概要
韓国料理のひとつで、主にソルラル(韓国の旧正月)に食べられるスープ。スープにトッという餅や様々な具を入れる。
トックッに使われるトッは「カレトッ」と呼ばれる。細長い餅で、長寿の願いが込められている。これを薄く小判状に斜め切り(お金に困らないようにという意味がある)してスープに入れる。
高麗時代には食べられていたことが確認でき、三国時代に遡るとも。朝鮮王朝後期(19世紀)の書物には、今と同じような作り方のトックッが湯餅(タンピョン)の名で載っており、この頃から正月に欠かせない食べ物だったという。
正月以外でも食べられ、飲食店のメニューに入っていることがある。
入れるもの
一言にトックッと言っても、地域により差異がある。また、時期によっても入れるものが変わったりする。
具材
多くの地域では牛肉を用いる。かつては雉肉が最上とされたが、入手困難なため牛や鶏で代用される。これにマンドゥを入れたものもあり、「トッマンドゥクッ」と呼ばれる。
一方で、肉でも鶏肉を使う地域もある。海岸地域だと牡蠣や海草を使う。
本来は新年を厳粛に迎えるという意味から、トッのみだったという。
スープ
スープは多くの地域だと牛肉や牛骨ベース。骨髄まで煮出すため乳白色を呈する。煮干しや干し鱈を使う地域も。
チョレイントックッ
朝鮮民主主義人民共和国の開城発祥のトックッ。チョレイントッという雪だるま(瓢箪型)型のトッとマンドゥ(餃子)を入る。
瓢箪型は悪霊退散の意味があり、また、昔の小銭を連ねたような形から、財物が家にあふれるようにという願いもある。
「トッ」との混同
韓国料理で使われる餅で、トックッにも入れる「トッ」。細長い円柱形ないしマカロニのような形が特徴。日本の餅とは違い、もち米ではなくうるち米が原料。日本の餅に比べると、モチモチしているのは変わらないが、歯応えがあり団子に近い。うるち米と水を混ぜて蒸し、これを杵でついて円柱形に成形する。他にトッポギなどに使われる。
発音の影響で、これがトックッと混同されることがある。また、韓国ブームに伴い日本で販売されるようになったが、このとき、トックッに入れるトッが「トックッ」の名で販売されたため、より一層混同させてしまうことになった。
Wikipediaの記事でも、この誤った意味が記載されている。
キン肉マンのキャラに「トック」がいるが、この誤った意味に由来すると思われる。
関連タグ
雑煮:トックッに似た日本の正月料理。