この項目は
(1)英語に於ける名詞の一つであり、「裏切り者」を指す言葉。
(2)月刊少年エースにて連載されていた水無月すうによる日本の漫画。
の2つについて扱う。
(1)名詞としての「JUDAS」
キリスト教に於いて、十二使徒の一人「イスカリオテのユダ」はキリストを裏切った使徒である。
十二人の一人で、イスカリオテのユダ(JUDA/JUDE)という者が、祭司長たちのところへ行き、「あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか」と言った。そこで、彼らは銀貨三十枚を支払うことにした。そのときから、ユダはイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。
【「マタイによる福音書」より】
この話を元にしてユダ、つまりJUDAは裏切り者の代名詞となり、JUDASという名詞として使われることになっている。
(2)漫画としての「JUDAS」
水無月すうによる聖書の世界、「イスカリオテのユダ」の裏切りを題材とした漫画。月刊少年エースにて2004年7月号から2006年2月号まで連載された。2015年現在、少年エースにて「そらのおとしもの」に続き「プランダラ」を連載している作者にとって初の少年エース連載作品である。
柔らかいタッチの美少女が多い作風を持つ作者の作品の中でも異彩とも言える作風の作品であり、
・表紙からして黒が多いハードな感じの外見
・美少女も出てくるが、今回は圧倒的に筋肉ムキムキなおっさんが多いし、そっちがメイン
・「そらのおとしもの」のテキ屋のおっちゃんことゼロ・マスケティアーノがギャグ枠じゃなくてマジものの殺人鬼
等々、殺伐としたハードな作風の作品に仕上がっている。
しかし、作品のテーマとしてはイスカリオテのユダの裏切りの真実とそこに絡む「愛」をテーマとしたラブロマンス作品である。
あらすじ
人は死んだらどこへ行く?
人に触れることを禁じられる呪いを掛けられた男<JUDAS>。彼は依代の<イブ>と共に「死」という救いを人々に与え続ける。666人の命を刈り取り、自らの身体を取り戻すために。しかし、彼が呪いを受けたのは理由があった。
これは、2000年に渡る裏切りと復讐、そして「愛」の物語。
主な登場人物
JUDAS
本作の主人公。黒髪で長身、筋肉質な体をしている青年(本人曰く「ナイス・ガイ」)。
普段は人には見えない幽霊の様な存在であるが、奴隷(オモチャ)のイブに憑依し、命を刈り取る死神である。
これは、とある聖人によって掛けられた人に触れることを禁じる呪いのよるものであり、666人の命を狩らなければ元の姿に戻れなくなってしまっている。
その正体はユダ、2000年前にキリストを裏切った十二使徒の一人で「死」を司る使徒であったイスカリオテのユダである。
真久蘭/イブ
JUDASに憑依されている少年だが、どう見ても少女の外見であるため女装が凄く似合い、しょっちゅうJUDASによって遊ばれている。
本人はただの人間だが、JUDASによって憑依されていることから不死の呪いが及んでおり、どれだけ傷ついても死ぬことはない。また、彼の血が流れる事によってJUDASは死神としてイブに憑依し、表に顔を出してくることになる。よって、イブに出血させる事は敵にとっての一種の死亡フラグである。
実はJUDASとはただの死神と奴隷というだけの関係ではない仲であり、中盤から終盤にかけてそれが語られる。
綾瀬瑞樹
本作の語り部とも言えるポジションにいる超絶天才の美少女。16歳にして白血病の特効薬を開発したり、世界各国の政府にアドバイザーとして招かれるなど、驚異的な頭脳を持つ天才であるが、序盤にとある理由から自殺を図る。
しかし、その自殺がイブによって阻止されたことから彼女はJUDAS達の因縁と戦いに巻き込まれていくことになる。
ゼロ=マスケティアーノ
イブの前にJUDASに憑依されていた人間。しかし、ただの人間ではなく、賞金99億ドルをかけられた超S級国際指名手配犯であり、作中の三年前後の間だけでも殺人だけで2万件を越え、その逮捕歴は0という化け物殺人鬼である。(大体一日18人近く殺している計算)
実は「そらのおとしもの」に登場するテキ屋のおっちゃんは彼をモデルにした人物ではなく、彼本人。まあ、あちらではすっかりネタキャラだが、本作ではバリバリの本気モードである。
ペテロ
キリスト12使徒のトップとも言える人物。本作において、JUDASを追い詰める敵として現れる。
外見的には超絶筋肉ムキムキのスキンヘッドの巨漢。(筋肉ダルマと聖書の時代では呼ばれていたほど)