概要
WORST Xから登場する瀬ノ門工業高校の筆頭戦力を務める高校生であり、天下井公平の相棒でもある。
人物
上下ともに深紅の制服と黒いVネックのインナーが特徴。必要な会話は一切しないほど寡黙だが戦闘力は高く、天下井を守るためにひたすら尽力する、良く言えば武人肌、悪く言えば愚直な性格。
周りからも一目置かれているようだが、問題は頭である天下井の性格。WORST Xの逸話を見ればわかるように、彼はひたすら他者を利用して上に立ちたい支配者であるため、そんな男に手足のように扱われている姿は周囲からは都合の良い駒にしか映っていなかったが、須嵜が裏切らず見捨てないのは彼が大事な幼なじみの親友だからであり、自分の父が事業に失敗して天下井の会社に拾われたためであった。そのため、どれだけ都合良く使われても昔の頃に戻りたいと願いながら天下井に度々苦言を呈している場面もある(父もまた、天下井に逆らわず従順だが、当の本人からは「あいつ(須嵜)の親父が事業に失敗したから拾ってやった」などと馬鹿にしているように陰口を叩かれているところにすれ違いがある)。
そのため花岡楓士雄との一騎討ちの際には「単に権力者に従うだけの奴隷」に周りの目に映っており、視聴者からも同じように見られていたが、映画鑑賞後は「幼い頃の約束を忘れず、親友がどれだけ堕ちても見捨てずに守る武人」に評価が一変した。
戦闘力
戦い方は武器を一切使わず体一つで挑む徹底した武闘派スタイルであり、天下井を含めた自校の者たちや鎌坂高とは真逆である。ちなみにブレザーは普段は閉めているが、全力の戦闘を行う際には前を開け、Vネックとネックレスを見せて闘う。ファンへのご褒美。
瀬ノ門のNo.2だが一騎当千の実力を誇り、実質は彼こそがトップの強者である。前述の通り手を汚さない天下井や卑怯なやり口を使う鎌坂勢や自校のサボテンこと砂防天久らと異なり心技体全てを兼ね備えた実力者である。
現在では想像し難いが、小学生までは冴えない弱気な少年であり、天下井が(武器を持ちながら)仕返しに行くことが多かった。しかし、中学に入ってからは身体能力が覚醒、一気に強者へ駆け上がることになる。
花岡楓士雄に近い実力を持つ高城司を一騎討ちで破り、果ては全日制最強の轟洋介と小田島有剣が同時に相手にしても倒しきれないほどの高い身体能力を誇る。状況判断能力も的確で、常に周囲を見て冷静に立ち回りながら敵を殲滅することに注力している。
司との初戦では苦戦していたように見えたが大したダメージを負うこともなく余力を残したまま勝利し(止めは天下井の不意打ち)、終盤においても次々に猛者達が挑んできても分析能力と判断力で即座に対応しながら戦闘を行い一歩も引かぬ強さを見せるオールラウンダーである。最終的に楓士雄に敗れはしたものの、自身も複数の強者を相手にして疲弊した状態でのタイマンだったため、万全の状態で挑んでいたら楓士雄も危うかっただろう。鍛錬を積んでいる描写は無いが、才能に胡座をかくことをせずに努力を続ける武人であることは間違いない。
だが、そんな彼も不良の聖地である鈴蘭男子高校には及ばないようで、マーシーからは「瀬ノ門の奴もなかなかやるな」、ビンゾーからは「あんなのウチにゴロゴロいるわ」などと冷静にコメントされており、鈴蘭とそれと渡り合う鳳仙学園のレベルが如何に規格外なのかを物語っている。
余談
- 演者
演じたのはNCTの中本悠太だが、演技経験は殆ど無く、今作が本格的な俳優デビューとなる。天下井役の三山凌輝とは共演がきっかけで仲良くなっているが、仲良し過ぎて度々ヤバいことになっていたりする。ただ、天下井が司を痛ぶる姿は少し引いたらしい……。
- 戦績
ラスボスの立ち位置に当たるため、序盤から最終戦に至るまで常に一騎当千の活躍を見せた須嵜だが、前述したように花岡楓士雄と高城司、鳳仙の四天王の1人、全日制最強の男という本作でトップクラスの強者全員を同時に相手にしてから楓士雄とタイマンを行っており、今作屈指の猛者たちと連続して死闘を繰り広げてなおも倒れないという尋常ではないタフさを見せている。何よりその前に体育館にやって来た敵を掃討した後で彼らと戦闘を行っているため、「楓士雄に負けた敗因は過労なのではないか」とネタにされることもある。
- 人物像
HiGH&LOWシリーズの登場人物は、話が進むごとに人となりが明らかになっていくキャラクターが大半を占めており、脚本を複数の人物が担当していることもあって人物像やストーリーがブレることもしばしば見られる。そんな中でも初めから人物像が明らかになって行動や言動に全ての筋が通っている珍しいキャラクターであり、他は花岡楓士雄ぐらいである(脚本に高橋ヒロシ氏が加わったことも一因であろうが)。
何より真面目な武人肌な性格で楓士雄と真剣勝負を行い、尚且つ親友である天下井を見捨てず一途に守り続けながら彼に昔の『公ちゃん』へ戻ってほしいと願う健気さを見せたことから須嵜を「ザワクロのヒーロー兼ヒロイン」と評する視聴者もいる。