ゲーム概要
『マリシアス(MALICIOUS)』とは、株式会社アルヴィオンが開発した、PS3対応の配信用タイトル。
2010年10月27日に発売された3Dアクションゲームである。
「malicious」とは英語で「悪意のある」という意味の形容詞。
PlayStationNetworkでのダウンロード専売タイトルであり、800円という低価格ながら、練りこまれたシステム、重厚なバックストーリー、ステージにマッチしたBGM、独特の幻想的なビジュアルが魅力の作品である。
2012年11月22日に続編である「再誕編」を加えたPSvita用タイトル『MALICIOUS REBIRTH』が発売された
2017年2月10日にはPS4で、過去作の全て内容に加え、"終焉編"が追加された完結編『MALICIOUS FALLEN』が配信された。また、従来よりキャラモデリングが変わっている。
今の所PSプラットフォームでしか展開されていない為、一部ファンからはSteam、任天堂機、Microsoft機等にも移植及び続編のリリースが期待されている。
AppStoreにて、デジタルノベル+設定資料+サウンドトラックが配信中。価格は350円。
LINE STORE ではゆるい絵柄のスタンプ(第1弾・第2弾・第3弾)が販売されている。
ゲームシステム
討伐者と呼ばれるプレイヤーは、「魂の器」と呼ばれる人の形を模した分身を操り、自在に形を変えるマント状の武器・灰の外套を駆使してステージ内に鎮座するボス「力の保持者」を撃破していく。
特徴としてステージ開始時からボスと対峙するという形を取っており、ステージを踏破してボスへ辿り着くという既存のアクションゲーム的な過程は一切ない。
ステージをクリアするとボスが保有していた能力を扱うことが出来るようになる反面、残るステージのボスが手強くなっていくという仕様があり、どのステージから攻略していくかという戦略も必要となる。
ステージ内に湧く雑魚敵を倒したり、敵の攻撃を寸前でガードするなどの行動で「オーラ」が溜まり、攻撃力の底上げ、「魂の器」自体のパワーアップや回復に利用できる。
一定以上のダメージを受けると「魂の器」の身体各所が破損していく。プレイヤーにはHPゲージが表示されないため、「器」の状態を確認しながら戦闘を行わなければならない。
欠損順は「片腕→片足→もう片足→腹」の順であり、この状態で攻撃を食らうと思いっきり回転しながら四散し、ミス扱いとなる。
オーラを消費して回復することで破損した身体は修復されるが、破れた服はそのままになる。……何が言いたいかはお察しください。
時間制限もあり、30分を過ぎると魂の器を維持できずに消滅しミス扱いとなるので注意しよう。
灰の外套
「魂の器」に装備された黒い布状の武器。
ゲーム開始当初は能力を完全に発揮できず、初期に使える形態は2つのみ。
「力の保持者」である5体のボスを倒すことで、各ボスが使用していた武器や能力を取り込み、使用できるようになる。
◆ 魔弾
ゲーム開始時から使用できる遠距離攻撃。灰の外套からオーラの弾丸を撃ち出す。
威力は小さいが追尾能力があり、複数の標的を同時にロックオンすることも可能。小型の敵を一掃するのに効果的。
形態はオーソドックスなマント状。
◆ 拳
灰の外套を二本の腕状に変化させ、多彩な拳打を繰り出す能力。
ゲーム開始時から使用できる能力だが、当初は不完全形態であるため
一部のコンボや攻撃が使用できない。
力の保持者・フィストゴーレムを倒すことで能力を完全に発揮することができる。
形態は四本指の巨大な双腕。
◆ 槍
灰の外套を鋭利な槍に変化させ、強力な突進攻撃を繰り出す能力。
力の保持者・ブックハウンドを倒すことで使用可能となる。
ヘビーアタック版では足に槍を形成して長距離を移動する突進を行う。
形態は左腕に灰の外套が螺旋状に巻きついた槍。
◆ 翼
灰の外套を一対の翼に変化させ、空中を自在に飛行する能力。
力の保持者・王国騎士団長を倒すことで使用可能。
攻撃能力はないが、ジャンプ回数の増加、滞空能力の追加など、
機動力が大幅に強化される。待機形態は存在しない。
◆ 盾
灰の外套を堅固な盾に変化させる能力。
力の保持者・シールドゴーレムを倒すことで使用可能。
通常のガードでは防げなかった攻撃もガード可能になる他、攻撃を防いだ瞬間に
コマンドを入力することで周囲の敵を弾き飛ばすこともできる。
翼同様に待機形態は存在しない。
◆ 剣
灰の外套を巨大な両刃剣に変化させ、強烈な斬撃を繰り出す能力。
力の保持者・狂王を倒すことで使用可能。
単発での攻撃速度は遅いが、コンボに組み込むことで素早い攻撃も可能になる。
形態は柄尻が鎖のように伸びた巨大な両刃剣。
不使用時は襟元が剣の鍔状になったマントの形を取る。
ストーリー
人々の悪意が寄り集まることで降臨する災厄・マリシアスを倒す討伐者として、預言者に召喚された主人公。
マリシアスに対抗する手段として与えられた「魂の器」と「灰の外套」は、力が分散していてその真価を発揮できないという。
器と外套を完全な状態にするため、主人公はかつてマリシアス討伐を果たしながらも力の返還を拒み続けているという「力の保持者」たちを倒すこととなる。
- 余談
公式サイトの項目「SPECIAL」にて作品の前日譚である外伝小説を閲覧できる。
作中で対峙する「力の保持者」にまつわるバックストーリーであり、より作品を楽しむことができるため、プレイの前後を問わず是非一読することをお勧めする。
ソフトウェアのアップデートを行えばゲームメニュー内にも追加されるので、そちらで閲覧することも可能。
登場キャラクター
悲壮感の漂うバックストーリーと重厚なキャラクターデザインがどことなく哀愁を漂わせる一方、ファンキットの大半はゆるめでノリの軽いSDキャラにアレンジされており、本作の清涼剤となっている。
◆ 魂の器
災厄「マリシアス」を討伐するため、預言者たちが数秘術の秘奥をもって造り上げた、浮遊する人型の器。
薄青色の髪と瞳を持ち、足元には魔法陣のような図形が浮かび上がっている。基本的な移動は滑走で、ステージ内を駆け回るだけでも爽快感がある。
器を制御するためには人間の精神を宿らせる必要があり、プレイヤーである討伐者はそのために召喚されたという設定になっている。ゲーム開始時に男性型・女性型のいずれかを選択可能。
本編中では語られないが、男性型にはヴァレリア、女性型にはエーリカという名前が設定されている。外伝小説を読んでみると……。
◆ 預言者
白いローブをまとった老人の姿を取る存在。
災厄・マリシアスの討伐を目的としており、マリシアスが出現する度に、討伐に必要な「力」を人間に与え、討伐完了後に力を返還させるという行動を続けてきた。
前代のマリシアスと戦った者たちが力の返還を拒んだため、数秘術を用いて「魂の器」を作り出し、器の制御者としてプレイヤー・討伐者を召喚、異形と化した「力の保持者」たちの打倒と力の奪還、果ては今回出現したマリシアスの討伐という使命を託す。
超然としていて、力の保持者に返り討ちにされたプレイヤーをちくちくとなじってくるため、イラッとした経験を持つプレイヤーは少なからずいる様子。
◆ 狂王
「力の保持者」の一人としてプレイヤーと対峙する、真紅のドレスを纏った女性。
物語の舞台となる国の女王を務めており、共に力の保持者となった配下の武人らを率いて鬼神の如き戦いぶりを見せたことから「狂王」と恐れられている。
前代のマリシアスを討伐するため「剣」の力を授けられたが、討伐後に返還を拒み、百年以上に亘って闘争の日々を重ねてきた。
外伝小説では、人間であった彼女が闘争へと身を投じ、狂王となっていく過程が描写されている。
◆ マリシアス
多くの人々の悪意が寄り集まって降臨する災厄。
純粋な破壊者であり、圧倒的な力を以って目に映るもの全てを破壊するだけの存在である。
悪意の集合体であるため、人間が存在する限り何度倒しても、世界に悪意が満ちれば再び現れる。
すべての「力の保持者」を打倒することで登場する最終ボス。
マリシアス リバース / MALICIOUS REBIRTH
PS3版のストーリーに、正統続編にあたる新ストーリー「再誕編」を加え、「魂の器」の性能が変化するコスチュームチェンジを実装し、新たな力「爪」「槌」「鞭」「針」に「マリシアスの力の解放」等の新アクション追加等々……前作から実に倍以上のボリュームアップを果たして、2012年12月に移植、発売されたPSVita用ソフト。やはり配信専用となっており、価格は1500円。
PS3版の内容も全て入っているが、単なる移植版というよりは事実上の続編に当たる。
Vita版の特徴として「翼」の発動と急降下はタッチパネルを使用するようになっている他、前作より全般的に操作の改良が試みられており、防御しながらの回避が可能になるなどPS3版より操作性は向上している。
マリシアス フォールン / MALICIOUS FALLEN
前作『MALICIOUS REBIRTH』までのすべての内容、ストーリー「終焉編」、コスチューム、武器を加えたシリーズ完結編。プラットフォームをPS4に移し、ディレクターが我慢してきた諸々を解き放つとのこと。
ビジュアルがブラッシュアップされており、魂の器のモデリングもかなり変わっている。
過去作の全要素に追加要素も盛り沢山なため、価格は3600円(ダウンロードページ)。
関連リンク
MALICIOUS 公式サイト(PS3版)