、囚われの身になっていた。背が低めで色黒、茶目っ気たっぷりに目を輝かせている女性で、実用一点張りの衣服に短剣を持つ。

    世界を『謎かけ盗賊』から救うために旅を出た冒険者たちのリーダーと名乗るが、実は泥棒。

    円盤人編集

    バルサスの要塞」にも登場した、円盤状の身体を持つ奇妙な種族。本作では捕虜を縛り上げ、それを放り投げる事で行う賭け事を行っていた。

    舞台編集

    カラメール編集

    アランシアの南に位置する城砦都市。

    南側が港になり、三方は城壁で覆われ、他国からの侵略に備えている。

    陸路は北の正門、東のメール門、西のブリオン門で内部に入れる。港町なだけあり、水夫になる者も多く、船で他国からの商人がやってくることも多い。そのため、経済的にはそれなりに潤っている。

    ただし、隣国からはその豊かさを狙われており、海からは海賊が、陸からは盗賊団などから狙われてもいる。

    のちに『奈落の帝王』で、またもある事件の舞台となる。

    商店街ではすりや強盗も多く、奥には急ごしらえの闘技場となった違法な賭博場も存在する。

    カラメール航海学校編集

    水夫を目指す者のため、幼年向けの航海学校。古いその建物には、船の形をした風見が据え付けられている。

    ただしこの学校は、近隣の反抗的かつ意地の悪い子供たちを収容している事でも有名(いわば、筋金入りの悪ガキたちのたまり場となっている)。

    『おりのなかのオウム亭』編集

    カラメールで最も盛況している、最もいかがわしい酒場。店の中では、客同士でカード賭博を行っていたりもする。望むなら樽ごとエールを売ってくれるが、いかさま賭博をしている者を暴き、警備の兵士に引き渡したら、店主はただで譲ってくれる。

    『肉とペン大商店』編集

    刺青屋。建物の内部はもちろん、外壁にもけばけばしく刺青の絵柄が飾られている。

    店主兼職人は、200歳以上の老ドワーフ。他に、店頭には逞しい体つきの裸の男が、宣伝を兼ねて体中の刺青を披露している。

    水夫に人気があるらしく、劇中でも水夫に刺青を彫っているところにプレイヤーたちが訊ねてきた。

    普通の刺青を彫る他、様々な効果のある魔法の刺青を彫る事もできる。

    カラメール浴場編集

    大理石で作られた、富裕層向けの会員制浴場。尊大な受付が玄関に立っている。

    一般人やよそ者は入れないが、例外を認め、金貨を支払えば入ってもいいと言われる。しかし、入ったらあまり愉快ではない体験をする羽目になる。


    トゥワイス・シャイ号編集

    無人で動く巨大なガレー船。海面すれすれを浮き、自動的に進んでくれる。

    アクト2の舞台であり、3層ある船内には様々な部屋とアイテムがある。そのため、プレイヤーたちは甲板にいつづけていてもいいが、それを実行すると海から首長竜や海の亡霊、巨大イカや病に冒されたゾンビの船、巨大な海巨人などと遭遇するため、安心はできない。

    船内にも、様々な罠や、囚われたモンスターが入った箱など、安心して過ごせるとは言い難い危険でいっぱいである。ただし、うまく立ち回れば、食料や薬など、後の冒険に有用なアイテム類を手に入れる事が可能。


    運命の神殿編集

    アクト3の後半部の舞台。

    外観は、大理石でできた神殿。ジャングルの中を抜けて、断崖絶壁の近くに存在する高台の上に立っている。高台は非常に高く、下方からよじ登る事は不可能。また、飛行できる者が空中から進むと、鳥の形をした聖護鳥が動き出し襲い掛かる。

    この神殿に辿り着くためには、ジャングル側から続いている。目に見えない狭い橋を渡るしかない。

    神殿に辿り着いたら、最初に火のついたロウソクで一杯の部屋に入る。そこでろうそくに火を灯す事で、内部に入る権利を得る。

    ただし、内部には石造りの建物は存在しない。神殿自体は巨大な生物であり、内部に入るという事は、その生物の体内に入る事と同義である。そのため、生物的な肉感の内部を進む事となる。

    内部は燐光のため、灯の必要は無い。松明などで火を突きつけると、神殿自体が痙攣する。

    また、胃の部屋などでぐずぐずしていると、そのまま溶かされることになる。

    内部には『運命の振り子』を安置している、小さな洞窟が存在する。

    謎かけ盗賊のアジト編集

    アクト4の舞台。

    周囲の木々は、緑と木の茶色ではなく、赤青黄色橙紫といった鮮やかな色彩になっており、さらにその形状も歪み、ネジくれている。

    この場所は『偶然』のみが支配しており、手のひらサイズの恐竜をバカでかい蝶が追っている、といった場面にも出くわす。

    アジト自体は、大理石の大きな屋敷で、尖塔が横向きに付いており、屋根からは大木が生えている。閉じられた扉に入るためには、ちょっとした工夫が必要。

    内部には様々な部屋があるが、時には『謎かけ盗賊』の等身大のぬいぐるみも置かれており、『日常の和んだ雰囲気』を再現するために、部屋に置かれていたりもする。

    また、ぬいぐるみは身代わり兼罠の一部としても作用している。

    奥に進むと、地下に存在する実験棟への入り口に突き当たる。地下実験棟には、『謎かけ盗賊』が研究していた様々な成果の一部があり、機械装置や『合成人間』の工場の他、最奥には儀式を行う大広間もある。

    登場モンスター編集

    ミノタウロス編集

    イグナチウスが仕入れたモンスター。カラメールの街で、イグナチウスの部下が勝手に持ち出して、違法な賭けに用いていた。

    通常のミノタウロスと異なり、哀れを装うような貧相な体つきだが、リングを付けた鼻から毒の息を吹き付けることが出来る。

    剥製の水夫たち編集

    トゥワイス・シャイ号の船室で、カードゲームで賭け事をしているという状態で飾られている。動かさないと何もしないが、動かすと襲い掛かってくる。

    変異トカゲ兵編集

    アクト3の冒頭に登場。

    トカゲ兵だが、いわゆる普通のトカゲ兵とは異なり、身体の各部がねじくれ、変形している。戦闘中でも、脱皮や舌を伸ばしたり、催眠術を放ったり、歯や酸を吐く、複数の頭部を生やすといった変異を行う。

    普通のトカゲ兵たちからは嫌われており、出会ったら即座に攻撃を仕掛ける。

    玉ムカデ編集

    人間大の巨大なムカデ、半透明の巨大な球体内部に入っており、球体を壊されると内部から出て来る。

    善(悪)の偶像編集

    運命の振り子を守護するかのように、互いに殴り合う形で安置されている大柄な偶像。

    逞しい人間のような姿で、拳はハンマー型。顔はのっぺらぼう。善は白、悪は黒の体色で、それぞれ善なる、あるいは悪なる強烈なオーラを放っている。

    振り子を動かすと、周囲を無視して動き出し、互いに殴り合う。互角ゆえに勝負はつかないが、どちらかに少しでも加勢すると、相手を打ち砕く。

    しかし「穢れのあるもの、純粋でないもの全てと戦わねばならない」という己の使命のため、僅かに善または悪が残っていると判断し、冒険者たちにも襲い掛かる。この偶像を倒さないと、振り子は手に入らない。

    レプリカンス(合成人間)編集

    アクト4で遭遇する、『謎かけ盗賊』の雑兵。その姿は、骸骨に半透明なゼリー状の塊が覆っているというもの。

    骸骨をにかわでつなぎ合わせ、それに特殊な薬物が入った大樽に漬ける事で、簡単に作り出せる。雑兵ゆえに、あまり強くはないが、集団で向かって来られると面倒な敵。

    トレムロー編集

    アクト4『謎かけ盗賊』のアジトにて、場合によっては出現し遭遇する。

    アランシアで最も恐ろしい姿をした、そしてそれゆえにもっとも臆病な性格のモンスター。その姿は、コウモリのような皮状の翼、涎を垂らした大きな顎、むかつくような鱗、膨れ上がった腕、不格好な体型を有し、横から見た姿はひどく、正面から見た姿はおぞましいの一語に尽きる。そのおぞましさを言葉で説明するのは不可能で、曰く「冷徹な怪物狩りの名人ですら、震えるゼリーに買えてしまう」ほど。見ただけで誰しも恐怖を覚える。

    しかし、この怪物自身は臆病この上なく、冒険者たちに見つかった事を知り、見られただけで恐怖の悲鳴を上げ、すすり泣きながら逃げてしまう。それを捕まえる事も不可能なため、劇中では交戦できなかった。

    登場アイテム編集

    魔法の刺青編集

    カラメール市『肉とペン大商店』で、一つ金貨25枚で彫り入れることが出来る。恒久的な魔法効果を与えてくれる効果を持つ。

    マネキン編集

    トゥワイス・シャイ号の船倉に、手足と胴体、頭部の六つに分解されて積まれていた。傷ひとつない見事なガラスでできており、組み立てると命令通りに動く。ただし知性は無く、言われた通りにしか動けない。また、戦闘に用いると、すぐに砕けてしまう。

    ヨッカ卵編集

    アクト3のジャングル特有の、極めて珍しい神秘的な鳥・ヨッカの卵。

    ヨッカ鳥の卵から生まれるのは、雛でなく火の玉そのもの。卵を割ったら、内部から火の玉が飛び出し天空へと昇っていく。そのため、敵に投げつけるなどして上手く割れば、武器代わりになる。

    触れると暖かいため、懐炉代わりに用いる事も可能。

    ティマクロン編集

    アクト3の神殿内、胃袋の部屋にある剣。帯びた者はスピードアップする事ができるため、敵の動きがゆっくりに見える。

    元は聖騎士が、邪悪な怪物を退治するために帯びていたアイテム。故に人間を傷つける事は出来ないが、そのスピードを用いて人間の敵からの攻撃を防ぐ事は出来る。

    見張り玉編集

    『謎かけ盗賊』がひそかに仕込んでおいたアイテム。小さな金色の球体で、内部には魔神が入れられている。プレイヤーの冒険者の一人のザックに入れられていたが、神殿内の探索中で抜け出て、見張るように近くの空中を付いて回る。素早く舞うために捕まえられず、時に冒険者たちがピンチに陥ったら助けてもくれる。しかし、最後の最後に……。

    運命の振り子編集

    神殿内の最奥にある洞窟内部にて、安置されている最重要アイテム。

    心臓の鼓動音のような打撃音を周囲に響かせているが、アイテム自体は約10センチ程度の小さな振り子で、小型のガラス管に入れられて振動している。これを破壊されると、世界の善悪の概念と秩序そのものが全て瓦解し、世の中は無秩序かつ、偶然のみが支配する世界になってしまう。

    喋る書物編集

    ページはどれも空白だが、開くだけで本自体が内容を喋り出し、書かれている内容を読者に教えてくれる。本を閉じるか『止まれ!』と命じられると朗読を中断。次に開かれると最初から内容を喋り出す(『止まれ!』と命じて止めていた場合、『始め!』と命じると、止まった個所から朗読を再開する)。

    『謎かけ盗賊』は同様の蔵書をアジト内に多く所持。その内容も多岐にわたっており、歴史、伝説、民話などの良書もそろっている。

    『独習悪魔召喚法』編集

    上記『喋る書物』の中の一冊。著者はジャイフライ・ア・チャ(名前からして、トカゲ兵の魔術師か神官と思われる)。

    開くと内容を自動的に朗読し始めるが、すぐにタイタン世界におけるデーモン……火炎魔人を呼び出す儀式についての説明を、朗読し始める。本を閉じるか、止めろと命じない限り朗読は続き、最後まで語らせたらその場に火炎魔人が召喚され、手近の者達に襲い掛かる。

    ロガーンのサイコロ編集

    ふたつ一組の小さな象牙のサイコロ。手に入れたら、プレイヤーの運の点数をある程度上下させられる。また、戦闘中に一度だけ、敵を弱体化もさせられる。

    粉末生物編集

    様々な生物を精製・濃縮し、粉末にしたもの。試験官に入れられており、水に粉末を入れる事で、元に戻る。

    ただし粉末を一部のみ用いた場合は、小さなサイズになってしまう(劇中ではシルバードラゴンの粉末を一部だけ水に入れたため、妖精サイズのミニチュアシルバードラゴンができてしまった)。

    アジト内には死の犬やワニ、マンモスなどの他、マンティコアや地龍などのモンスターの粉末も保管されている。

    分子混合器編集

    品物を投げ入れる事で、分子の状態に分解された後、再合成される。

    一つのアイテムを入れると、少し奇麗になった状態で出て来る。しかし二つ以上のアイテムを入れると、それらが混じった状態になって出て来る。

    機械鎧編集

    大柄な全身鎧で、内部には機械装置が詰まっている。中に入り込み、レバーを引くと起動するが、コントロールが効かず暴走する。

    元々は、『謎かけ盗賊』が自身の直接戦闘能力を上げるため作ったものだが、飽きて放置されていた。

    劇中のなぞなぞ編集

    その名の通り、『謎かけ盗賊』は様々ななぞなぞを劇中に残している。

    以下、その一部を紹介。


    • 『針はあるが糸の無いものは?』答『時計』
    • 『四本指と一本の親指があるが、手でないものは何?』答『手袋』
    • 『昼も夜も走り続け、決して止まらないものは?』答『川』

    • 『ちょうど壁の隅あたり、私は獲物を待っている。手も指も無く、編み棒もなし、そんな私は網張り上手。けれども食卓はいつも空っぽ』  答『蜘蛛』
    • 『曲がった足に、長い足首、ガラスの目玉に、濡れた鼻先』 答『カエル』
    • 『足は千本あっても、歩けないものは何?』 答え『500本のズボン』
    • 『持っていたってそうとは言わぬ、もらった者も気が付かぬ、そうとわかりゃ欲しがらぬ』 答『偽の金貨の山』

    関連項目編集

    奈落の帝王

    :同著者たちによるファイティングファンタジーシリーズの一冊。カラメール市から冒険が始まり、キャロリーナも登場する。また、『謎かけ盗賊』も登場して主人公の窮地を救ってくれる。

    凶兆の九星座

    :やや番外編めいているが、『謎かけ盗賊』同様に、タイタン世界における中立の立場の存在が活躍する一編。主人公「喉斬り道化師」は、『謎かけ盗賊』同様にロガーンのしもべであり、中立の立場に立っている。

    恐怖の幻影

    :ファイティングファンタジーシリーズの一作。劇中に本人は出てこないが、『謎かけ盗賊』のしもべと名乗るピクシーたちが登場する(劇中では『謎かけリーヴァー』と訳されていた)。

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