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概要編集

戦後、アメリカの鉄道旅客輸送はどん底の状態にあった。鉄道会社が陸上交通を独占したことが問題視された歴史的経緯から、20世紀には常に国による規制のもとにあり、運賃を自由に決めることが出来なかったこと、および自動車、バス、航空機が発達したことによって、旅客輸送はもはや鉄道各社にとって重荷以外の何物でもなくなっていた。この状況を転換すべく、運用コストを大幅に削減できる画期的な列車として、ゼネラル・エレクトリック社(GE)が開発したのがこのアエロトレインである。

構造編集

1編成は先頭の流線形機関車と客車から構成されている。

機関車はアメリカでは標準的な電気式ディーゼル機関車。エンジンは従前からゼネラル・エレクトリック製の機関車に用いられていたものと同じものを使用している。客車は全長12メートル、台車は1軸式、車体はバスのものをベースとしたアルミ合金製と、軽量化に重点を置いた作りとなっている。日本の車両でいうならば、富士重工の初期のLE-Car(名鉄キハ10系など)に発想が近い。また床下に荷物室を設け、荷物車の連結を不要としている点も特徴的である。なお機関車と反対側の端は流線形の展望室となっているが、デザインは機関車とは大きく異なる。

運用編集

1956年からペンシルバニア鉄道ニューヨーク・セントラル鉄道、ユニオン・パシフィック鉄道、アッチソン・トピカ・アンド・サンタ・フェ鉄道で試験運用された。しかし機関車の出力不足のため、当初目標とされた時速180km/hの高速運転は実用上不可能であり、また勾配線区では補機が必要となることがわかる。さらに大幅な軽量化と一軸台車のため乗り心地は良くなかった。このためこれらの鉄道会社では正式導入は見送られた。

一方、シカゴ・ロックアイランド・アンド・パシフィック鉄道はこの列車の機関車だけを独自に発注し、タルゴと類似の構造の客車と組み合わせてシカゴ周辺の近郊列車に導入した。試験運用に投入された2編成の列車も同社が引き取り、1966年まで活躍した。

結局最終的な製造数は2編成+機関車1両にとどまり、旅客輸送復活の切り札となることはできなかったアエロトレインであるが、試験運用に用いられた2編成はいずれも機関車と数両の客車が保存されており、特徴的なデザインを今に伝えている。

余談名称について編集

この記事では読みをアエロトレインにしているが、一般的にはエアロトレインの読みの方で通っており、記事その物こそ出来ていないものの、wikipediaの記事にエアロトレイン (曖昧さ回避)にエアロトレイン (GM)として載っている。

但し曖昧さ回避の記事があることからわかるように、同じ名前の乗り物が複数存在しており、現在研究中の地面効果を利用して走る高速列車の他、マレーシア・クアラルンプール国際空港とワシントン・ダレス国際空港の新交通システムの名前にも使われておりややこしい。

さらにアエロトレインの方でもフランスが開発研究していたホバークラフト列車がアエロトランと言う似た名前が、メキシコ・シティ国際空港の新交通システムもアエロトレンと言う似た名前であり、やはりややこしいことこの上ない。

おまけに上記した名前はアルファベットでのスペルはほぼ全て同じである。

まあ訳すと同じ意味になるから仕方ないが・・・・・

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