アイテム番号: SCP-1475-JP
オブジェクトクラス: Safe
概要
背もたれに「Welcome to America」と彫られている木製の椅子。
現在までに13個回収されており、どれも材質は日本産のスギらしい。
一見するとただの椅子なのだが、こいつは人間が腰かけるとその本性を現す。
- 座った瞬間から座った人間(SCP-1475-JP-A)は立ち上がれなくなり、同時にあらゆる攻撃や損傷などに対して所謂『無敵化』する。
- 3分経つと椅子が小刻みに震えだし、5秒後に座った人間が前方斜め45°にものすごい速さで『発射』される(この時、椅子から砲撃の如く爆発音と爆炎が発せられるが、見た目と音だけで害はない)
- 無敵化しているので発射された人間は意識があり、20秒後にはあらゆる障害物をすり抜けて飛んでいくようになる。
- 発射から約二時間で、発射された人間はアメリカ合衆国ノースカロライナ州の北緯██████°、西経██████°地点周辺に『着弾』する。
- 着弾から三秒後、無敵化が解除される。
要するに、座った人間をノースカロライナまでぶっ飛ばす椅子なのである。
何も知らずに座った人間からしたらたまったものではない。
一応、座って飛ばされた人は少なくとも目的地に着いて椅子から降りるまで死にはしないし、飛行中もGや気圧変化で苦しい目に遭うとかそういうこともない。
現在まで実験を受けた者の中から終了者は出ておらず、飛行中の通信でも「寒くはない」と普通に応答されている。
その後財団がこのSCPオブジェクトを実験してするうち、他にも性質が明らかになってきた。
- 人間以外を座らせると異常性は発現しない。
- 室内などで使っても結果は同じ。ただし発射から20秒間は透過ができないため、発射された人間が天井の角に突き刺さったようになる。
- 地球上のどこから発射してもノースカロライナに約二時間で着弾する。ただし着弾地点で発射すると真上の上空で約二時間静止し、椅子の上に降ってきて無限ループになる。
- 二人以上が同じSCP-1475-JPに座ると背中合わせで同時に発射される。
- 椅子を複数並べて一人ずつ同時に座らせると編隊を組んで発射される。
また、現在13番目の椅子(SCP-1475-JP-13)に関しては実験が禁止されている。
その理由は......
D-1475-04: おい!ふざけんじゃねえぞ!話が違う!
D-1475-04: ここはノースカロライナなんかじゃねぇ!サウスカロライナだ!
...たまにサウスカロライナ(2%)、更にごくたま~にウエストバージニア(1%)に着弾してしまうから。
誰が言ったか着弾ガチャ。
これ以上変な場所に着弾されても困るので、一応やめとこう……という話のようだ。
ちなみに、アメリカ合衆国に「イースト」の名を冠する州はない。
あったところでSCP-1475-JP-13での実験が禁止されただろうことは想像に難くないが。
Tale「Unwelcome to America!」
SCP-1475-JPによく似た「椅子」を手に入れた北朝鮮を舞台にした短編である。
北朝鮮の高官である主人公は、同志委員長に呼び出された場で「金色の恥知らず」に一泡吹かせる秘密兵器にされた椅子、その名も「刑火鳥7号」を提示される。
ご丁寧にこの椅子はノースカロライナに着弾後、最先端で革新的な技術開発により、着弾時に無慈悲で容赦ない核爆発を伴うように設計されていた。
約束された勝利をつかみ取るべく、「刑火鳥7号」に座って射出される主人公。しかし実は同志委員長からは自身の地位を脅かすものとして危険視されており、口封じを兼ねた犠牲に選ばれていたのだった。
その結果……
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incident: ████/██/██未明、朝鮮半島北部に半径およそ150kmの巨大クレーターが突如として出現しました。
韓国支部からの報告によれば、クレーター出現の2時間23分前に、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)から飛んでいく人型の物体を数秒間確認できたとのことです。また、クレーター中心部に40代の男性が倒れているのを発見しました。
いずれの特徴からSCP-1475-JPとの関連性が指摘されていますが、これまで見られていなかったクレーターの発生理由など多数の不明点が浮上しています。現在、韓国支部との協力の元で調査を進めています。
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「ノース」コリアに着弾。
自国の大半(主人公除く)を綺麗さっぱり吹っ飛ばしてしまったのであった。