概要
ゲーム内容を簡潔に言うと、徒手空拳で戦うロックマンXまたはロックマンゼロ。
開発者によると、ロックマンシリーズから多くのインスピレーションを与えられているが、戦闘面に関しては様々な格闘ゲーム、他にも多くのアクションゲームからヒントを得て制作されている。
ドットによるレトロ調なデザイン、スピーディかつ迫力のあるアクション、攻略における移動手段の自由度の高さが特徴である。
ゲーム上での支障はないが、国外で開発されたインディーゲーム故か日本語でのプレイには独特な言い回しが多数見られる。
あらすじ
数十年前…
とある発掘現場で、不思議な構造物が見つかった。
名前はアークと名付けられたものの、その用途と起源は謎のままだった。
だがその発見からすぐ後、恐ろしい勢力が姿を現したのだ…
ウイルス軍―無慈悲なロボットの大軍が我々の街を襲った。
数で劣り、武器を持たぬ我々は、破壊を続ける奴らの進軍を止められなかった。
しかし、我々には9人の守護者がいた。ガーディアン部隊だ。
サーキットの力を使い、彼らは侵略者と戦った。
長く続く戦争により、多くのものが破壊された…
最期に残ったのは、1人の守護者だけだった。
しかし、我々の街と同様、彼も大きな傷を負っていた。
我々は、感謝の意を示すため、彼の修理を試みた。
だが奮闘むなしく、それ以来、彼が意識を取り戻すことはなかった…
それから数十年後の現在…再びウイルス軍が現れた!
今の我々ではただ奇跡を祈ることしかできない…
ゲームシステム
- 新しくゲームを開始する際に、イージー・ノーマル・ハードから難易度を選択。周回するまでは変更できない。
- ゲームをクリアすると、バーストエナジーが足りない場合でも体力を消費してバーストスキルを発動出来る「サーキットモード」が解放される。またゲームをクリアしたデータはロード時に、入手したアイテムを引き継いだ上でゲームをやり直す「ニューゲーム+」を選択出来るようになる。
- 基本的な攻撃手段はスティックの入力で変化する格闘による近接攻撃と少し離れた所まで届くフックショット。
- フックショットは攻撃以外にも離れた場所にあるアイテムの回収や、長押しする事で天井に当ててぶら下がる、倒したザコ敵や一部のオブジェクトを掴む等に利用できる。掴んだ物は長押しを解除すると投げる事が出来る。強力な攻撃手段になるが掴んでいる間は一部のアクションが使用できなくなる。
- 敵を倒したりステージ中にあるアイテムボックスを壊すことで、チップとバーストエネルギーを集めることが出来る。
- チップは主にプレイヤーキャラの強化アイテムの購入に使用する。
- バーストエネルギー体力の横に%で表示されており、100%まで貯めるとバーストスキルを1回分使用できるようになる。
- 体力が0になるとスタート地点、またはステージの道中にあるチェックポイントから再開となる。残機制ではなく、何度でもコンティニュー可能。
- チェックポイントではチップを消費して体力とエネルギーを満タンにすることが出来る。ステージ中は回数を重ねるごとに料金が増えていく。
- オープニングステージクリア後、8つのステージが登場する(所謂8大ボス)。各ステージに市民8人、ライフアップかエネルギーアップのどちらか1つ、パレットチップ1つが配置されている。
- プレイヤーキャラの強化手段は複数ある。詳細は以下の通り。
・ライフアップ&エネルギーアップ
体力・バーストエネルギーの最大値が増える。
8つのステージ内にどちらか片方が1つ、全部で4つずつ配置されており、取得と同時に効果が現れる。
・ブースターチップ
3つまで同時に装着可能で、装着することで移動能力の向上やダメージの軽減等の様々な効果を得る事が出来る。
本部にいるナースより購入可能で、購入にはチップの他にトークンが必要になる。
トークンは各ステージに配置されている市民を救助することで入手できる。
・バーストスキル
貯めたバーストエネルギーを消費することで使用できる、言わば必殺技。
同時に4種類までセットする事が可能であり、未入力・上・下・左右のスティック入力に対応したスキルを発動できる。
本部にいるネガにチップを支払う事で伝授してもらえる。
スキルの種類は8ボスを倒すごとに増えていく。
・カラーチェンジ
Ver.1.1.0aより追加。
プレイヤーキャラのカラーを変更する事で、各色毎の特殊能力を使用することが出来る。
各色毎のパレットチップを入手後、本部にいるプリムにチップを支払う事で変更することが出来る。
ゲーム内用語
- サーキット
ガーディアン部隊を率いていた9人の守護者の頭に付いている角のようなもの。
守護者達のこと自体を指す呼称としても使われており、ゲーム内で8ボス達は「反乱サーキット」と呼ばれている。
反乱サーキット討伐後に回収されるサーキットはガーディアン部隊本部に保管されているが、保管するための設備は最初のウィルス軍の出現よりも以前から用意されている。
- ガーディアン部隊
サーキット達によって作られた今作の味方部隊。
いつ創立されたのかは不明だが、ウイルス軍の最初の襲撃よりかなり前から存在しているようである。
ゲーム開始時点でサーキット達はグラビティ・サーキットを除いて全員がウイルス軍側についており、彼以外ではウイルス軍にまともに太刀打ちできる者がいないので、ゲーム中での役割は専ら後方支援に留まっている。
- ウイルス軍
過去に突然現れ、その物量でサーキット達を含む多くのロボット達に甚大な被害を出した今作の敵軍。
かつては統率がとれていなかったが、現在は反乱サーキット達が率いるようになったことで組織的な動きが出来るより強力な軍団となっている。
ガーディアン部隊も彼らが何故破壊活動を行うのかは把握出来ていない。
キャラクター
味方
- カイ(グラビティ・サーキット)
9人の守護者達の中で唯一ガーディアン部隊に残った、徒手空拳とフックショットを駆使して戦う今作の主人公。
戦後数十年間動くことはなかったが、ウイルス軍の再来に呼応するように活動を再開し、ガーディアン部隊本部へのウイルス軍の襲撃に駆け付けた事で部隊と合流する事になる。
かつての仲間だった反乱サーキット達の事は覚えているが、それ以外のほとんどの記憶を失っている。
頼まれたら断れないタイプで、ウイルス軍に襲われる人々を積極的に助けつつも、反乱サーキット達と戦う事に胸を痛める様子を見せるなど、ヒーローらしい優しさを持つ。
- ネガ
顔のバイザーと手以外をすっぽりとマントで覆っている怪しい風貌のロボットで、本人曰く各地を旅しているとのこと。
オープニングステージ道中でウイルス軍からカイに救ってもらったお礼にバーストスキルを譲ってくれる。
反乱サーキット達とは面識があるようで、各ステージクリア後に話しかけるとそのサーキットについて話をしてくれる。
バーストスキルを教えてくれるが、その際に支払った代金は何かのパーツを買う資金に充てているらしい。
- カーネル
ガーディアン部隊の司令官ロボットで、ステージセレクトを担当している。
オープニングステージ終盤、反乱サーキットのケーブルに襲われていたが、カイが駆けつけた為に事なきを得る。
組織をまとめる立場として懸命に活動しており、部下たちからも慕われているのだが、ステージ攻略前後に毎回間の抜けた発言をしてカイを呆れさせていたり、本部内の一部のロボット達からは若干馬鹿にされているなど微妙に頼りない面がある。
ゲームを進めていくと徐々に調子を崩していく。
- ナース
ガーディアン部隊の医療スタッフの女性ロボット。
オープニングステージ冒頭でウイルス軍に襲われている所をカイに救われる。
本部内でカイと再会した時にはお礼を言いつつも、治療に使用していたチャンバーをぶち破って出て行った事を咎めている。
各ステージに取り残されている市民の救助をカイに依頼し、その引き換えにブースターチップを売ってくれる。
- パトロール
カーネルと一緒に司令室に常駐しているロボットで、パットと呼ばれている。
自称カイの一番のファンであり、カイの事はマスター・カイと呼ぶ程尊敬しているが、尊敬のあまりに誇張した評判を流してしまっているらしい。
調子を崩すカーネルを気遣いつつ、その事を周囲に隠しながら職務を全うしようとする彼を支える姿勢を見せる。
彼に話しかける事で実績の確認が出来るが、実績の達成には流した評判を真実にして欲しいという意味もこもっている模様。
- プリム
Ver.1.1.0aより追加されたキャラクターで、絵を描くことを生業にしている女性ロボット。
以前は発電所で業務用の看板の塗装をしていたようだが、ウイルス軍の襲撃の為に本部に避難している。
近くにいるネガについて、彼がマントでその身を隠したがっていることを見抜いている。
パレットチップを入手する事で、彼女にカイの色を塗り替えてもらう事が出来る。
- アルファ
ガーディアン部隊のデータを管理しているロボット。
初対面の際は数々の情報を読み取る事でやっとカイの事を認識した為に彼から呆れられている。
ウイルス軍の襲撃によって破壊されたデータの修繕をしているが、電力がいらない事と手に持った感触が良いという理由でコンピューターではなく紙の本に記録している。
敵を倒した際に入手出来るデータチップを取得した後、彼にそのデータの研究を依頼する事でその敵の図鑑を見られるようになる。
最も、彼の主観に基づいたコメントが添えられているだけで攻略の役には立たない、所謂お遊び要素であるが。
敵
反乱サーキットと呼ばれる各ステージにいるボス達。
全員共通して体力ゲージが2本分表示されており、半分以下までダメージを与えると強制ダウンし、復帰後にバーストスキルを使用してくる。
ここでは通常プレイのノーマルモードを基準にしているが、難易度やゲーム開始時の設定により一部行動パターンが変化する。
- レイ(オプティック・サーキット)
製鋼所ステージのボス。
非常に時間にうるさく、対面した時も開口一番にカイが自分の所までたどり着くまでに掛かった時間を気にした発言をする。
ガーディアン部隊にいた頃はサーキット達のリーダーになりたかったらしいが、短気なために全員から反対されていたとのこと。
それでも彼が指揮する建設作業は常に時間通りに進められていた点は高く評価されていたようである。
戦闘では両肩に備えた砲門のレーザーや火炎弾、手からの火炎放射を使用してくる。
バーストスキルは『バーニングレーザー』。
両肩の砲門から画面を埋め尽くす程のレーザーを2回撃ってくる。撃つ際に背中を向けている方向の壁際が安全地帯になる。
- トレイス(パッチ・サーキット)
廃品置き場ステージのボス。女性。
スクラップから兵士を生み出して独自の軍隊を築こうとしている。
かつては怪我人の治療を担当していたのだが、建設関係での野望を持っており、そちらの仕事で忙しさで彼女が怪我人の相手をしなくなったために、ガーディアン部隊本部には独自の医務室があるといった経緯があるらしい。
戦闘では複数のナイフを扇状に飛ばしたり、カイの動きを封じる薬品の入った瓶を投げてくる。
バーストスキルは『リアニメイトマター』。
上空から大量のスクラップを降り注がせてくる。また、このスキルの使用以降は戦闘中に雑魚敵を生成するようになる。
- ブレイド(クーラー・サーキット)
山岳地帯ステージのボス。
背中にプロペラを備えており、それを使用して常に上空を飛んでいる。
ガーディアン部隊時代はパトロールロボット部隊の隊長だったが、恨みっぽい性格で、自分に非がある場合でも誰これ構わず敵に回していたらしく、その事もあって常に空を飛んでいるようである。
とはいえ仲間想いな面もあったようで、彼の助けが必要な時はギリギリのタイミングではあるが必ず駆け付けてくれたらしい。
戦闘中も常に宙に浮いており、上空から氷弾を飛ばす、高速で突進する、竜巻を起こして吹き飛ばす等の攻撃をしてくる。
氷弾に当たると凍結してしまい、その状態になると上空から急降下して追撃してくる。
バーストスキルは『フリージングサイクル』。
ステージ中央で自分を中心に竜巻を発生させ、広範囲を移動して攻撃してくる。竜巻を出した際に背中を向けている側のステージ端が安全地帯になり、その反対側も足場から降りて足場沿いの壁に張り付くことで回避出来る。
撃破後、かつてカイの事を信用せずに起こした何かを悔いる発言をしている。
- ケーブル(パワー・サーキット)
発電所ステージのボス。オープニングステージでも顔見せで登場している。
ガーディアン部隊への電力供給を経つ為に発電設備を破壊しようとしている。
他のサーキットと比べても特に刺々しい姿勢が目立ち、かつても他人とは距離を置いて何事も一人でこなそうとしていたらしい。
戦闘では飛び跳ねて接近して殴りかかってきたり、電気弾を飛ばしてくる。また、天井からレーザーを照射してくる事があり、電気弾やレーザーが当たった地面は少しの間帯電し、この間に触れてもダメージを受ける。
バーストスキルは『ライトニングネットワーク』。
天井からのレーザーを連続で照射してくる。
- ビット(シフト・サーキット)
幹線道路ステージのボス。
足にローラーが付いており、見た目通り高速での戦闘を得意としている。
好戦的な性格で、登場時に味方のヘリを撃墜したり、他のサーキットと異なり任務よりもカイとの対決を優先させるような言動をしている。
かつても自分のライバルになりえる相手を求めて、他者といつも競い合っていたらしい。
子供には優しかったようで、本部に避難してくる子供と昔にカイと共にボール遊びの相手をしていたようで、手加減もしていたようである。
その子供曰く、トレイスとはとても仲が良かったらしい。
戦闘では高速での突進や、真空刃を飛ばして攻撃をしてくる。
バーストスキルは『スクリーンディバイダー』。
あらゆる方向から高速での突進を連続で繰り出してくる。
- メドレー(ウェーブ・サーキット)
市街地ステージのボス。女性。
非常に陽気なサーキットで、言動にも他者を元気づけようとするような気配りが見られる。
ガーディアン部隊への挑発も兼ねてではあるが、街中にスピーカーを設置して大音量で自分の歌を流している。
アイドル的な存在でもあるらしく、彼女との戦闘では大勢の観客がいる。
カーネルも彼女のファンであり、スピーカーを撤去する事に若干残念そうにしている。
ガーディアン部隊時代も仕事そっちのけでショーを開いていたようだが、持ち前の陽気さもあり彼女の事を咎める者いなかったらしい。
戦闘では音符型の弾を飛す、スピーカーを出現させる、音波をウェーブ状に地面を這わせる、回転しながらステージ中を移動する等、アイドルらしい戦い方する。
また、彼女と戦闘するステージの地面はバネになっている部分があり、一部の攻撃はそのバネの影響を受ける。
バーストスキルは『オーラルオーバーロード』。
ステージの中央に飛んだ後、少し離れた両側にスピーカーを縦に並べて出現させ、その後着地と同時に二回連続でウェーブを撃ちだしてくる。
戦闘前は場を白けさせるとカイの態度に苦言を漏らしていたが、撃破後は自分のパフォーマンスが気晴らしになっていればと、カイを気遣う発言をしながら爆発していく。
- クラッシュ(ブレイク・サーキット)
鉱山ステージのボス。
サーキット達の中では体格が最も大きく、カイの倍程の巨体の持ち主。
穏やかな性格の持ち主で他人とも直ぐに仲良くなれるタイプだが、その見た目故に仲裁役に回ることも多かったらしい。
本人は乱暴は嫌っていたが、力に任せたやり方も必要な時があると割り切ってはいたようで、カイとの戦闘が始まる前の会話でもその様子が見られる。
戦闘では腕に付いている巨大なドリルの他、天井からの落石を利用して攻撃してくる。
鈍重そうな見た目に反し、大きく跳躍したり、カイのフックショットのようにドリルを飛ばして壁に突き刺して移動する等、意外と機動力もある。
バーストスキルは『デストラクティブコンプレッション』。
天井に潜り、巨大な岩を大量に降らせ続けてくる。落ちてきた岩は攻撃する事で破壊可能であり、隙間を縫いつつ岩を破壊して躱す事になる。
撃破後には意味深にカイのボディの心配をしながら爆発していく。
- ハッシュ(サイファー・サーキット)
倉庫区画ステージのボス。彼のサーキットだけは形が左右非対称になっている。
倉庫内にサイバースペースを作り出し、その中からコンピューターシステムへのハッキングを繰り返している。
ステージ内の一部のギミックでミスをすると彼のホログラムが現れてこちらを嘲笑ってくる等、ひねくれ者な面が多々見られる。
かつてはデータ管理を担当していたが、ガーディアン部隊創立以前のデータは職員達にも秘匿していたようである。
また他人からは障害物競走と形容されるような非生産的な計画を練り続けていて、それをクリアする者が現れると気に入らなかったためか大騒ぎしていたらしい。
戦闘では分身を生み出しつつ、エネルギー弾を様々な方法で撃ちだして攻撃してくる。
バーストスキルは『パターンリフレクション』。
枠で表示された一部以外の画面全体への攻撃を3回繰り返す。攻撃範囲はパターンがあり、最初の攻撃で次の攻撃範囲も予測することが出来る。
撃破後、緊急時の計画がある事を示唆して爆発する。