「私は南家ではなく、宗家の者だぞ」
「誠実であってほしい、誠実でありたいということが間違っているというのか?」
概要
長束とは八咫烏シリーズに登場するキャラクター。
今上金烏代捺美彦と大紫の御前こと高子の間の唯一の子。
生まれついての名は長束彦だが、真の金烏である弟、奈月彦の誕生によって日嗣の御子の座を下り、出家して明鏡院院主長束となった。
容姿
生まれながらの高貴さが現れたような優れて整った面差しに硬質な黒髪を持つ。偉丈夫と表されることが多い。また体格が良く、大柄な北家当主の隣に座って見劣りしないほど。
父親にも母親にも似ていない。
人物
頭脳明晰で温厚でありながらもいざというときは果敢という気質に加え、背が高く見映えする美丈夫ということもあり、日嗣の御子の座を下りて長らくたっても、宮廷では彼を推す者も多い。(長束派と言われる派閥が形成されるほど)
名君と名高かった彼の祖父である先の金烏によく似ているそう。
宗家の者としての自覚が強く、山内の安寧を心から願っている。
しかし、古き善き美しき山内のための皇子として育てられたため、たやすく『文選』を諳んじることはできるが、瓜がどのように生っているかを知らないほどの根っからの貴人でもある。
南家を贔屓する母や高官たちの傀儡になっている父に対して自分を産んだ人、産ませた人くらいの感慨しか持っておらず、反対に奈月彦のことは最愛の弟と表している。
経歴
宗家の嫡子として生を受け、生まれた時から考えうる限り最高の環境養育されてきたため、周囲から求められていることを察し、期待通りに振る舞うことができたり、己が特別だと自覚しても決して驕らなかったりと傍から見ても賢い子どもだったそう。
名君と名高かった祖父の下で養育されたため、祖父の言葉が彼にとって揺るがぬ指針であり、祖父のありようこそが彼の目指すべき姿であった。
しかし、上記の通り弟の奈月彦が真の金烏であったため日嗣の御子の座を追われたた。
…と、思われていたが、
実際は、祖父である先代から真の金烏とは宗家そのものと教えられていたため、本人は心から望んで譲位したが、周囲は日嗣の御子の座を追われたとしきりに言い、本人たちの意思に関係なく政変などと呼んだりした。
そうしてまたしても彼の意思とは関係のないところで長束派と言われる派閥が形成されていき、その中心となったのが彼の母である大紫の御前とその生家の南家であった。
彼の祖父や奈月彦の母が亡くなり、宮廷で供される食事にまで毒を盛られるようになった弟を守るため、弟を山内から逃がしたうえで自身が宮中を掌握し、帰ってきたときに最大の後ろ盾になれるようにした。
そして、奈月彦を積極的に害そうとするものを自らのもとに集まるようにし、その情報を奈月彦に流すことで後押しいていた。
余談
彼は大紫の御前が入内のために捺美彦を襲って出来たとか出来なかったとか、、、できたとか。