概要
壮絶なクマリス戦争を勝利で飾り、地獄のような戦場から無事に帰ってきたコンカー。敵基地の自爆に巻き込まれていたロデントの無事も確認できたし、しかし、家に帰るという本来のアテはまるでつかめぬまま。
風車の丘に戻って来たコンカーは、頂上にあった風車が根元から折れ飛んでいたことに気づく。どうやっても入ることの出来なかったこの建物の中はどうなっていたのかを探ると、なんと地下への道が。そこにあったのは巨大銀行への裏口であった。
どうもこの風車は銀行への通用口としてのカモフラージュを果たしていたらしい。
すると、そこに「ウーガブーガ」で出会ったイタチのマフィアボスの姿が。
以前、トラブルから仕事を押し付けられ、成功しても失敗しても街を出て行けといわれたものの、コンカーからすれば家路につければ言われなくても出て行くのに、その道がわからないだけであった。
だが、気を取り直していたマフィアボスは、新しい仕事をコンカーに依頼する。目の前の巨大銀行を強盗してほしいというのである。
そこに離れ離れになっていたベリーも合流。
なぜかマトリックスの衣装に着替えた2人は、最後の戦いへと歩み進んだ。
格好だけでなく細部にわたるマトリックスの銃撃シーンパロディ。しかし映画のようにいくと思う無かれ、敵の銃撃は「これが(攻略を前提とする)ゲームなのか」と思うほど本気。正面に立てばたちまち秒で銃殺されるうえ、相手にはヘッドショットさえ通用しない。
柱の陰に隠れ、状況対応ボタンでスローモーションモードになり、それこそ映画のように一撃必殺していくしか方法がないだろう。しかし飛び出すタイミングを間違えればそれでも蜂の巣にされるだけ。相方のベリーが逆サイドで敵をひきつけるため、これを利用してチャンスを窺おう。
とはいえ、柱に隠れていても敵の銃撃は容赦なく、すぐにボロボロに破壊されるので待ってばかりもいられない。
それらを全滅させると、$1,000,000という大金が入った金庫へと辿り着く。大金持ちになった喜びを全身で表現するコンカーだった。
が、しかし・・・
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レア社 Conker's_Bad_Fur_Day コンカー ベリー(Conker)
※ここから先は衝撃の展開及びラストが記述されている為閲覧に注意されたし
そこに待ち受けていたのはパンサー大王であった。
かねてからコンカーを狙っていたパンサー大王は、身柄を確保するためにマフィアボスと裏で手を組み、銀行強盗の依頼と称してコンカーをここまでおびき寄せるのが目的であった。
この銀行さえフェイクであり、その真の姿はパンサー大王の居城に他ならなかったのである。
交渉であしらおうとするベリーをマフィアボスは無慈悲にも銃殺。
万事休すかと思われたコンカーだったが、次に見たのはパンサー大王が苦しみ出す姿。
部下の科学者がパンサー大王の体内にエイリアンを寄生させ、体内で育成しており、それがついに大王の体を突き破って飛び出してくる。
周りにあるものすべてが時代遅れだと突き放す科学者。自分の科学力があれば、権力を転覆することなど容易かった。そして、コンカーをエイリアンの最初のエサにしようと企み、孤立させるためこの部屋を宇宙空間へと打ち上げ始めた。
やぶれかぶれで玉座にあったレバーを動かし、なんとか事態を打開しようとするコンカー。
するとエアロックがオープン。だが、科学者はこの事を失念していたようであり、宇宙空間へと吸い込まれてしまう。
その隙に、エイリアン2で登場したようなパワードスーツに乗り込み、もはや制御する者さえいなくなったエイリアンとの最終バトルへと突入していくのである。
N64のロゴをチェーンソーで切り裂いたOPで知られる本作が垣間見せた、任天堂への篤いリスペクトでもあった。
なんとかエイリアンを宇宙に放逐したかにみえたが、肉体能力が並外れているエイリアンにはそれさえも通用しない。すべての切り札を失った、その瞬間——
ゲームがフリーズ(という演出)。
コンカーだけが今、この空間で動けるキャラクターだった。そこでこの状況をよく考えた彼は、突然第四の壁を突き破り、手前にいる(という設定の)ゲームプログラマーに声をかける。
「このバグを知られたくないだろ? だったら俺を助けてよ」
渋々承諾するスタッフ。そしてエイリアンを倒せそうな武器を要求したコンカーは、その中から日本刀を選び・・・
元の空間に送り返された直後、エイリアンを首チョンパ。あまりにもあっけない決着であった。
すると、パンサー大王の部下だった兵士たちがそれを見ていたようで、自分たちも本当はあの大王が嫌いだったことを明かす。そしてカラになった玉座を指差し、コンカーを王位に就けてしまう。
コンカーはそれよりもベリーの蘇生を頼み込もうとする。
しかし、もうスタッフの応答はなかった。
こうして、最愛の恋人を失ったまま、空虚な王位に就くことになったコンカー。失ったベリー以外なら、土地でも何でも手に入る。
しかしコンカーからすれば、本当に大切なものであるベリーを失った今、そんなものは欲しくなかった。
大事なものは、失った時に初めてわかる。
贅沢なんて、憧れているうちが幸せ。
「隣の芝生は青い」という言葉で、この物語は締めくくられる。
ハングとはいえ時間停止を用い、スタッフさえも動員したコンカーだったが、そんな鬱クラッシャーズの体現とも言える展開でさえ、ベリーを救えないという「現実」が、そこにはあった。
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