Otaku Would Never Yield To Terror.
概要
2019年7月18日、京都アニメーションの第1スタジオが放火され、36人が死亡するという事件が起きた。世界各国がテロの脅威にさらされる中で、日本でもこのような悲惨なテロ事件が起きてしまったのだ。
この事件をうけて、世界各国のオタク達が『PrayForKyoani』のタグなどで追悼の意を表明する中、テロ・暴力による表現の自由の侵害に対し『テロには屈しない』というオタクの強い意思を表明する一文となった。
……のだが、実際には犯人は犯行声明を出しておらずまた、犯行の動機はシャルリー・エブド襲撃事件やデンマーク連続銃撃事件などのような宗教的・思想的な理由では無く、自身の作品をアニメ制作会社に盗用されたと思い込んだ事による逆恨みだったため、この事件そのものは既存のテロの定義に該当しない。
しかし、いかなる宗教的・思想的理由があろうと、犯行声明があろうとなかろうと、既存のテロの定義にあてはまらないとしても、テロはテロである。
現代のテロリズム
現代のテロリズムは世界的に非常に複雑化している。また、テロを起こす人物が『必ずしもテロ組織に所属しているとは限らない』ため、かつてのテロの定義が当てはまらない可能性も多い。
現代はSNSも発展し、世界中の情報などが早く行き交う状況である。
そんな中、SNS等を通じて世の中に不満を抱いている人物に過激な思想を植え付けて、国内で一般市民を標的としたテロ行為に走らせる。テロ組織と接触させる必要も無い。
この手のテロリズムを『ホームグロウンテロリズム』と呼び、非常に対処が難しく、欧米などでも重大な脅威とされている。
過激思想に共鳴し、組織的背景を持たず各国で独自にテロを起こすテロリストを『ローンオフェンダー(単独の犯罪者)』と呼んだりもする。
余談だが、組織的背景の無いテロリストは従来『ローンウルフ(一匹狼)』と呼ばれており、警察の公的な資料等でもこの表現が用いられていたが、この事件以後は「犯罪者に積極的な印象を与えかねない」という指摘からより否定的なニュアンスの強いこの呼び方が使用されるようになった。
今回の事件に対し『犯人は悪くない』と言うYouTuberや、被害者である京都アニメーションを侮辱し、犯行を正当化する大学教授、それに賛同する人々も現れている。
このような状況はシャルリー・エブド襲撃事件後の状況(フランス国内の移民を中心に、実行犯に共感する人々もいた)にも酷似しており、『暴力によって表現の自由を侵害する事を正当化する』過激な思想こそがテロの本質とも考えることもできる。
関連タグ
ISISちゃん…イスラム国の過激な思想から人々を遠ざけるため、考え出されたキャラクター。