概要
ドイツ海軍(国防軍)が建造した1936型(Z17型)駆逐艦の5番艦。
1936年度建艦計画において発注された。第一次世界大戦のドッガー・バンク海戦で命がけで巡洋戦艦「ザイドリッツ」の火薬庫爆発を防いだ乗組員ヴィルヘルム・ハイドカンプに因んで「Z21ヴィルヘルム・ハイドカンプ」と命名。
艦歴
1937年12月15日起工、1938年8月20日進水、1939年6月20日就役。
1940年2月18日、戦艦「シャルンホルスト」、「グナイゼナウ」、駆逐艦「Z1」と共に船団攻撃のためにノルウェー沖へ出撃したが戦果はなかった(ノルトマルク作戦)。
4月7日、駆逐艦10隻(「Z2」、「Z9」、「Z11」、「Z12」、「Z13」、「Z17」、「Z18」、「Z19」、「Z21」、「Z22」)からなるグルッペ1の旗艦としてナルヴィク(ノルウェー)攻略のためヴィルヘルムスハーフェン(ドイツ)を出港。
4月8日、トロンヘイム沖海戦。
4月9日、グルッペ1がオーフォートフィヨルドに侵入。ナルヴィク港で「Z21」がノルウェー海軍の海防戦艦「エイスヴォル」、「Z11」が海防戦艦「ノルゲ」を雷撃して沈め、山岳歩兵隊を上陸させた。
4月10日、ナルヴィク港にイギリス海軍第2駆逐群が侵入し、グルッペ1を攻撃。「Z22」を撃沈、駆逐艦6隻を損傷させた。港外に出た第2駆逐群はヘリヤンクスフィヨルド、バランゲンフィヨルドからの増援部隊と交戦し、2隻を失って退避。ドイツ側は燃料不足で追撃を諦めた(第1次ナルヴィク海戦)。「Z21」にはイギリス海軍駆逐艦「ハーディ」の魚雷が命中し、翌朝沈没した。