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LE-Car

えるいーかー

LE-Car(エルイーカー、Light Economy-Car)は、かつて富士重工業(現・SUBARU)が製造した軽快気動車群の愛称。 発展形であるLE-DC(エルイーディーシー、Light Economy-Diesel Car)についても記述する。
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概要編集

1982年に富士重工業(現・SUBARU)が閑散線区向け車両として独自に開発したLE-Carをルーツとする。

1984年には、車体長を12mとした改良形のLE-CarIIが試作され、名鉄広見線で走行試験を行った。これが営業用車両としてのベースになる。

その後、15m級の2軸台車を使用した形に移行し、さらにより本来の鉄道車両に近づけた構造のLE-DCへと発展していった。また、これと並行して、機関出力を向上した改良型の追加や、真岡鐵道のように、地元の企業で製造された機関を搭載する車両も登場し、旅客収容力や性能は一般の気動車と遜色のないレベルに達した。

2002年に富士重工業は鉄道車両事業からの撤退を発表し、これらの技術は新潟トランシス日本車輌製造に譲渡された。


LE-Car IIシリーズ編集

2軸車編集

エンジンはバス用、出力180PS/2200rpmの日産ディーゼル製PE6Hディーゼルエンジンを搭載し、台車は一軸台車を2つ履き、一方を駆動台車、もう一方を付随台車とする。

LE-CarIIの営業用第一号。のちに2両をくりはら田園鉄道へ譲渡(KD10形)。路線廃止・会社解散により廃車。KD11は若柳駅跡のくりでんミュージアムで動態保存され、KD12は検修庫内でシミュレータとして活用。

  • 樽見鉄道ハイモ180-100形、ハイモ180-200形(1984年)

第3セクター鉄道としては初のLE-Car II。1985年ローレル賞受賞。のち1両を有田鉄道へ譲渡(形式変更なし)、2003年に路線廃止により廃車となったが、有田川町鉄道公園で動態保存中。他の2両も樽見鉄道の沿線と新潟トランシスでそれぞれ保存されている。

のち2両を紀州鉄道へ譲渡(キテツ1形)。

電車を代替するため、エンジンは日産ディーゼルPE6HTに変更され、出力230PS/1900rpm。しかし積み残しや線路の錆が取れずに軌道回路を作れなく、踏切が動作しないトラブルなどが生じたため、再度電車へ代替された。


ボギー車編集

エンジンは日産ディーゼルPE6HTに変更され、出力230PS/1900rpm。

アケチ1形/6形とナガラ1形を除いて、いずれもミャンマー国鉄へ譲渡。

  • 名古屋鉄道キハ20形(1987年)

車体構造は同社キハ10形に類似する。ミャンマー国鉄へ譲渡。

  • いすみ鉄道いすみ100形→いすみ200形→いすみ200'形(1987年)

一部はミャンマー国鉄へ譲渡

ミャンマー国鉄へ譲渡。


LE-DCシリーズ編集

1987年から製造されているもので、車体工法がバス車両工法から軽量鉄道車両工法に変更された。これによりLE-Carに比べて屋根が深くなっている。

エンジンは従来と同じ日産ディーゼルPE6HTであるが、出力は250PS/1900rpmに向上された。

1998年の明知鉄道アケチ10形以降はエンジンが日産ディーゼルPF6HTとなり出力が295PS/2100rpmに向上。

LE-DCの採用第一号。車体外観は屋根上部以外、15m前面貫通形LE-Carに準じる。のち1両を紀州鉄道へ譲渡(KR205形)。

NT100形は前面貫通形。NT800形は急行のと恋路号用で、台車・エンジンなどは標準仕様だが、車体は前面展望構造、片運転台の特殊仕様である。NT100形のほとんどはミャンマー国鉄へ譲渡。

  • 宮福鉄道(→北近畿タンゴ鉄道→京都丹後鉄道)MF100形・MF200形(1988年)

独自のレトロ調デザインで前照灯・尾灯や屋根の形状が他車と異なる。エンジンは新潟鐵工所製。

  • わたらせ渓谷鐵道わ89-300形、わ89-310形(1989年)
  • 平成筑豊鉄道100形・200形・300形(1989年)

200・300形は車体長18m。一部はミャンマー国鉄へ譲渡。

  • 甘木鉄道AR200形(1992年)

特殊構造ののと鉄道NT800形を除き、LE-DC唯一の非貫通形。ミャンマー国鉄へ譲渡。

  • 長良川鉄道ナガラ200形(1994年)
  • くりはら田園鉄道KD95形(1994年)

路線廃止・会社解散により全車廃車。うち2両が動態保存され、1両は検修庫で静態保存。

  • 名古屋鉄道キハ30形(1995年)
  • 側面は引き戸を3か所に設置。ミャンマー国鉄へ譲渡。

信楽高原鐵道SKR300形(1995年)

  • 紀州鉄道に譲渡(KR301形)。

1998年以降編集

すべて前面貫通形、パノラミックウインドウ、側面引き戸、上段固定下段上昇窓、エンジン出力295PS/2100rpm。

  • 明知鉄道アケチ10形(1998年)
  • 三木鉄道ミキ300形(1998年)

廃線・会社解散に伴い、全車樽見鉄道、北条鉄道、ひたちなか海浜鉄道にそれぞれ譲渡。

(樽見鉄道ハイモ295-610形、北条鉄道フラワ2000形、ひたちなか海浜鉄道ミキ300-103形)

  • 樽見鉄道ハイモ295-310形(1999年)
  • 信楽高原鐵道SKR310形(2001年)
  • 甘木鉄道AR300形(AR301 - AR303)・AR400形(2001年)
  • 長良川鉄道ナガラ300形(1998年)

富士重工業撤退後編集

富士重工業が鉄道車両製造から撤退した後、技術は新潟トランシスに譲渡されたため、LE-DCとほぼ同じ形態の車両が同社で製造されている。

  • 甘木鉄道AR300形(AR304 - AR307)(2004年)
  • 樽見鉄道ハイモ295-510形(2005年)
  • 長良川鉄道ナガラ500形(2007年)

LE-DCを基にした普通気動車編集

  • 北近畿タンゴ鉄道(→京都丹後鉄道)KTR700形・KTR800形
  • 智頭急行HOT3500形
  • 伊勢鉄道イセIII形 ※101のみ。以後は新潟トランシスで製造
  • 真岡鐵道モオカ14形 ※モオカ14-1・2のみ。以後は日本車輌製造で製造

関連項目編集

NDCシリーズ・・・新潟鐵工所(現:新潟トランシス)が製造するローカル向け気動車。

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