概要
Zaurus(記事タイトルは大文字と小文字を誤っている)SHARPが1990年代から2000年代にかけて手掛けていた携帯情報端末(PDA)のブランド名。
独自8ビットCPUを搭載し高機能電子手帳「液晶ペンコム」として発売されたPIシリーズ、SH-3をCPUに採用しカラー液晶とZaurusOSを搭載したMIシリーズ、ARMアーキテクチャCPUとLinuxを採用したSLシリーズ(いわゆる「リナザウ」)があり、それぞれ互換性がない別物であるが、いずれもタッチパネルを搭載し、ペン入力ができたため、モバ絵と称される文化を育んだ。
各世代
PIシリーズ
1993年に初代モデルのPI-3000を発売。ESR-Lというポケコン用の8ビットCPUを搭載した。Z80プロセッサも搭載するが、これは手書き文字認識専用である。小型化技術や手描き文字認識に、SHARPがAppleのPDANewton MessagePadを共同開発した経験が生かされている。液晶画面は白黒の横長でバックライトはない。実用的な手書き文字認識と、6万円台からの低価格が評価されヒット商品となった。
MIシリーズ
1996年にMI-10が「カラーザウルス」と銘打って登場。日立の32ビットRISC SH-3とZaurus OSを搭載し、PIシリーズと外見は似ているが互換性はない。小型軽量化した「パワーザウルス」MI-504、低価格な「モノクロザウルス」MI-106、若者向けにインターネット接続に重点を置いた「ザウルスアイゲッティ」MI-P1、それまでのザウルスのスタイルと一線を画する縦型ボディと内蔵キーボードを搭載したMI-E1などのバリエーションがあり、PIシリーズのビジネスユーザーから個人ユーザーに裾野を広げた。
SLシリーズ
ARMアーキテクチャのXScale CPUとLinuxを搭載し、オープン志向に舵を切ったシリーズ。日本では2002年8月のSL-A300が嚆矢だったが、海外ではその前から展開されていた。しばらくはMIシリーズと並行して展開された。第2世代のSL-C750以降は小さなノートパソコンのようなクラムシェルボディとなったが、液晶は180度回転する仕様で、「ビュースタイル」と称する縦方向で使うことも可能である。後期のモデルは無線LANやBluetooth、SDカードスロットを搭載し、ハードディスクドライブを搭載したモデルもあった。2005年発売のSL-C3000とSL-C1000が最後の機種で、iPhoneが日本上陸した2008年に生産を終えた。