概要
ぴゅう太とは、トミー(現:タカラトミー)より1982年に発売された16ビットパソコンである。
当時の価格は59800円。
特徴
当時のパソコンとしてはめずらしく、16ビットのCPU※にスプライト機能を搭載したGPUを内蔵していたことで、アクションゲームなどを遊んだり、プログラミングする上でアドバンテージがあった。
※1980年代では8ビットCPUから16ビットCPUに移行し始めた段階であり、1982年当時は16ビットのCPUというのは先進的な物であった。
本体色は青と白のツートンカラーで、ターゲット層である子供達に親しみやすいデザインとしている。ゲーム機としても、パソコン兼教育用コンピューターとしても使えることをアピールしていたが、後述するゲーム機の登場により大コケすることになった……
一見してパソコン&ゲーム機という強力なタッグの様に思えるが、パソコン面では数少ないカラー画面表示や当時のPCと比べて良質なグラフィック表示が可能な利点はあったが、メモリ容量や拡張性に乏しく、また本機のデザインカラーが明るい色事が災いして、他のパソコンと比べ大きく浮くという欠点があった。
ゲーム面ではまず59800円という規格外の値段による所が大きく、またプログラミング教育が当時は全くと言っていい程普及していなかった為、殆どの家庭では購入が見送られ、買ってもらっても親が使うばかりという今一つターゲット層とコンセプトが噛み合っていない状態であった。
何よりも、ゲーム機ないしパソコンに「ぴゅう太」という名前は当時としてはインパクトはあれど大人には見向きもされず、子供には値段面でまず敬遠されるばかりで、名が売れる頃になって1980年代の最高傑作であるゲーム機が登場し、どんどん廃れていった。
その最高傑作とは、1983年に登場したファミコン。
ゲームでの性能面、そしてプレイ可能なゲーム数やジャンルで太刀打ちできず、1980年代後半に差し掛かる時期になると16ビットのCPUが普及されていくようになった為、ビット数のアドバンテージも失い、1985年に生産停止となった。
1984年には廉価版であるぴゅう太Jr.が登場し、ゲーム機としての機能だけ残してコストダウンした物が登場したが、その頃にはファミコンのみならず、SG-1000も普及され、当時のゲーム機業界は完全にこの二機種が覇権をめぐり争う状態であり、そこに今更ゲーム機として特化した物が登場しても太刀打ちできるはずもなく、ぴゅう太Jr.は約1年後にはぴゅう太共々市場から姿を消した。
仕様
- CPU:TMS9995(16ビット)
- GPU:TMS9918
- RAM:256B(CPU内蔵)+16KB(GPU内蔵)
- サウンド:3チャンネル同時発音
- グラフィック:16色
- スプライト:8×8または16×16、シングルカラー
その他
1990年代に家庭用メダルゲーム「プリスクールコンピュータぴゅう太くん」とそれをアーケードに移植したメダルゲーム「サンワイズぴゅう太くん」が後継機として発表されている。
海外では「Tutor」という名前で輸出販売されている。
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