概要
小説『有頂天家族』の登場人物。通称は弁天であるためpixivでもほとんどは「弁天」タグが付けられている。
自らは人間であると名乗るが、京都で最も恐れられる天狗の一人。自由奔放に振舞いながら様々な術を扱い、実力で鞍馬天狗たちをも従える神通力を誇る。師匠は赤玉先生であり、赤玉先生は弁天にべた惚れであるが、実力はどう見ても弁天の方がはるかに上。
京都における人間たちの要人が集う秘密結社「金曜倶楽部」のメンバーでもあり、七福神を模して「弁天」の名を授かっているため、「弁天」と呼ばれている。狸界では、かの伝説の偽右衛門・下鴨総一郎を狸鍋にした張本人、すなわち金曜倶楽部の代名詞として恐れられている。その悪名たるや姿を見ただけで鍋にされることを恐れた狸たちが四散する程である。そんな中で何故か夷川海星だけは弁天に露骨な敵意を見せているようだ。また弁天は、一部の狸勢力と関係を結んで暗躍もしている模様。
下鴨家にとっては父の敵であるが、そこは狸、みな復讐しようとか憎むというより関わりを恐れて敬遠している。矢三郎はそんな弁天に初対面から好意を抱き惚れており、家族からそのうち鍋にされるのではないかと不安視されている。彼女は矢三郎を利用したりあしらったりするが、「食べちゃいたいほど好きなんだもの」とも語る。
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以下、有頂天家族1後半のネタバレ
かつては鈴木聡美という名の女子高生で琵琶湖湖畔に住んでいた。しかし赤玉先生に気に入れられて攫われ、そのまま京都で天狗の術を教え込まれ、様々な道具も貢いでもらった。ある時に矢三郎を唆して「魔王杉事件」を引き起こして、重傷を負った赤玉先生から神通力を奪う。かつては純粋な少女だったが、こうした事件を経て今や天狗以上に天狗とまで恐れられる冷徹で妖艶な得体の知れない美女となった。
あくまで自分は人間だと主張する彼女にはまた、人知れぬ苦しみもあるようで、矢二郎のいる井戸を訪れ、無言で涙を流すこともある。