概要
旧ソ連圏で普及したL-39の後継機として開発された。1機あたりの価格は1500万USドル(量産仕様機は2004年4月30日初飛行)。与圧式のコックピットに航法と武器照準用の『ヘッドアップディスプレイ(HUD)』と共に『3画面カラー多機能ディスプレイ(MFD)』を備え、座席に『ゼロ/ゼロ方式射出座席』を装備。
また、『機上診断・制御システム(MIL-STD-1553B)』を自動化したものを備え、運用と整備を簡略化。
既存の設備インフラを最大限利用して最終的な製造コスト大幅カットに成功している。
未舗装の滑走路からの運用も配慮されており、降着装置には低圧タイヤを装備し、エンジン吸気口には異物吸入を防止する開閉式カバーを備えている。
武装して軽攻撃機としても使用可能で、計9つのハードポイントに3トンまでの武装を搭載できる。
ロシアの他、アルジェリア、ベラルーシ、バングラデシュ、ミャンマー、ベトナムといった親露国家に輸出されている。
当初はイタリアのアエルマッキとの共同開発であったが、最終設計仕様で両社が合意できず決別した経緯があり、その後、かつての開発パートナーであったアレーニア・アエルマッキが、兄弟機となるM-346高等練習機を開発している。
バリエーション
- Yak-131
Yak-130ベースのマルチロール単発軽戦闘機。2021年7月20日(火)から7月25日(日)まで、モスクワ・ジュコーフスキー飛行場で開催された『MAKS国際航空ショー2021』にて開発計画の実態が披露された。Yak-131に搭載される『Klimov VK-10M』アフターバーナー付ターボファンエンジンの単発推力は、アフターバーナー使用時には107.9kNにも達する(『ファゾトロン(NIIR)』開発『ジューク-A(FGA-29)/輸出型ジューク-AE(FGA-35)』AESAレーダー標準装備)。なおオプション装備として推力偏向ノズル(TVC)の装備も可能。
※【『MAKS国際航空ショー2021』にて披露されたYak-131マルチロール単発軽戦闘機モックアップ(上部及び底部)】
現行の第4.5世代単発ジェット戦闘機との比較
開発国 | 噴式推進器 | アフターバーナー出力 | 搭載機種 |
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アメリカ合衆国 | ゼネラル・エレクトリック F414-EPE | 120.0kN | T-7A レッドホーク |
大韓民国 | ゼネラル・エレクトリック F414-GE-400K | 120.0kN | FA-50 ファイティングイーグル |
ロシア連邦共和国 | クリーモフ VK-10M | 107.9kN | Yak-131 |
スウェーデン王国 | ゼネラル・エレクトリック F414-GE-39E | 98.0kN | SAAB JAS 39E/F グリペンNG(Next Generation) |
インド共和国 | ゼネラル・エレクトリック F414-GE-INS6 | 98.0kN | テジャス Mk.II |