漫画家上山徹郎の作品。単行本は全2巻(新装版は全1巻)。
あらすじ
暁光寺留詩葉は突如街中でロボットにその身を狙われる。間一髪で留詩葉を助け出したのは「ファウスト」と名乗るロボットで、留詩葉はファウストと共に逃亡の旅に出ることとなる。
エンジェルが差し向ける使徒たちを迎え撃つファウストであったが、戦いの中、自分が何者であるかを徐々に知っていくことになる。
登場人物
暁光寺留詩葉(ぎょうこうじ るしは)
ある理由からロボットに付け狙われる少女。なりゆきでファウストのマスターとなる。当初は自分の置かれた状況に戸惑うばかりだったが、終盤にブリッツによってスタンガンで気絶させられてしまい、三日間も昏睡してしまうが、目覚めた後は父親を救うための決意を固め、ファウストともにエンジェルと三太がいる山荘へ乗り込んでいったところで物語は終わる。
ファウスト
人型のロボット。留詩葉の父である三太から彼女を守る様に命じられ、彼女を護衛しながら逃亡の旅を続ける。ぶっきらぼうな性格だが人間くさいやさしさを持ち、戦闘用ロボットには必要がないはずの機能(表情を変えられる)があるなど、どこか謎がある。
専用のオートバイである「アシエル」と拳銃型のリニアガンである「ガデリエル」を持ち、ガデリエルには弾丸を超高温のプラズマにして発射する「パニッシャー」という技もある。
パニッシャーは理論上はいかなる物質も破壊できるが、発射には3秒間のエネルギー充填が必要で必要な時にすぐには撃てず、エネルギーの消耗が激しいので連射もできない。
エンジェル
少女の姿をしたロボット。三太の最新作で、「限りなく人間に近いAI」が搭載された。
留詩葉の肉体を手に入れて本物の人間になる事を望み、配下の使徒たちを留詩葉に差し向ける。
暁光寺三太(ぎょうこうじ さんた)
留詩葉の父で、「ヴィーナスソフト」の社長であり人工知能の権威。物語が始まった時点では行方不明だが、実はエンジェルに軟禁されていた。
小野寺みつ子(おのでら みつこ)
逃亡の旅の中でファウストが出会った女性。飛行機事故で亡くなった夫の墓参りに来ていたが、心のどこかでは夫が実は生きているのではないかと信じている。ビクスンとの戦闘で危機に陥ったファウストをその身を盾にして守るが、直後にシルバーテイルによる攻撃を受け、自身も戦闘に巻き込まれてしまう。
使徒
作中の大手ロボットメーカーであるレインディア・ロボティクス社製のロボット。エンジェルが同社を掌握して9体のロボットを自分のコントロール下においた。名前の由来はサンタクロースのトナカイから。
- ルドルフ
人型ロボット。格闘技で戦う。最初にファウストと戦った相手である。
- ダッシャー
サーフボードの様な形。空中に浮かんでおり、超スピードで飛行する。外郭は特殊合金で覆われ、敵に体当たりして攻撃する、いわば頭脳を持つ弾丸。
- ダンサー
カニの様な形。AI搭載の自立小型戦車。留詩葉を捕らえるも、彼女に対してはエンジェルの「礼を尽くせ」という命令通り、自分たちの目的を知らせるなどした。
- キューピッド
情報収集用の小型ロボット。翼を持ち空中に浮遊する。ステルス能力と様々な通信手段を持つが武装はない。
- ドナー
人型ロボット。電気を自在に操る。電撃による攻撃や、一定範囲内の電子機器を動作不良にするといった妨害能力を持つ。ブリッツとともにファウストを襲うが、留詩葉に対してはエンジェルの命令通り身の安全を優先しており、逆に雑な扱いをしていたブリッツを叱咤する場面もあった。
- ブリッツ
人型ロボット。頭部はドクロの様な形をしている。実はAI中枢に人間の脳が使われているため(人間だった頃の記憶はない)、ドナーの妨害能力圏内でも自由に動ける。口の中にリニアガンを持ち、威力はガデリエルと同等。
ファッションにこだわってコートを着たり、酔っ払いのサラリーマンが落とした玩具の吹き戻しを使うなど行動は結構ユニークである。
- コメット
人型ロボット。武装はなく、他のロボットの修理が専門。修理機能だけなら内蔵はコンパクトで済むため、外見は他の使徒の様に一目でロボットと分かるデザインではなく、人間の女性である。髪の毛が微細なマニピュレーターになっている。
- ビクスン
人型ロボット。羽の形をしたシルバーテイルという装備を9枚持つ。シルバーテイルは空中に浮かび自在に飛行し、刃物として敵を斬りつけたり、盾となって敵の攻撃を防いだり出来る(イメージとしてガンダムシリーズのファンネルに近い)。
シルバーテイルを操る本体はファッションモデル用ロボットだったのを流用したため、コメットと同様に外見は人間の女性である。
- プランサー
犬型ロボット。エンジェルの警護と三太の監視が役目。
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