概要
「言うじゃねえか、ケツの青いガキが」
『ヒューマンバグ大学』のシリーズ作品『京極組の天才・久我虎徹(現・京極組の人情派・久我虎徹)』に登場する地上げ屋。初登場は2022年1月13日付の動画『【漫画】】鬼のハンマー使い...犬飼鷹四郎。久我虎徹の肋骨を粉砕した。』である。
バブル期に大企業の依頼で暗躍していた地上げ屋。
当時はヤクザを傘下に入れて勢力を拡大していたが、暴対法が施行されるや組む相手を半グレに切り替えてかつての依頼者であった企業を脅して稼いでいた。
その結果、脅された企業の依頼を受けた京極組にその命を狙われる事となる。
人物
容姿
メガネをつけているほか、髪型をオールバックにし、恰幅のよい姿をしており、如何にも大物の雰囲気をしている。
家では和装をしている。
人物
地上げ屋としてのやり口は強引かつ大胆で、土地の所有者に対して譲らなければ傘下に入れたヤクザに親族を襲わせるという強引な形で交渉して土地を買収し、何人もの人間を破滅させてきた。
また、依頼してきた大企業に対しても例外ではなく、傘下に入れた半グレをちらつかせて自分の会社に提携をさせようと脅してきた。
一方で、15年前に逝去した妻の京子の命日には護衛を排して一人で過ごしており、なんと仕事も断って一日も家にこもる。言わば悪党でも人並みの情を持っており、青髪の情報屋からも「どんなクソ野郎でも親族には優しいもんだからな」と評している。
活躍
強請られた企業の一つが日下に殺害を依頼すると久我がその任を受け、亡妻の命日で旧邸に一人でいるところを久我に乗り込まれた。
しかし、裏社会を牛耳った悪党といえどれっきとしたカタギ。喧嘩や他の組との戦争はともかく、殺し屋の真似事に抵抗を覚える久我だが、極道において親の命令は絶対である以上、ただソレに従うしかなかった。
久我は青髪の情報屋によって郷田の詳細を掴み、唯一の隙である「嫁の命日」に古い別荘……駆け出しの時代に過ごした旧家に訪れるタイミングを見計らって単独でカチコミを仕掛けてきた。
周辺にいる半グレ達の裏をかいて潜入し、裏口にいる犬飼鷹四郎との戦闘の末に突破した久我は郷田の所にたどりついた。
昭和から生きた裏社会の悪党、最期の花道
だが彼は久我に拳銃を突きつけられても少しも取り乱した様子を見せなかった。
それどころか、雇った半グレの不手際に対して酷評をした後に酒をあおるなど、余裕すら感じていた。
郷田「それでどこからの差金だ? 井堂か? 光本か? それとも東菱か?」
久我「話すと思ってんか?」
郷田「まさかな。 冥土の土産って口を割るようじゃこの世界じゃ生きていけねえよ」
自分を仕留める様に仕向けたのは誰なのか、今となってはそれすらも「どうでもいい」と片付ける郷田。
生殺与奪の権利を久我に掴まれながらも、堂々とした態度を貫いていた。
郷田「―――殺るならさっさとしな」
久我「随分と諦めがいいじゃねえか」
郷田「悪党には悪党なりの矜持ってのがある……最後に無様はさらせねぇよ……」
それどころか悪事を犯した以上、何時か自分に跳ね返るだろうと分かった郷田は抵抗せずに瞼を閉じる。
あまりの潔さに毒気を抜かれた久我だが、親に命令された以上は郷田を見逃すつもりはない。
久我「なら、遠慮なくやらせてもらうぜ」
郷田「ああ、こんな生き方しているんだ。 覚悟はとうに決まっている……」
郷田はその言葉を終えたと同時に……
一発の銃声が響いた
銃声を聞きつけた外の半グレ達が泡を食って郷田の所に駆け寄ったが、既に郷田義信は死んでいた。約束の報奨金が手に入らない事に慌てふためく半グレの混乱に乗じて、久我は屋敷から脱出した。
彼の懐に入った写真に映ったのは、今は亡き妻と一緒に笑顔で撮った、かけがえのない一枚であった――
京極組の事務所に戻った久我は、今回の件で株を上げることは出来たが、カタギを手にかけた久我には五十嵐からの賞賛も虚しく響くばかりだった。
しかし、郷田の潔さは久我の心に残っていた。いつか命を落とす事になった時、彼の様に最期を迎えたいと思っていた。
余談
ヒューマンバグ大学に登場する悪役であるが、彼の場合は相応の覚悟を持って活動し、その潔い態度のまま最期を迎えた珍しい人物。
事実、殺される直前の彼の最期の言葉や堂々とした潔い態度は久我の印象に強く残ったようであり、動画のラストで久我は「くたばる時はああいう風に逝きたいものだ」と少なからず彼の死に様に敬意を表している様子を見せている。