概要
アイテム番号:SCP-777
オブジェクトクラス:Euclid
SCP財団が管理するSCPオブジェクトの一つ。通称「砂の王国」。
とある砂漠地域の一定の範囲内、およそ5k㎡に広がる場所系オブジェクト。「砂の王国」という呼称は元々は当該領域の近郊に住む人々が用いていたものである。
現在は財団によって軍事爆撃域に偽装され、高さ2mの電気フェンスで囲まれる形で収容されている。勿論、衛星写真なども専門の職員によって改変されており、一般的にはどこに存在するのかは知られていない。
SCP-777領域内に存在する砂は、種類を問わず液体に晒されることで異常性が活性化し、様々な生物を模した砂の像「SCP-777-1」へと形を変える。基本的には陸生の動物を模した形になるが、財団の実験によって状況次第では昆虫類や魚類、植物などに近い姿になることもあると確認されており、更には複数種の生物の特徴が融合したような姿になる場合もある。
これだけなら「水を撒くだけで砂の像ができていく不思議な砂漠」というだけで終わるのだが、問題はここからである。SCP-777-1は領域内に侵入したあらゆる生物に対して直感的に襲い掛かる性質を持つ。場合によっては複数体出現することもあるが、それらの実体同士が攻撃し合うようなことはほとんど無く、とにかく徹底的に生物に対して攻撃的に振舞う。しかも一度動き始めたSCP-777-1は崩壊するまで執拗に獲物を捜索・追跡する性質を持っており、過去にはSCP-777の領域外、中には近郊の町にまで獲物を追う形で襲来したケースも確認されている。
人の汗が砂の上に落ちただけでも異常性の引き金となるため、SCP-777の探索は非常に困難。そしてSCP-777-1の攻撃によって流血したりすると、流れ出た血液によってまた新たなSCP-777-1が形成されてさらに襲われるという無間地獄となる。その光景は仮に生還できたとしてもPTSDを発症しかねないほどに惨い。
無論、雨など降り出せばそれだけでとんでもない事態となりかねないため、実際にSCP-777の近隣で雨が降り始めた場合は脅威を除去するための爆撃許可が下りる。
SCP-777-1は形成されてからおよそ24時間以内に水(湿り気)が追加されないと、直接破壊しなくても自然に崩壊して活動を停止する(ただし小型の個体ほど長持ちする傾向がある模様)。また、異常性が維持されるのはSCP-777の領域からおよそ6㎞以内と推測されている。
ちなみにSCP-777領域内では発生源不明のラジオ干渉が観測される。それに加えてこの領域内で異常性の犠牲となって壊滅した機動部隊の唯一の生存者からの証言などから、これらの異常性の根本的な原因はSCP-777の中心部に存在すると考えられている。しかし、前述したようにSCP-777領域の探索は極めて困難であり、現時点までに財団によって行われた探索作戦は全て失敗に終わっている。