曖昧さ回避
概要
船は内陸においても湖沼や河川、運河を通じて行き来する、またはした場合があるが、時には自然の流路を無視して高低差を超えなければならないこともある。そのままでは船を通せない高低差を乗り越えるための設備の一つが閘門である。
閘門を用いる方式の運河を閘門式運河と呼ぶ。これに対し、閘門などを設けずただ掘削し、水を通しただけの運河を水平式運河と呼ぶ。
仕組み
二つ以上の閘門と、それに挟まれた閘室で構成される。まず閘室内の水位を船を入れたい方向の水位、すなわち低いほうから高いほうへ移動させる場合は、下のものに合わせて水を抜き、逆の場合は上に合わせて水を入れて調節する。調節が終わったら船がいる側の門扉を開き、閘室内に船を入れる。船が入ったら門扉を閉じ、今度は反対側に合わせて再び水位を調節し、終わったら門扉を開いて船を出す。このように段差を昇り降りするように船を移動させていく。閘門と閘室のセットを増やせば、階段と同じようにより大きな高低差を乗り越えることができる。
例
世界三大運河のうち、パナマ運河とキール運河がいずれも閘門式である。
国内においては、愛知県の中川運河や千葉県・茨城県の利根川河口堰・黒部川水門などに現役の閘門がある。