概要
陣羽織:応仁の乱とは、LGS Games Productionsによって制作されたゲーム。2023月9月8日にPS4で発売され、価格は1540円。
…さて、ゲームの説明に入る前に「LGS Games Productions」という社名をどこかで聞き覚えはないだろうか?
そう、商売失格ゲーとして有名な要塞の剣:オノムジムを制作した会社である。感の良い人なら分かるかもしれないが、このゲームも基本的なゲームシステムのクオリティが低い。
ストーリー
16世紀後半の封建時代の日本を舞台にしたこの物語は、権力への渇望に取り憑かれた男、秀吉の栄枯盛衰とその後の悲劇的な結末を描きます。
秀吉の生涯が終わりに近づくにつれ、彼の飽くなき権力への渇望とその行動の結果は、国家間の劇的な衝突として最高潮に達します。
秀吉は自分の影響力を拡大し、自分の遺産を確保したいと考え、軍事的才能を試し、最終的には自分の運命を決定づける遠征に乗り出します。
侵攻が進むにつれ、秀吉は高名な将軍李舜臣率いる朝鮮軍の予期せぬ抵抗に直面する。
(原文ママ)
…と、説明だけ見れば応仁の乱が舞台の戦国ゲームで、豊臣秀吉をはじめとした戦国武将が登場するのだろうと思うだろう。
しかしよく考えて欲しい。応仁の乱は1467~1477年に起こった戦である。対してこのゲームの舞台となる年代は16世紀後半。もうお気づきかもしれないが、応仁の乱はゲームの内容と全く関係なく、当然陣羽織要素も存在しない。なんなら秀吉等の戦国武将も一切登場しない。タイトル詐欺もいいところなゲームである。
釜山や平壌などの日本ではない地名が登場する。応仁の乱ではなく朝鮮出兵なのでは…。
ゲーム内容
プレイヤーは謎のクノイチを操作して敵を倒していく。
攻撃方法は四角ボタンで弱攻撃、三角ボタンで強攻撃。それ以外の操作は移動のみ。しかし問題点はそこではない。攻撃時に謎の桜のエフェクトが発生しものすごく邪魔になる。しかもGhost_of_Tsushimaの黒澤モードのように常時白黒画面な上に敵を倒したら謎の光とともに爆発するのだから見づらいなんていうものではない。
さて、このゲームのクリア条件だが、明確なゲームクリアが存在しない。強いて言うならPSゲームの実績クリアであるトロフィーのコンプリートがクリア条件となっている前代未聞の対応がとられている。このゲームでは、特定のエネミー(以下ボスと表記)にマッピングがされており、そのボスを倒すことでトロフィーが埋まっていく。
しかし、ここで一筋縄ではいかないのがLGSゲーム。雑魚が5回攻撃すれば倒せるのに対し、ボスはアップデート前は数百回か数千回斬らなければ倒せなかったという安定の難易度。当然攻撃を喰らえば一撃死するし当たり判定もバグっている。
ここまで来ると最早【ゲーム】と呼べるかどうかも怪しい。
陣羽織:応仁の乱とからすまAチャンネル
このゲームが知られることになったのは、かつて要塞の剣:オノムジムに挑み心をバキバキに折られたからすまAチャンネル氏の開発者公認プレイから。
事の始まりはからすま氏にLGSからDMが届いたことから。そこに書かれていたのは、「900時間のゲームプレイを費やした史上最もハードなゲーム」と書かれたこのゲームの紹介だった。そしてこのゲームのプレイ動画を配信することになるのだが、その様子は悲惨としか言いようがなく、普段からすま氏が苦しむ姿を見て楽しんでいたドSな視聴者が「見ているこっちが苦しくなるからプレイを中止してくれ」と懇願するほどであった。
からすま氏は、ハメ攻撃を利用しどうにかボスを倒そうとするが、その度にゲームが強制終了してしまいプレイ続行不可と思われる状況に見舞われる。だが、この都度クレームを送信したところ、まさかの即アップデート。柵が鋼鉄化したりボスの体力が雑魚と同程度になったりと対応がされトロコン一歩手前まで漕ぎ着ける。
しかし、からすま氏はここで、隠しトロフィーとされる2体のボスが見つからず行き詰まってしまう。リセマラを繰り返し、ランダムで登場するボスをスポーンさせようとした(およそ20時間にわたるリセマラ。それでも出なかった)が、ここで3度目の強制終了。遂に心が折られてしまい、クリアを断念してしまう事態に発展してしまった。そしてこの事から、からすま氏はプレイ前に最低限の事前情報は仕入れておくことを決心したのだった。
視聴者からの批判
このゲームの配信実況に関しては、視聴者から心配と共に多くの批判が寄せられている。ただしこの批判はからすま氏に向けてのものでは無く、制作したLGSに対してである。
元よりクオリティの低いゲームなのに加え、「要塞の剣」の焼き直しのような内容や、外連がかった演出のクドさから「要塞の剣」以上に「どうだ?クソゲーだろう?」と言わんばかりの制作側のあざとさが見え隠れするのも原因の一つと言えよう。
また、リアルタイムで修正版をアップデートする速さも、傍から見れば「抜群のアフターフォロー」と言えなくも無いが、対症療法的な修正繰り返した挙句結局肝心のエラーを除去することが出来なかったという点で、商品としても失格と言わざるを得ない(また、安易な修正の結果、敵キャラが非常に柔らかくなり、「クリア900時間」というお題目通りでは無くなったため、看板崩れの作品と化している)。
こういった拙さに加え、からすま氏をデバッガー兼広報担当者に利用しているようにしか見えなかった所も批判の一因である。
一部には「案件動画では?」という指摘もあったが、これは氏自身が否定している。金を貰ってやる程価値のあるゲームではない。まあ金を払ってやるよりはマシだろうが。その後もからすま氏はアセットフリップのクソゲーをプレイする度にステマを疑われることがあり、批判の1つとしてその後のからすま氏に付いて回った。
奇しくも丁度同年にクソゲーオブザイヤー(KOTY)が休止(事実上の終了)した背景には、以前からの組織だったゲーム制作においては環境の改善により致命的なバグなどが減少し、KOTYにノミネートするような作品が目減りしていたのも要因の一つであるが、アセットフリップ(アセットストアなどで販売されているゲーム制作に使える素材やテンプレート、プログラムをほぼそのまま流用して作られたゲーム)による安易なクソゲーの量産が横行し、それらを選評から除外するためにKOTYではIARC審査のみのゲームを選評対象外としたことも大きかった。これに関わる議論が長引いたことも、休止の原因だったと考えられる。
同作は、そんな時代の象徴ともいえる「安易なクソゲーの量産」そのものと言え、KOTY亡き後最新のクソゲーに対する配信の最前線の一人ともいえるからすま氏の貴重なリソースを大きく圧迫したことも、批判が増加した理由かもしれない。
最後に、配信での荒れがまとめ動画でも発生することを危惧してなのか、上記の動画でからすま氏はコメント欄をオフにして配信を行っている。