富士 T-1は、富士重工業が開発し航空自衛隊が採用したジェット練習機。
概要
1958年に初飛行、1960年から配備された。
戦後GHQに航空機産業を封じられ、解禁されてから初めて独自開発された航空機で、ジェット機である。
この頃の戦闘機要員の育成は、初等教育でT-34"メンター"→T-6"テキサン"と続いて、主力戦闘機に乗る前の高等教育でジェット機のT-33高等練習機という手順だったが、戦前設計のプロペラ機で主脚が前側(尾輪式)のT-6からジェット機のT-33までの差が大きいことが懸念され、中等教育を行うジェット練習機として本機が開発された。
それなりに纏まった数が導入されることが予定されていたものの、1962年に主力戦闘機にF-104が導入されると、それに伴って格下げする形で中等練習機にT-33が充当されることが決まったため、T-1にとっては早々に「厄介な3年生のセンパイが自分達2年生の教室にやってきて居座っている」形となった。
結局、生産機数は66機と不振気味であった。
2006年退役。