概要
イギリスのシンクレア・リサーチ社が1982年に発売したホームコンピューター。
イギリスで最初に爆発的人気を得たホームコンピュータであり、本機種を切っ掛けに多数のソフトウェア・周辺機器メーカーが誕生した。SpectrumがイギリスのIT業界を生み出したとまで語られることもある。
開発中は「ZX Colour」または「ZX82」と呼ばれていたが、創業者であるシンクレア卿の「カラーである事を強調したい」という鶴の一声から今の商品名になったという逸話がある。
欧米で人気を博したSpectrumは、主にコモドール64と競合した。
アメリカではコモドールの低価格戦略に敗れ市場撤退を余儀無くされたものの、
ヨーロッパでは1985年までコモドール64と互角に渡り合った。
1985年頃からシンクレア・リサーチ社の資金繰りの悪化により、翌年にアムストラッドCPCの製造元で有名なアムストラッド社にコンピューター製造と商標を売却、以降の製品はアムストラッド社から発売される事となった。
本機は、世界中の多数のメーカーからクローン機が発売され、特にソ連、チェコスロバキア、ルーマニア等の東欧諸国が多く、ソ連では複数の企業が独自にキリル文字対応モデルを発売していたというエピソードがある。