概要
中国語ではピーシォウ(Pixiu)と呼ぶ。
豼貅と表記される事もあり、また勇ましい兵卒の例えとして用いられる事もある。
大きな口に金蟾(クォンゴン)の様な容姿、そして麒麟の鱗と角を持つなど獣の良い部分を寄せ集めたかのような容姿をした猛獣で、尻の穴が無く、飲み込んだ物を外に出さないといわれている。
伝承によれば龍の9子の内、一番の末っ子に当たり、雲や霧に乗る事ができ、雷に号令をかけて雨天を晴天に変える事ができるとされ、凶暴な性格をしており、邪を祓う力を持つ事からしばしば避邪と呼ばれ、天禄や辟邪と同一視される事もあるとされる。
その力は父親よりも強大で、一説によれば貔は雄の事を指し、貅は雌の事を指していたとされているが、現在は使われていない。
また八方から財を招き財を貯める事ができるといわれ、上述した性質から入る事は出来るが出ることはできないという特異な神通力を持つ事から財をもたらす霊獣としての側面もあるが、貔貅よく眠る動物なので牛鈴という名の鈴を鳴らしてその度に起こさなければならないという。
なお、貔貅に尻の穴が無いのは元々、貔貅はよく食べ所構わず排泄する生き物であったが、ある時天の掟を破ってしまい、それに激怒した玉皇大帝が貔貅に「食べても良いが、排泄してはならない」という罰を与えて尻の穴を塞いだ為といわれており、以来、貔貅は財を食べ、そのお腹は4方の財を受け入れる為の巾着となり、権力運を増進させる存在になったという。
財をため込んだ身体は金や玉になり、それらの富は豊作を司る秋の象徴とされる。