概要
小野不由美の小説『十二国記』の登場人物。描写されている原作作品は『白銀の墟_玄の月』。戴国の人物。
白狼の豪商、赴家の女主人。赴家といえば文州はおろか戴の全土にまでその名が鳴り響く豪商で、玉商として身を起こし、若い時分に夫を亡くした葆葉が、女手一つで商売を拡大していき、特に驕王の時代において、王の眷顧を得て莫大な富を築いた。今は子供に実務を譲り、自身は白狼郊外の法統が途絶えてしまった道観寺院、牙門観を買い取り改装した別荘で隠居しているとされるが、それは名目だけで、今も商いの実権は葆葉が握っているという。
葆葉の廛舗(みせ)は戴全土に無数にあり、玉の買い取りを行っているが、荒民らが函養山に忍び込み、違法に採掘した玉の買い取りをも秘密裏に行っているのではないかという噂があり、驍宗捜索のため函養山に出入りした人間の情報を集めていた李斎一行が接触を図る。
年貌は五十がらみの、色白でふっくらとした慈母を体現したかのような女性だが、身に付けた豪華すぎる衣装と宝石、そしてなによりも油断のならない目つきが外見を裏切っている。その海千山千の態度を、去思は苦笑いしながら“女傑、と言うんでしょうか、恐るべきお方でした”と評した。