Microsoft Silverlight(マイクロソフト シルバーライト)は、Microsoftが開発したインターネットブラウザ用のプラグイン。
概要
Silverlightはアニメーション、ベクターグラフィックスの表示や音声・動画再生などの機能を備える、いわゆるリッチインターネットアプリケーション(RIA)のプラットフォームである。公式にはWindows・OSXに対応し、InternetExplorer、Firefox、Safari、GoogleChrome、Operaで利用可能となっている。今後はXbox360やWindowsMobile7にも対応する予定。GUIをXAMLという定義ファイルに記述し、JavaScript、Visual BasicもしくはC#を使用してプログラムする。Windows Presentation Foundationのサブセットとして位置づけられる。Adobe Flashと同様にRIAを可能とする為のフレームワークであり、アプリケーションはウェブブラウザでプラグイン形式を用いて提供され、インストール後はブラウザ上でマルチメディアコンテンツの再生を行う。前述のようにマルチプラットフォーム対応であるが、CPUがSSEに対応したPentium III以降のx86互換CPUが必要である。Mac版Silverlight1.xではPowerPC G4・G5にも対応しているが、SilverLight2でIntel専用となった。
正式版(1.0)は2007年9月6日(日本時間)にリリースされた。このバージョンでは、JavaScriptを利用したプログラムのみに対応していた。当初、バージョン1.1では共通言語ランタイム(CLR)や動的言語ランタイム(DLR)を利用したプログラミングに対応し、JavaScriptだけでなく.NETや動的言語によってアプリケーションを開発に対応する予定であったが、バージョン1.1はアルファ版までのリリースにとどまり、2008年10月14日(日本時間)にリリースされたバージョン2にその機能を引き継いだ。なお、このバージョンから.0の表記がなくなり、正式名称がSilverlight 2となっている。
2009年3月18日(日本時間)にバージョン3のベータ版がリリースされ、2009年7月10日に正式版がリリースされた。さらに、2009年11月19日にはPDC09(Professional Developers Conference 2009)の基調講演において、Silverlight 4が発表され、同日からベータ版の提供が開始された。この基調講演では「さまざまな有力なイベントの動画中継を担当することで、Silverlightの普及率は上がっている。2008年夏の時点で33%だった普及率が、現在では45%まで向上した」とも発表されている。
2010年3月16日(日本時間)のMIX10の基調講演では、前年のPDC09のときに45%だった普及率は「いまは60%に近づくほど勢いが加速している」という表明とともに、Silverlight 4 RC版が発表され、2010年4月16日(日本時間)にはSilverlight 4 正式版がリリースされた。
Silverlight 4の主な新機能は、Webカメラ、マイクのサポート、オフラインのDRM対応、マルチキャストストリーム、コピー&ペースト、ドラッグ&ドロップ、マウスホイール、右クリック、印刷のサポートなど。さらに、ブラウザー外実行と呼ばれる機能が拡張されており、使用者権限の昇格モード(信頼されたアプリケーション)を備えることによって、ローカルファイルへのアクセスやアプリケーション内でのHTMLレンダリング、COMオートメーションなどがサポートされる。
Silverlightでは、動画再生で利点が多い。たとえば、広く利用されているWMV形式やH.264形式の動画ファイルを扱える点、IIS7の拡張機能であるSmoothStreamingを利用して、テレビに近い感覚で動画をザッピングできる点(視聴者の再生環境の帯域とCPUの負荷状況に応じて、適切なビットレートの動画ファイルが配信される)、PlayReadyと呼ばれる同社の新しいDRM技術を採用している点などがあげられる。PlayReadyは既存のWMDRMとも互換性があるので、WMDRMで暗号化されている動画ファイルは再エンコードや再暗号化をすることなく、Silverlightで再生することができる。
RIAのプラットフォームとしての特長は、Windows Presentation Foundation(WPF)のサブセットとして位置づけられているように、開発環境や開発スキルに.NETを生かせるところにある。WPFと同様にUIはXAMLで定義、ロジックはVB .NET、C#といった.NETのマネージドコードのほか、IronRubyやIronPythonの動的言語、さらにはJavaScriptで記述することができるようになっている。また、ブラウザーのプラグインでありながら、デスクトップアプリケーションのように動作させられるOut Of Browserと呼ばれる機能が実装されている。表現力の面では、Silverlight 3になって疑似3Dやエフェクトをサポートし、Flash Playerに近づいた。DeepZoomやPhotosynthは他のRIAプラットフォームにはない特徴的な機能である。
OS X対応
Silverlightは、それ自体にメディアファイルのデコーダーを内蔵しているため、OSXでもSilverlightを利用することでWindows Mediaファイルを再生することができ、DRM技術のPlayReadyにも対応している。GyaOやShowtimeがSilverlightを採用したことで、OSXユーザーも動画配信サービスを視聴できるようになった。ただし、Silverlight 2以降のバージョンではPowerPCに対応していないので、注意が必要。
システム要件
詳細は、Microsoft Silverlightのシステム要件のページを参照。
「http://www.microsoft.com/japan/silverlight/requirements.aspx」
以下のほか旧バージョンではWindows2000もサポートされていた。
- Windows XP SP3、Server 2008/2008 R2、Vista、7
- x86 または x64 1.6 GHz 以上のプロセッサ、および512MB以上のRAM。
- 32ビット版のInternet Explorerでの使用が推奨されている。
- Mac OS10.4.8以降のPowerPC
- PowerPC G4 800MHz以上のプロセッサ、および128MB以上のRAM。
- Mac OS10.4.11以降のIntel Mac
- Intel Core Duo 1.83GHz以上のプロセッサ、および128MB以上のRAM。
- Linux
- Moonlightが動作する環境(x86プロセッサ(32ビット・64ビット)、および128MB以上のRAM、Firefox2.0または3.0)。
藍澤光
Microsoftの台湾法人が、Silverlightのプロモーションのために作った美少女キャラクター。2010年9月28日登場。作者は、pixivにも絵を掲載している台湾在住のshinia。
Microsoftの公式サイトとは思えないほど(窓辺ななみは公式では無い)の、企業イメージとはあまりにかけ離れた「萌えキャラ」ぶりに、台湾のみならず日本のオタクからも注目を集めた。
同年12月には、当初の「4女」という設定通り、3人の姉も公開された。4人はそれぞれ特徴が大きく異なり、オタクが好む様々なタイプの美少女キャラクターが揃う形となっている。さらに、「クリスマス特別企画」として、4姉妹のうちの誰かとクリスマスにデートをするという、まさに「ギャルゲー」そのもののゲームも公式サイトにて公開され、完全にSilverlightのプロモーションそっちのけでオタク向けに舵を切ったその路線は、全世界のマイクロソフトの中で異彩を放っている。
イラスト作者も投稿しているpixivでは、イラストコンテストがMicrosoft台湾法人も協賛する形で開催された[3]。
2011年の公式サイト上における特別企画として、バレンタインデーを記念したコスプレコンテストまで開催されることになり、公式サイトは「もはや何のサイトだかよく分からない」とまで評されるに至っている(同脚注先)。
普及率
バージョン | RIAStats.comの調査 |
---|---|
未インストール | 27.06% |
1 | 0.18% |
2 | 0.23% |
3 | 2.72% |
4 | 69.78% |
関連タグ
Microsoft, Adobe, AdobeFlash, 藍澤光, 台湾