概要
『BLゲームの主人公の弟であることに気がつきました』は、花果唯による日本の小説作品。
略称は「BL主弟」「BLゲーム主弟」等。
小説投稿サイト「小説家になろう」で2015年5月よりweb連載され、後に角川ビーズログ文庫アリスより書籍化。キャラクターデザインはしヴぇが担当した。
現在、ビーズログコミックにて加奈によるコミカライズが連載されている。
2023年12月にコミカライズ版がボイスコミック化した。
本作は発表媒体によって展開やエンディングが異なる。
大きく分けてweb連載版は男女ルートとBLルートがあり、文庫版とコミカライズ版はBLルートに限定している。(後述)
また、本作の大きな特徴はゲーム設定を生かしたマルチエンディングである。
2015年5月に連載を開始し、同年8月にノーマルエンドが完結。その後各キャラ全ての攻略ルートが開放された。
2017年3月の深雪ルート完結で一通りのエンドを回収。以降は各エンド後のエピソードや隠しルート・特殊ルート等で現在も更新が続いている。
あらすじ
天地央(あまちあきら)は華四季園学園に通う高校一年生。とあるきっかけから前世の記憶が蘇り、自分が今生きているこの世界が、前世でプレイしていたBLゲームの「その後の世界」であることを知る。そしてゲームの主人公は、央が敬愛する兄・天地真だった。
大好きだったゲームのエンディングの先を「主人公の弟」というベストポジションで堪能しながら、央はふと気付く。
ゲームでは四人の攻略キャラがいて、兄はその中の一人と結ばれた。失恋した他の三人は今どうしているのだろうか……。
彼らのアフターストーリーを拝みたい!
央は邪な心で三人に近付くことを決める……それが全ての始まりだった。
「Flowering Season―黒き薔薇の学び舎―」
央が前世でプレイしたゲーム。18禁。
私立の共学校「華四季園学園(かしきそのがくえん)」を舞台にボーイズラブが繰り広げられる。
主人公は天地真。
攻略キャラが四人おり、それぞれに「春」「夏」「秋」「冬」の一字が入っている。
R指定がついているが割と青春モノで、行為自体は激しいものの、犯罪紛いなものは一部のバッドエンドルートのみ。
BLゲームがやりたいならまずこれ、という入門編的な人気作。
登場人物
CVはボイスコミック。
天地央(CV:佐藤元)
本作の主人公。明るい茶髪に整った顔立ち、人懐っこい性格の高校一年生。
ブラコンを自称するほど兄のことが大好き。最近前世の記憶を思い出した。
前世については腐女子関連の知識以外はほとんど覚えておらず、名前等のプロフィールも不明。
そのため元腐女子ではあるが身体は男性として生きてきた感覚の方が強い。
自分自身でBLをするつもりはない。
「Flowering Season」(以下FS)には登場しない。
天地真(CV:田丸篤志)
FSの主人公。高校三年生。
成績優秀、スポーツ万能のイケメンで異性からの人気も高い。
穏やかで優しくしっかり者。
不在がちの両親に代わって弟の央の面倒をよく見ている。
櫻井春樹(CV:深町寿成)
FSの攻略キャラ。真と結ばれている。真と同じクラスの高校三年生。真と央の幼馴染。
黒の短髪にきりっとした蒼目の頼もしい兄貴分。
スポーツマンでバスケ部のエース。央を弟のように可愛がっている。
楓秋人(CV:天﨑滉平)
FSの攻略キャラ。高校一年生で真と同じテニス部。
柔らかそうな金髪にぱっちりした紅眼、天使のような愛らしい容姿の美少年。
ツンデレだが距離は近い。央のクラスメイトで、常に央と一緒にいる。
柊冬眞(CV:笠間淳)
FSの攻略キャラ。華四季園学園の用務員。
明るいオレンジ色の髪に白いタオルを巻き、作業服を着ている。
長い前髪で顔を隠しているが実は壮絶な美形。
言葉責めが得意。PTAを決して恐れない。
青桐夏希
FSの攻略キャラ。華四季園学園の生徒会長。
真っ赤な髪の俺様キャラ。全校生徒をほぼ掌握している。
歯向かう者は実力でねじ伏せるタイプ。ノンデリ。
青桐夏緋
夏希の弟。高校二年生。FSには未登場。
海のような青い髪。長い前髪を片側に流し、片目が少し隠れている。
最近留学先から戻ってきて華四季園学園に編入した。
クールな一匹狼風だが友人は多い。
櫻井雛(CV:白砂沙帆)
春樹の妹。高校一年生。真と央の幼馴染。
綺麗な黒髪の美少女でとても人気がある。
素直な性格で、人当たりが良く優しい。央のことが好き。
野兎愛美(CV:拝師みほ)
央のクラスメイト。高校一年生。
色白の肌に綺麗な銀髪、赤い瞳なので央には「白兎さん」と呼ばれている。
何故か央に敵意を向けよく睨んでいる。そして何故か体を過剰に鍛えている。
佐々木風子
雛の友人。高校一年生。雛と同じクラス。
藤色の髪に琥珀色の瞳の、大人びた雰囲気の少女。
何故かBLに詳しく、恋敵の多い雛から頼りにされている。
野兎深雪
愛美の弟。中学三年生。FSには未登場。
綺麗な銀髪とガーネットのような赤い瞳の儚げな美少年。
体があまり丈夫ではないため学校を休みがち。繊細だが意思は強い。
姉のことをとても大切に思っている。
桃髪ツインテ女子
桃色の髪をツインテールに束ねた可愛らしい女の子。高校一年生。央とは別のクラス。
央のことが好きで、央に親し気に話しかけられる愛美に嫉妬し敵愾心を抱いている。
基本的に愛美ルートに登場するが、BLルートのコミカライズにも数コマ登場している。
書誌情報(既刊一覧)
文庫(ビーズログ文庫アリス)
BLゲームの主人公の弟であることに気がつきました
2017年5月15日発売
【特典】
アニメイト:今日も腐っていますin生徒会室(登場キャラ:会長・夏緋)
応援書店:今日も腐っていますin用務員室(登場キャラ:柊・楓)
BLゲームの主人公の弟であることに気がつきました 2
2024年3月15日発売
【特典】
アニメイト:卒業後の暮らし(夏緋)
メロンブックス/フロマージュブックス:卒業後の暮らし(楓)
中央書店(コミコミスタジオ):卒業後の暮らし(柊)
電子書籍:卒業後の暮らし(会長)
コミカライズ(B's-LOG COMICS)
BLゲームの主人公の弟であることに気がつきました 1
2021年12月28日発売
【特典】
アニメイト:描きおろし4Pリーフレット「僕は村人A」
とらのあな:スチル風描きおろしペーパー
BLゲームの主人公の弟であることに気がつきました 2
2022年12月27日発売
【特典】
アニメイト:描き下ろし4Pリーフレット(RPGパロ)
とらのあな:描き下ろし4コマ漫画(央・会長・夏緋)
BLゲームの主人公の弟であることに気がつきました 3
2024年3月1日発売
【特典】
アニメイト:描きおろし4Pリーフレット(文化祭)
とらのあな:描き下ろし4コマ漫画(央・楓・夏緋)
各ルートについて
本作には佐々木風子以外の全てのメインキャラと央との成就エンディングがある。
BLゲーム設定なので、BLルートはシナリオ踏襲、女子ルートはイレギュラー展開という位置付け。
- web原作版 BLルートと女子ルート
- 文庫版 BLルート
- コミカライズ版 BLルート
文庫版はメイン攻略キャラ(楓・柊・会長・夏緋)のマルチBLエンド。
コミカライズ版もメイン攻略キャラの全てのエンドが描かれることが決定した。
またweb原作版、文庫版、コミカライズ版は共にBLルートがあるが展開やエピソードは少しずつ違う部分があり、それぞれ独立している。
ルート詳細
以下はweb原作版のエンドであり、文庫版・コミカライズ版では展開や分岐条件が一部異なる。
BLルート
攻略キャラは楓、柊、会長、夏緋、深雪、真、春樹。
- 楓エンド
本編「第十九話 最終分岐点」から分岐する。
- 柊エンド
本編「第十九話 最終分岐点」の時点では柊の好感度が足りないため、
「第十話 混戦」の翌日まで遡ってから分岐する。
- 会長エンド
青桐兄弟はどちらか片方とのみフラグが立つ。
本編では弟の夏緋を最終候補に選択しているので、「第九話 赤と青②」まで遡ってから分岐する。
(会長と夏緋が分かれる際にどちらについて行くかが分岐点)
- 夏緋エンド
本編「第十九話 最終分岐点」から分岐する。
- 深雪エンド
本編「第十九話 最終分岐点」で誰も選ばず、白兎ルートに進んだ後分岐する。
- 真エンド(隠しルート)
通常攻略対象者を全て攻略すると発生するルート。
本編「第十一話 嵐」で兄を選択する。
「こういう内容のエンドらしい」という劇中劇的な扱いで書かれている。
- 春樹エンド(略奪ルート)
通常攻略対象者を全て攻略すると発生するルート。
本編「第十一話 嵐」で春樹を選択する。
「こういう内容のエンドらしい」という劇中劇的な扱いで書かれている。
女子ルート
攻略キャラは雛、愛美。
文庫版とコミカライズ版では女子ルートのエピソード(「第六話 女の子もいるんだよ」「第十六話 姉兎と弟兎」等)を省略またはカットしている。
- 雛ルート
本編「第十九話 最終分岐点」から最終話に進む。
- 白兎(愛美)ルート
「第十九話 最終分岐点」で誰も選ばない。
関連リンク
pixivコミック「BLゲームの主人公の弟であることに気がつきました」
ニコニコ漫画「BLゲームの主人公の弟であることに気がつきました」