概要
薄く伸ばした小麦粉や蕎麦粉の生地に、餡を包んだ韓国料理。韓国風餃子。漢字表記は「饅頭」
調理法や具材により、様々なバリエーションがある。そのまま食べるほか、他の料理に入れることもある。
作り方
茹でる、揚げる、焼く、蒸すなど様々な調理法がある。最もポピュラーなのは蒸しマンドゥ。
餡には豚や牛の挽き肉、豆腐、タンミョン(당면、韓国春雨)、キムチ、キャベツ、ニラ、玉ねぎ、ホバッ(韓国カボチャ)などが使われる。餡はニンニクやごま油で味付けされる事が多い。肉の中身は、牛肉のみや豚肉のみ、またはその両方を入れるものがある。
マンドゥの味は、8割中身で決まると言われ、材料の比率や味付けは、店によっては企業秘密にする所も。
包み方も、半月型や小籠包のようなタイプがあるが、帽子状に包む事が多い。
食べ方
そのまま食べるほか、クッ(スープ)やカルグクス(韓国風の手打ちうどん)の具材などにも使われる。ナクチプルコギなどにマンドゥを入れ、ソースとのマッチングを楽しみながら〆にすることも。
価格帯は3000ウォン〜5000ウォン(300円〜500円)ほど。冷麺店でサイドメニューとして注文される事が多い。他に、餃子専門店、プンシッチョム(粉食店)、屋台、キムパプ店、中華料理店でも出され、歩けば見掛ける、ポピュラーな料理で、間食として親しまれている。元々は常用食ではなく、冬や年頭に食べる季節食だった。
歴史
饅頭は時期は不明だが、早くに中国より伝わり、様々なバリエーションがあった。
朝鮮王朝中期の国王、英祖(18世紀前半)の文書にマンドゥの記録がある。この頃の料理書や宮廷宴会の記録には、サンファ(中国式饅頭)や、スギョイ(蒸し餃子か水餃子)、ピョンス(同)、キス(酒まんじゅう)などが記録されている。
その中でマンドゥは、元々は餡のない小麦粉生地を蒸した料理だった。後に平安道や黄海道などの北部地方で、具材をたっぷり入れた大ぶりのマンドゥが作られるようになった。
19世紀半ばになると、急増した中国人移民から新たなマンドゥがもたらされる。これらは中国人が経営する中国料理店で売られていたが、日本統治からの解放後の食糧難の時代、「プンシッチョム(粉食店)」で様々なマンドゥが売られるようになった。
種類
調理法による分類
クンマンドゥ(군만두):鉄板やフライパンで焼いたマンドゥ。皮はカリカリ、中の具材はしっとりしている。揚げるタイプもある。直訳すると「焼き餃子」だが、「揚げ餃子」に近い。トッポギの具材に入れられることも。マンドゥティギム(만두튀김)とも。
チンマンドゥ(찐만두):蒸しマンドゥ。最もポピュラーなタイプ。刻んだ野菜や豚肉、春雨を生地で包んで、蒸籠で蒸したもの。醤油や酢醤油、コチュジャンに付けて食べる。焼売のようなタイプもある。
ムルマンドゥ(물만두):茹でマンドゥ。お湯で茹でて作られ、さっぱりした食味。マンドゥクッに入れて食べられ、具材には豚肉、エビ、キムチが入れられる。皮が厚めでもっちりしたものと、皮が薄く透き通るようなものがある。チンマンドゥと同様、酢醤油でいただく。
チンパン(찐빵):蒸しパン。具のない中国式饅頭と、具の入った肉まんのようなものがある。後者には肉や甘い餡が包まれている。おやつや間食に食べられる。ほんのり甘い生地が特徴。
具材による分類
キムチマンドゥ:キムチを入れたマンドゥ。辛みと酸味が特徴。豚肉と春雨を入れるため、食感と風味のバランスがよい。
コギマンドゥ:豚肉を使ったマンドゥ。醤油やごま油で味付けされている。
マンドゥを使った料理
マンドゥクッ(만두국,만둣국):マンドゥ入りスープ。牛骨(サゴル)や鶏肉、煮干しで取った出汁に、ムルマンドゥを入れて煮込む。
冬の寒い時期に、体を温める料理として重宝される。大ぶりのマンドゥを入れたマンドゥクッは、「平安道式マンドゥクッ」として、当地の郷土料理となっている。
マンドゥチョンゴル:鍋料理。様々な具材と一緒にマンドゥを、牛肉で煮出した出汁で煮込む料理。ニンジンや玉ねぎ、キノコ、肉類が具材に使われる。
余談
マイナーな料理のためかpixivではゴッゴッゲッゴッゲッゴッゲ氏(ID=32896165)による作品しか投稿されていない。